定番のオーケストラ物とはいえ、あのドラマに似すぎなのでは?(さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜の感想)
オーケストラ物のドラマには、古くは「のだめカンタービレ」(2006)があり、他にも「マエストロ」(2015)、吹奏楽部物としては「仰げば尊し” target=”_blank”>仰げば尊し」(2016)などがあるが、結局のところ、癖のある楽団員たちの屈託や恋愛沙汰、指揮者と天才演者の対立と和解、廃団の危機といったモチーフは大体同じで、それらを天賦の才能と努力を表す演出と選曲で盛り上げるのが常道と言える。
直近の「リバーサルオーケストラ」もまさにその通りだったのだが、それにしても本作は似すぎである。
芦田愛菜 が 門脇麦 と同じ市役所職員で、しかもトラウマ持ちの元バイオリニストだったり、西島秀俊 が 田中圭 と同じ洋行帰りで、ともに指揮以外の生活能力が皆無だったり、という具合に、別に似せなくてもいいところまで似せていて、ほとんど開き直っているように見える。濱田マリが出ていないのが不思議なくらいだ。どうした日曜劇場。
しかしまあ初回は好きな 久間田琳加 がメインだったので、とりあえず嬉しかったり。 芦田愛菜 は不機嫌役で、和解まで何話かけるのかな。
さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜の見どころ
天才指揮者だったが家族を捨てた父と、彼を拒絶し音楽を嫌う娘が、廃団寸前の地方オーケストラを通して、共に人生と向き合い、家族の絆を取り戻していくヒューマンドラマ。
- 家族の再生と和解の物語
夏目俊平(西島秀俊)は海外で活躍するカリスマ指揮者だが、ある事件をきっかけに音楽界を去り、家族からも見放されていた。一方、娘の響(芦田愛菜)は、父の音楽に人生を狂わされたと思い、音楽を憎んでいる。そんな二人が、ひょんなことから同居し、廃団寸前の市民オーケストラを立て直す中で、少しずつ心の距離を縮め、家族としての絆を取り戻していく。家族の温かさ、そして傷つきながらも再生していく姿が見どころ。 - 「音楽」が織りなす感動
物語の中心は「音楽」。廃団寸前の「晴見フィルハーモニー」のメンバーが、俊平の指揮のもとで心を一つにし、素晴らしいハーモニーを奏でていく。クラシック音楽の魅力を再発見できるという声も。 - 豪華キャスト陣の競演
- 西島秀俊: 天才指揮者としてのカリスマ性と、どこか抜けていて家族に不器用な父親という二面性を持つ俊平演じた。指揮のシーンの所作や表情が本物の指揮者のようだと絶賛された
- 芦田愛菜: 父を嫌い、音楽から逃げてきた娘・響の複雑な感情を繊細に演じた
- 宮沢氷魚、新木優子、當真あみ、佐藤緋美、久間田琳加、石田ひかり、津田寛治、西田敏行: 個性豊かなオーケストラメンバーや、家族を囲む人々を演じ、物語に深みと彩りを加えた。西田敏行演じる楽団の創設者・小村二郎は、温かく見守る存在として物語に大きな影響を与えた。
- 脚本と演出の妙
『凪のお暇』『妻、小学生になる。』などを手掛けた大島里美が登場人物たちの心の機微を丁寧に描いた。 - 日常に潜む「アパッシオナート」
「アパッシオナート」は「情熱的に、熱情的に」の意味。人生の様々な局面で情熱を注ぎ、生きる喜びを見出すことの大切さを示す。
トリビア・撮影裏話
- 西島秀俊は指揮者役を演じるにあたり、クランクインの約1年前から指揮の練習を始め、現役の指揮者から指導を受け、撮影中も毎日練習を欠かさなかったそう
- 芦田愛菜さんは撮影前に約半年間チェロを特訓。ピアノ経験はあったがチェロは初めてだった
- 「晴見フィルハーモニー」は架空のオーケストラだが、市民オーケストラのリアルな雰囲気を出すために、実際に市民オーケストラに所属している人々がエキストラとして参加した
- 夏目家の食卓シーンが家族の絆を象徴する場面として描かれた。実際に家族が料理を囲むような温かい雰囲気が意識されたとのこと
- 西島秀俊と芦田愛菜は本当の親子のようだったと報じられている。芦田が西島を「お父さん」と呼んでいたというエピソードも。
さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜のあらすじ
夏目俊平は数々の著名なオーケストラと共演してきた天才マエストロ(指揮者)で、大好きな音楽に対して常に情熱的に向き合ってきたが、音楽以外の才能は皆無で、特に家事は苦手だった。5年前に起きたある事件をきっかけに、家族は俊平のもとを去り、俊平は音楽業界と距離を置くように。しかし静岡県晴見市の市民オーケストラの指揮をするために20年ぶりに帰国する。俊平の娘・響は父と決別して晴見市の職員をしていたが、俊平が突然帰国したため、気まずい雰囲気の同居生活がスタートする。世界的な天才指揮者だった俊平はなぜ表舞台を干されることになったのか。5年ぶりに再会した娘の気持ちが分からない俊平が再び娘と向き合うことによって、彼女の人生を少しずつ動かしていく。
さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜を観るには?
さよならマエストロ〜父と私のアパッシオナート〜のキャスト
夏目響 – 芦田愛菜
■晴見フィルハーモニー
森大輝 – 宮沢氷魚
内村菜々 – 久間田琳加
古谷悟史 – 玉山鉄二
近藤益夫 – 津田寛治
倉科瑠李 – 新木優子
羽野蓮 – 佐藤緋美
谷崎天音 – 當真あみ
中橋 – 野村たかし
佐藤さくら – わたなべオーケストラ
役名不明 – 松井亜由美, 堀口紗与
■晴見市役所
課長 – 芝大輔
滝田 – 山本圭祐
白石一生 – 淵上泰史
■周辺人物
夏目志帆 – 石田ゆり子
夏目海 – 大西利空
小村二朗 – 西田敏行
鏑木晃一 – 満島真之介
■その他
富子 – 白石加代子
近藤洋子 – LiLiCo
益夫の妻。
近藤心 – おじゃす
柳亭小痴楽 – 柳亭小痴楽