「犯罪都市」「新感染 ファイナル・エクスプレス」のマ・ドンソクが主演を務め、文明崩壊後の韓国を舞台に描いたアクションスリラー。
ツッコミどころ多数。でもカッコイイ(バッドランド・ハンターズの感想)
さながら関東地獄地震(©バイオレンスジャック)のようなカタストロフによって無政府状態の荒野(これが原題)と化した韓国が舞台で(監督も脚本も別な人だが、2023年の映画「コンクリート・ユートピア」の設定を引き継いでいるらしい)、今や引っ張りだこのマ・ドンソクが、マッドサイエンティストに捧げるために女の子(ノ・ジョンウィ)を拉致した軍人たちと死闘を繰り広げる話。
マッドサイエンティストの博士は人間を不死身化する薬を開発したらしいのだが(首を切らないと死なない)、本当に不死身化している軍人は序盤以降、ボスキャラだけなので、この設定に意味はない。しかも博士の実験は一向に成功している様子がないし、なぜ若者を実験台にしたいのかもよくわからない。荒野にワニがいたりするのも謎で、要するに設定にはほとんど意味がない。ドンソクは「ハンター」と呼ばれているのだが、その由来の説明もない。
とにかくドンソクの近接アクションが見もので、ベビわるの近接アクションを見た後ではそんなに驚かないのだが、プロレス技を交えたり、ショットガンで派手に頭部が吹っ飛んだりする編集は爽快だ。
ノ・ジョンウィのそばかすメイクが可愛かった。
バッドランド・ハンターズのあらすじ
未曾有の大地震と干ばつによって荒廃し、無法地帯と化したソウル。屈強なハンターの男ナムサンは、かつて自分が命を救った少女スナの存在を気にかけていた。ある日、スナが祖母と暮らす小屋に「先生」と呼ばれる女性が訪ねてくる。先生によると、彼女が所属する団体は10代の子どもたちとその家族を安全な場所で保護しているという。移住を決めたスナは先生に連れられ、街で唯一崩壊を免れたマンションにたどり着くが、そこは狂気の医師ヤン・ギスが支配する恐ろしい場所だった。スナの身に危険が迫っていることを知ったナムサンは、彼女を救うべく立ち上がる。
バッドランド・ハンターズを観るには?
バッドランド・ハンターズ 巷の評価
『バッドランド・ハンターズ』はマ・ドンソクのアクションが評価されているが、設定やストーリーの深掘りに欠けるとの指摘がある。おおむねその通りだと私も思う。
- ストーリーはシンプルで分かりやすく、深く考えずに楽しめる
- 「マ・ドンソク無双」は圧巻
- ホ・ミョンヘン監督は武術監督出身だけあってアクション演出がすばらしい
- ノ・ジョンウィの存在が物語の構成上、重要になっている
- 終盤の展開や結末があっさりしており、物足りない
- 大地震後のディストピアを舞台にしているが、マンションが倒壊せずに残っていたり、ハンターの設定などは細部のリアリティに欠ける
- 人体実験や不死身の兵士など、設定が荒唐無稽で説明不足