今回もみごとである。
ひらひらとはためいて落ちる布のような語りが、なんとも心地いい。
第6話|ハニカミとキス
福田麻由子ももらったチップで、急にビッチなロボットになるQ10。
「平太、ねえ、今からどこ行く? 私はどこでもいいよ。平太の好きなところで」
「ちょ、ちょっと待って…」
「どうしたの?」
「きゅ、キュート…」
「花恋って呼んで」
「か、花恋さん…」
「そうだ、キスしようか」
男の子の想像力など、こんな他愛のないものだろうというみくびりが、月子にあるのである。
そう、女子は男子よりも先に悩み、決断する。
別れの予感に怯える高畑充希は、自分から影山君にさよならを言う。
普段しっかりしてる女の子が派手にコケる姿にキューンとなるという武彦は、蓮佛美沙子が転ぶ姿に心臓バクバクになり、急に死ぬのが怖くなる。
長生きしてくれと佐藤健に頼まれた蓮佛は、100円玉を積み上げ、ようやく出た長寿とかかれたオミクジを武彦のところへ持って行くと、「私ね、久保くんが思ってる以上にしぶとい女なんだよ。絶対にしぶとく生き抜く。
突然、久保くんの前から消えたりなんかしない。約束する」
Q10をキューイチマルと呼ぶ月子は、どうやら佐藤健たちの世界の外にいる者なのだが、ラストでは平太にやりこめられ、「だからって、あんたのものじゃないからね!」とツンデレふうの捨て台詞。
今回、なぜか、クラス会に出かける白石加代子に妙な存在感があった。
その白石が歌う「さらば恋人」のオカズ間奏、「「チャチャチャチャチャン♪」を覚えてしまったQ10。
そう、今回はこの、マチャアキの歌なのだ。
またしても70年代~!
作曲:筒美京平 作詞:北山修
さよならと書いた手紙
テーブルの上に 置いたよ
あなたの眠る顔みて
黙って外へ飛びだしたいつも幸せすぎたのに
気づかない二人だった
冷たい風にふかれて
夜明けの町を 一人行く
悪いのは僕のほうさ
君じゃないゆれてる汽車の窓から
小さく家が 見えたとき
思わず胸にさけんだ
必ず帰って来るよといつも幸せすぎたのに
気づかない二人だった
ふるさとへ帰る地図は
涙の海に捨てて行こう
悪いのは僕のほうさ
君じゃないいつも幸せすぎたのに
気づかない二人だった
ふるさとへ帰る地図は
涙の海に捨てて行こう
悪いのは僕のほうさ
君じゃない
歌詞が沁みてしまう3年B組の面々。
弟のために昼間の仕事(パン工場)に就くことにした藤丘君、誰にも告げず学校を去ったことを知り、クラスのみんなは、せめて心を伝えたいとアパートの前でコーラス。。。
ポッキーを万引きした弟を引き取りに現れた藤丘君。
「恥かかせんじゃねーよ! 情けねえ!…すいませんでした」
思いきり怒鳴ってとぼとぼと帰宅する藤丘兄弟と中尾。
「大人になったら、ファミレスで苺のパンケーキ頼めるようになる?」
という弟のみならず言葉に、
「お前にパンケーキぐらい食わせられるよ!」
と手持ちのジャラ銭を気にしながらエレベーターに乗り込む3人、そこでエレベーターがストップ…
ここは、このドラマには珍しくシーンが二つに分かれている。
あとになって明らかにされる後半シーンでは、心が折れた弟が「いいことなんか何もなかった…」と座り込み、
お兄ちゃんはいいことあった?と聞かれて、「お前が産まれた日」と答える藤丘。
その日降った雪に、大きくなったら雪合戦ができると思った藤丘。
「もういいとか言うなよ。俺、まだお前と雪合戦してねぇじゃん…」
泣かせます。
もうひとつの見どころは、Q10の(*´∇`*)ハニカミ顔であるww
「Q10はどこから来たの?」
「ソノめっもりーハアリマセン。平太ハドコカラ来タノデスカ?」
「いや、俺は記憶にない」平太
「(*´∇`*)(ハニカミッ!)」
唇を突き出すその表情がキスに向かうであろうことは、最初から予想がつく。
涙の壺みたいなのをもらった平太、
「泣きたくなったら、どうすんの?」
「平太ノコトヲ思イ出シマス。平太ノコトヲ思イ出シテ、代ワリニ笑イマス」
嬉しくなって、ついはにかみ、Q10がハニカミ返しをしているうちに…
Q10 「空モ、ハニカンデイルノデスカ?」
平太「ぱふっ」
第7話|クライマックスが始まる
最初のシーンは親戚の葬式から帰った佐藤家の様子である。
死者を振りきるために肩に塩をふり、死化粧を笑う家族の中で、Q10がいなくなっても生きていけるのだろうかと考える佐藤少年である。
ひとりでQ10を連れ、あてどなく海辺の村をさまようクライマックスの始まりである。
池松壮亮の涙が病院の床に落ちる。
それに気づいて、池松の手をそっと握る蓮佛美沙子。
さりげないし、目新しくもないが、このシーンは脚本も蓮佛の演技もとてもいい。
高畑充希と賀来賢人の、「幸せな」(つまり「めでたし、めでたしの」)映画の撮影は、涙涙である。これは設定自体がとても切ない。
「おかえりなさい」のテイクを重ねるところは、「台風クラブ」を思い出すなあ。
田中裕二が薬師丸ひろ子に贈った「ヘンシン・リセット」の言葉。
実演してみせる田中の呼吸がばっちりで、これは本当の田中の持ちネタではないかと思わせる。
Q10の肌やら表情やらが、なんだか人間ぽくなってきているように見えた。
瞬きが映る一瞬があったような気がする。
これもクライマックスに向けての演出?
第8話|名前の混乱がオチ?
どうやら全9回らしく、次回が最終回。
順当にQ10の正体が明かされ、ついに平太君、リセットしてしまう。
なんと70年後(ビミョーな時間である)からやってきたロボットであると。
10代の平太の様子をモニタするために平太の妻が富士野月子(のカイシャ?)に頼んで送り込んだもので、当初の予定ではひきこもりの少女「富士野月子」として学校に入る予定だったと。
この名前の混乱が、ネタバレにつながるということだろうか。
Q10に「管理人R31」だと言われている福田麻由子は、つまりロボット?
そして、リセット後に小川輪業店に訪ねてきた「月子」は福田真由子ではなく、ロボットじゃないほうの前田敦子=未来の平太の妻、が福田麻由子?
母親の手術代30万円の無心にパン工場を訪れた藤丘の父親(柄本明)(エッ、柄本時生って柄本明の息子なの???)、ついに危篤状態に陥った久保君、ミュージシャンへの道が開けそうな山本民子、中尾君を味方にまだ何かしようとしている柳教授、河合恵美子に突き放された影山君、と話はあちこちブルーな感じで途中になっていて、来週全部解決するのかしらん。
最終話|パロディとしてのセカイ系
他のドラマより1回少ない全9回。
押されたと思ったリセットボタンが押されていなかったというのは、にせのクライマックスだった。
サスペンスとしてではなく、佐藤健は自分の意思でリセットボタンを押す。
世界への愛を、愛する人への愛へと重ねる展開で、このお話がいわゆるセカイ系の一種だったことが明らかになる。
自分語りで進むというところでもっと早く気づくべきだった。
思えば、畳まれた翼のような装置が背中に仕込まれているというヒントがあったのだ。
セカイ系の軽いパロディと言ったらいいのかしらん。
