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ドントムーブ

ケルシー・チャウ(ドントムーブ) 映画
ケルシー・チャウ(ドントムーブ)
2024年公開のアメリカのスリラー映画。原題は「Don’t move」。出演はケルシー・アズビル、フィン・ウィットロック、モレイ・トレッドウェル、ダニエル・フランシス、監督はアダム・シンドラーとブライアン・ネト、脚本はTJ・シンフェルとデヴィッド・ホワイト。

映画的に都合の良い「見えるけど動けない状況」(ドントムーブの感想)

気づかなかったのだが、続編まで観てしまった「ドントブリーズ」もまたサム・ライミ製作で、つまりこれは「ドントシリーズ」第2弾なのだ。さらに続けるとしたら「ドント・スピーク」ではないかと予想。

舞台はカリフォルニアの広大なマッセイビッグサー州立公園。事故で息子を亡くした母親ケルシー・チャウの自殺を止めた親切そうな男が、いきなり筋弛緩剤を打ってケルシーを週末の慰み物にしようとする。身動きできず声も出せない(視聴覚だけは正常という映画的に都合のいい設定)ケルシーはサイコパスの魔の手から逃れることができるか?という話。

序盤はクスリが効くまでのサスペンス、中盤からは徐々に効果が醒めてくるサスペンスになっており、何度か助けを呼ぶ機会があるのだが、男(フィン・ウッドロック)はそのたびに罪のない人をぶち殺してしまう。

当初はナイーヴな善人に思えた男が一転して冷酷なサイコパスになった理由については、一応、説明がある。実はかつて自動車事故で恋人を死なせた過去があり、そのショックで自分は神だと確信するようになったのだ。今際の恋人にかけた言葉が「ありがとう」だった、というエピソードがあり、ラスト、死にゆく彼にケルシーはありがとうと言う。つまりこれは、死ぬつもりだった彼女が生きる気力を取り戻す映画なのだった(男はケルシーに「成長したな」と言う)。

ドントムーブのあらすじ

アイリスは息子を失った州立公園で自殺を試みるが、リチャードと名乗る男の言葉で思いとどまる。しかし男はアイリスに筋弛緩剤を打って拉致するのだった。

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ドントムーブ 見どころ

シンプルながらも緊張感のある構成、主演のケルシー・アスビルの演技が見どころ。極限状態の中でのサバイバルがテーマである。ストーリーの深みやキャラクターの描写が物足りないとの声もあるが、約92分と短く、テンポの良い展開で楽しめる。

  • 見どころ1:緊張感のあるシンプルな映画
    筋弛緩剤を打たれた主人公が、徐々に体の自由を失いながらも殺人鬼から逃れようとする緊迫した展開。 限られた登場人物と舞台設定にドキドキすること間違いなし。
  • 見どころ2:視覚的な演出がうまい
    主人公の身体機能が低下する過程を、ピントの合わない映像やぼやけた視界で表現。不安や恐怖を体感できる。
  • 見どころ3:ケルシー・アスビルの演技がうまい
    アイリスを演じるケルシー・アスビルは、セリフこそ少ないが、表情や仕草で複雑な感情を表現している。
  • 見どころ4:フィン・ウィットロックの存在感
    殺人鬼リチャードを演じるフィン・ウィットロックは、冷酷で計算高いキャラクターを巧みに演じている。
  • 見どころ5:生と死の境界線
    自殺を考えていた主人公が、極限状態の中で生き延びようとする姿。
  • 見どころ6:女性の孤独と強さを表現
    孤立した状況で自らの力で困難を乗り越えるヒロインの姿が、近年のスリラー映画におけるトレンドと一致。

ドントムーブのキャスト

ドントムーブのスタッフ

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