ペテロの葬列

清水富美加(ペテロの葬列)
清水富美加(ペテロの葬列)

宮部みゆきの長編推理小説(杉村三郎シリーズ第3作)を原作として、TBS系列「月曜ミステリーシアター」で 2014年7月7日~9月15日に放送。グループ広報室のメンバーに関して、原作にはない同僚編集者・手島雄一郎と原作『誰か Somebody』のみに登場するアルバイトの椎名遥が前作のドラマ『名もなき毒』に引き続き出演。間野京子の編集部への配属開始時期は、原作では本編開始以前からだったが、ドラマでは本編途中に変更されている。間野京子の立ち位置も原作とドラマでは大きく異なる。また、ドラマでは原作にも登場する『聖ペテロの否認』以外にも数々の絵画が登場する。

ペテロの葬列の原作


『誰か』『名もなき毒』に続く杉村三郎シリーズ、待望の第3弾!
今多コンツェルン会長室直属のグループ広報室に勤める杉村三郎が主人公の現代ミステリー!
杉村はある日、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。警察の突入そして突然の拳銃の暴発で犯人は死亡、
人質は全員無事に救出され、3時間ほどであっけなく事件は解決したかに見えたのだが―。
しかし、そこからが本当の謎の始まりだった! そのバスに乗り合わせた乗客・運転手のもとに、ある日、死んでしまった犯人から慰謝料が届く。
なぜすでに死んでしまった、しかも貧しいはずの老人から大金が届いたのか?
そしてそれを受け取った元人質たちにもさまざまな心の揺れが訪れる。警察に届けるべきなのか? それとも・・・?
事件の真の動機の裏側には、日本という国、そして人間の本質に潜む闇が隠されていた!
果てしない闇、そして救いの物語!

ペテロの葬列の原作を読んだ人の感想

ドラマ ペテロの葬列

あらすじ

今多コンツェルン会長室・直属グループ広報室に勤める杉村三郎は、編集長の園田瑛子と広報誌の取材で房総の町を訪れた帰り道、拳銃を持った老人によるバスジャックに遭遇。運転手を含め、乗客は男女合わせて7人。老人は「警察を呼んでください」と意外な指示を出した上で、人質全員に「後で慰謝料をお支払いします」と謎の提案をし、自らが「悪人」と称する3人の人物達を連れてくるように要求するが、事件は3時間というあっけなく短い時間で解決した。
事件後、三郎の周囲では、今多コンツェルン本社から異動してきた井手正夫によるセクハラ問題、そしてかつて広報室での以前のトラブルがきっかけで知り合った私立探偵・北見一郎のかつての依頼人・足立則生が容疑者となった殺人事件が発生。さらにバスジャック事件の人質たちの元に、犯人が言っていた通りの「慰謝料」が届けられてくる。
「慰謝料」の扱い方に決着を付けるべく、三郎は乗客たちの協力を得ながら、「慰謝料」の送り主や、犯人の老人の真意を探っていくが、やがて思いがけない事件が待ち受けていた。そして、人間の本質に潜む闇の正体に触れてきた三郎自身にも、人生の転機が訪れる。

平幹二朗ならずとも感無量の結末(感想)

名もなき毒」事件から数年後という設定で、テレビドラマ版の杉村三郎シリーズはこれで終わり(to be continuedという文字は表示されるのだが)。原作はまだ続き、なんと本当に探偵事務所を開業するらしい(国仲涼子がしきりに「もう探偵になったらいいんじゃないの?」と嫌味を言うのだが、それが伏線だったとは)。

本作はバスジャック事件という本格的な犯罪に巻き込まれるところから始まり(脚を引きずるバスジャック犯の長塚京三がとにかくかっこいい)、前作とは打って変わり、もはや誰も小泉孝太郎に忖度しないことから、観る者が物語の終わりを予感する展開になっている。清水富美加(が出ているのだ!)ら事件関係者に長塚が送った数百万円の「慰謝料」をどうするかが話の大部を占めているが、今多コンツェルン娘婿の小泉にとってはどうでもいい金にもかかわらず、小泉は結局その金のために失職することになる。

もうひとつの終わりを導くのは国仲涼子の馴染みのエスティシャン長谷川京子で、ファムファタルとして小泉を誘惑するのだが、実は国仲涼子がそれと関係なく高橋一生によろめき、結果的に小泉と離婚する展開となる。

ということで、終盤は事件そっちのけとなり、小泉が失職・離婚して、平幹二朗邸の一角に建てられた離れの豪邸を後にするくだりを描く。平ならずとも感無量の気分になる。

キャスト

杉村三郎(主人公) – 小泉孝太郎
間野京子(グループ広報室編集部員) – 長谷川京子
杉村菜穂子(三郎の妻) – 国仲涼子

社内報「あおぞら」編集部
 園田瑛子(編集長) – 室井滋
 手島雄一郎(編集部員) – ムロツヨシ
 椎名遥(アルバイト編集部員) – 岡本玲
 井手正男(編集部員) – 千葉哲也
 野本敦弘(アルバイト編集部員) – 犬飼貴丈

今多コンツェルン関係者
 今多嘉親(会長) – 平幹二朗
 森信宏(元常務取締役財務担当) – 柴俊夫
 橋本真佐彦(広報部会長秘書室付) – 高橋一生
 今多小夜子(菜穂子の義姉) – 安蘭けい
 高野千夏(会長秘書室秘書) – 映美くらら
 水田大造(喫茶「睡蓮」マスター) – 本田博太郎
 杉村桃子(三郎と菜穂子の娘) – 小林星蘭

バスジャック関係者
 佐藤一郎/暮木一光/羽田光昭(バスジャック犯) – 長塚京三(10歳 – 黒田博之/32歳 – 眞田規史
 田中雄一郎(金属加工工場経営者) – 峰竜太
 迫田とよ子(老婦人) – 島かおり
 柴野和子(バス運転手) – 青山倫子
 坂本啓(大学中退の青年) – 細田善彦
 前野メイ(パティシエ志望の少女) – 清水富美加
 山藤誠(千葉県警察特務課交渉人) – 金山一彦
 今内大輔(山藤の部下) – 西村元貴
 早川多恵(羽田の幼馴染) – 冨士眞奈美

その他
 足立則生(花井新聞店 配達員) – 渋川清彦
 高越勝巳 – 水橋研二
 井村絵里子 – 入山法子

スタッフ

原作:宮部みゆき『ペテロの葬列』(集英社)
脚本:神山由美子
音楽:横山克
主題歌:近藤晃央「心情呼吸」(アリオラジャパン)
演出:金子文紀岡本伸吾竹村謙太郎山﨑統司
演出補:山﨑統司、阿南昭宏
タイトルCG:岸本威
イラスト協力:杉田比呂美
ガンエフェクト:早川光
警察監修:古谷謙一
法律監修:志甫治宣
エステ監修:藤井峰子
エステ指導:日暮香奈子
企画協力:中田一正、河野治彦
編成:橋本孝、永山由紀子
制作:十二竜也、那須田淳
プロデューサー:鈴木早苗橘康仁
プロデューサー補:吉村剛弘
制作協力:ドリマックス
製作著作:TBS

ドラマ ペテロの葬列の考察

  • 果たしてこの最終回必要だったの?という疑問は拭えませんが、たしかに投げっぱなしになっていた伏線をひたすら回収していたから、必要無いと言うワケではないんだろうけど、なんだかなぁ…
    あやかし屋備忘録

  • 余韻がたっぷりだったのだけど、何だか苦しさの残る余韻で・・・
    emitanの心にうつりゆくもの

  • 視聴率が伸びなかったのは、残念です。
    後、最終回の内容がちょっと物足りない感じのするものでした。
    コンプライアンス、エンタメドラマBiz

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