天使にラブ・ソングを…の感想
30年近くぶりに見た。ハリウッド的な少女ウェンディ・マッケナ(その後の美女ぶりにもかかわらず、あまり映画に出ていない)が微笑ましく可愛らしい。
天使にラブ・ソングを… 見どころ
今やクラシックなコメディ・ミュージカルの傑作として、音楽、ユーモア、家族愛、自己実現が絶妙に融合していると評価されている。
- ウーピー・ゴールドバーグの“弾ける主演力とキャラクター魅力”
ラウンジ歌手・デロリスが、証人保護のために修道女として潜伏し、住職から冷たくあしらわれながらも、牧歌的な修道院に笑いと音楽を持ち込む。ゴールドバーグの天然で強いキャラクターが、街を変えていく姿はエネルギッシュかつ心温まるもので、彼女のキャリアの絶頂作であり、コメディとしての輝きを放っている。 - 修道院合唱団の“音楽革命”
マーク・シャイマンによる音楽は、「Hail Holy Queen」にゴスペルとロックを融合させるなど、従来の宗教音楽の枠を破った演出が鮮烈。“修道女たちが生き返るように歌う”瞬間はクライマックスの高揚感を掻き立てるだけでなく、社会と教会双方に希望をもたらす力を象徴する。 - ジャンルを超えた“魚 out-of-water コメディ”とコミュニティ形成
煌びやかなクラブ歌姫が、厳格で静かな修道院に入り込むことで生まれるギャップと化学反応は典型的な「fish out of water コメディ」。本質は、「個人芸」から「共同芸」へ──デロリスが周囲を巻き込み、孤立した“家族”を育てる過程にはヒューマンな魅力が。 - カーセキュリティ・サスペンスとコミカル緊張
ギャングボス(ハーヴェイ・カイテル)によるデロリス狙撃計画は、ラブリーなミュージカルに緊張感を持ち込み、ジャンルの連携が見事。主演女優と修道女たちが協力して逃避する展開には、ユーモアとスリルの融合が炸裂する。 - 社会と宗教の“柔軟な融合”メッセージ
「伝統の中に革新を」「厳格と遊び心のバランス」は、本作が宗教や社会に伝えるポジティブなメッセージ。モンスターな信仰(Mother Superior)とのぶつかり合いを通じて、“柔らかさが強さ”であることを生き生きと描く。
天使にラブ・ソングを…のあらすじ
ネバダ州リノのクラブ『ムーンライトラウンジ』で歌う黒人クラブ歌手デロリスは、ネバダ一帯に縄張りを持つマフィアのボス、ヴィンスの愛人。離婚してもらえないことにしびれを切らした彼女は町を出ようと決心するが、別れ話を切り出そうとした際に彼が裏切り者を殺す現場を目撃。一目散に警察に駆け込んだところ、サウザー警部補の思惑で証人保護プログラムによってサンフランシスコの女子修道院に匿われることになり、「シスター・メアリー・クラレンス」の名で尼僧としての振る舞いを余儀なくされる。
厳格で高圧的な修道院長が目を光らせる中、不自由で堅苦しい生活に辟易するデロリス。しかし聖歌隊の指導を任されるようになったのを機に歌手としての本領を発揮し、聖歌隊を鍛え上げて聖歌をゴスペルやロック風にアレンジし、派手なパフォーマンスを繰り広げて一躍町中の人気者となる。資金難で閉鎖寸前だった修道院は聖歌隊の活躍で息を吹き返し、シスターたちは奉仕活動に勤しみ、周辺地域の人々との交流を深め、デロリスはシスターたちと心を通わせ固い友情で結ばれていくが……
天使にラブ・ソングを…を観るには?
天使にラブ・ソングを…のキャスト
ヴィンス・ラ・ロッカ – ハーヴェイ・カイテル
修道院長 – マギー・スミス
シスター・メアリー・パトリック – キャシー・ナジミー
シスター・メアリー・ロバート – ウェンディ・マッケナ
シスター・アルマ – ローズ・パーレンティ
エディー・サウザー – ビル・ナン
オハラ司教 – ジョゼフ・メイハー
ジョーイとウィリー – ロバート・ミランダ(ジョーイ)、リチャード・ポートナウ(ウィリー)
聖歌隊の修道女たち
白枠眼鏡でラザラス並の長身の高齢なシスター(メアリー・イグネイシャス) – ルース・コバルト
明るい笑顔で魅力的なこぶしを回すような歌声の年老いたシスター – ジョージア・クレイトン
肝っ玉を思わせる眉毛が太くふくよかな中年シスター – スーザン・ブラウン
一番小柄で可愛い声の年長シスター – エレン・アルバーティーニ・ダウ
胴縁の楕円眼鏡をかけ車修理ができる年老いたシスター – パット・クロフォード・ブラウン
小顔で若めだが若干陰気そうだが可愛いらしい顔立ちと歌声の中年シスター – プルーデンス・ライト・ホームズ
小柄で若めのシスターの横で歌う気の強そうかつお茶目そうな顔をした中年シスター – ベス・ファウラー
表情豊かな左利きで丸眼鏡に丸顔の若めのシスター – シェリ・イザード
タンバリン担当でシスター1の長身である若めのシスター – ダーリーン・コーデンホーウェン
一番小柄な年長シスターと同じぐらい小柄だがぽっちゃりな美声の中年シスター – エディス・ディアス
ローマ法王 – ユージーン・グレイタック
天使にラブ・ソングを…のスタッフ
脚本 – ジョセフ・ハワード
製作 – テリー・シュワルツ
製作総指揮 – スコット・ルーディン
音楽 – マーク・シャイマン
撮影 – アダム・グリーンベルグ
編集 – コリーン・ハルシー、リチャード・ハルシー
公開 – アメリカ 1992年5月29日 日本 1993年4月17日
上映時間 – 100分
『天使にラブ・ソングを…』は、ジャンル映画の枠を越え、「音楽で世界を変える瞬間」を描いた珠玉の映画です。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。