1993年4月16日~6月25日の毎週金曜21:00-21:54にTBS系「金9ドラマ」枠で放送。二所帯住宅の難しさとそこに巻き起こるドタバタ騒動を、ホームドラマチックにコミカルに描く、当時ホットな話題であった嫁姑同居を取り上げた連続ドラマ。
主演の山口智子と高嶋政伸は、前年に日本テレビ『いとこ同志』でも夫婦役でダブル主演を務めたが、低視聴率だったため、TBSプロデューサーの貴島誠一郎は本作企画時に編成からかなり反発されたという。『いとこ同志』は高嶋を前面に押し出していたが、山口を前面に押し出すという条件で編成を説得し、本作を実現させた。結果、平均視聴率は22.3%、最終回視聴率は30.7%(ビデオリサーチ・関東地方調べ)を記録し、1990年代のTBSドラマを代表する作品の一つとなった。
番組最後に、山口智子が部屋にある物に当たり散らしたりする様子、野際陽子が鼓を打つ様子が交互に登場のが、ドラマ内での嫁姑関係を象徴するシーンとして毎回登場するのが恒例で、この演出は後の『トリプル・キッチン』『地獄の沙汰もヨメ次第』(共に江角マキコ主演)にも引き継がれた。
貴島誠一郎は1992年の同局『ずっとあなたが好きだった』のがプロデューサーでもあるが、本作にも同作の姑役野際陽子を起用。前作の陰険な姑とは変わり、明るくちょっとおせっかいな姑を演じた。後の同局『長男の嫁シリーズ』(浅野ゆう子主演)や『理想の結婚』(常盤貴子主演)、『地獄の沙汰もヨメ次第』(江角マキコ主演)でも、同様の姑役を演じている。佐野史郎も『ずっとあなたが好きだった』での異常な性格の役柄から一変し、頼りないがお調子者のキャラクターを演じた。野際と佐野は本作の次クールの『誰にも言えない』(賀来千香子主演)でも義理の親子で出演した。
1994年1月2日(日曜日)21:00-22:54には、スペシャル『ダブル・キッチンお正月スペシャル 花岡家ハワイに行く 壮絶バトル!ハワイ産玉のれんと鼓初登場』が放送。布施博が『スウィート・ホーム』のPRで出演し、賀来千香子も特別出演した。(布施は『スウィート・ホーム』で山口とダブル主演し、野際も出演していた)
1993年8月16日に全4巻でVHSソフトが発売されて以降、映像ソフト化が実現していなかったが、2007年4月25日にDVD-BOXとして発売された。
ダブル・キッチンのあらすじ
出版社に勤めるキャリアウーマンの都は保険会社に勤務する忍とスキューバダイビングで知り合って結婚。忍の両親、啓三、真知子夫妻、二人の妹、静、るみと二世帯住宅で同居することになった。現代的な嫁と古風な姑はことあるたびに対立し、さらに妹の静の夫で売れないミュージシャンの寺田ユウノスケが加わり、問題はさらに複雑化していくが、都と忍の間に長男が誕生し、都が子育てと仕事の両立をしなければならなくなった頃より、都と真知子が和解していくようになる。
ダブル・キッチンの感想
西荻弓絵か、と思いながら見始めるが、第2話全編を占める通夜のウェルメイドな脚本に思わず唸らされる。1993年には、ドラマはまだちゃんとしていたのだ。
29歳の山口智子はやっぱり可愛い。このドラマを経て翌年に「29歳のクリスマス」を主演し、2年後に「ロンバケ」に出てブランクに入る。
ダブル・キッチンのキャスト
花岡家
花岡都 – 山口智子
花岡真知子 – 野際陽子
花岡忍 – 高嶋政伸
花岡るみ – 坂井真紀” show=””]
花岡啓三 – 伊東四朗
寺田家
寺田(花岡)静 – 横山めぐみ
寺田ユウノスケ – 佐野史郎
寺田トシ子 – 原知佐子
その他
松井修一 – ルー大柴
倉本綾子 – 阿知波悟美
小島小夜子 – 細川ふみえ
三枝正樹 – 五十嵐光樹(現:林光樹)
藤原春子 – 岩本多代
谷村八重子 – 赤座美代子
下村カヨ – 野村昭子(ゲスト出演)
小松政夫(ゲスト出演)
深田貴子 – 佐々木すみ江(ゲスト出演)
菅原波子 – 大方斐紗子
園子 – 山本道子
奥村公延(ゲスト出演)
羽場裕一(ゲスト出演)
山田雅人(ゲスト出演)
草村礼子(ゲスト出演
ダブル・キッチンのスタッフ
脚本 – 西荻弓絵
プロデューサー – 貴島誠一郎
プロデューサー補 – 植田博樹
演出 – 吉田秋生、桑波田景信、伊佐野英樹、北川雅一
演出補 – 伊佐野英樹、木村政和、佐々木雅之、藤田修、小沢通子
音楽 – 小林武史
主題歌 – PRINCESS PRINCESS「だからハニー」(ソニーレコード)
協力 – 緑山スタジオ・シティ
製作著作 – TBS