2010年7月22日~9月9日に毎週木曜日21:00-21:54でテレビ朝日系列「木曜ドラマ」枠で放送。主演は木村佳乃。
同年4月に最高刑が死刑の12の罪について公訴時効を廃止する改正刑事訴訟法が成立・施行されたことを受け、未解決の凶悪事件を専門に扱う警視庁継続捜査班の活躍を描く刑事ドラマ。
木曜日は20時から警察モノが多い木曜ミステリーが放送されていたため、2本連続で警察ミステリーが放送された。ネット局の福井放送でもその後続枠で『新・警視庁捜査一課9係』が放送されていたため、「警視庁」と名の付くドラマが2本連続で放送された。
当初、高木真人役には大東俊介が決まっていたが、6月18日にバイク事故で右脚を複雑骨折したことによる加療のため降板。田島優成が代役に選ばれた。
警視庁継続捜査班の感想
プロファイリングものは久しぶりである。継続捜査班は、なつかしや「ケイゾク」の捜査一課弐係のようなものだが、こちらはもっとエリートなのだろう。
靴に失禁した小水が伝って滴ったり、ビニル傘が血の色の雨が曇ったり、猟奇ものにふさわしく程良い悪趣味。しかし全体に抑えたトーンで、どうも地味である。キャスティングが地味な上、展開がぴんとこないせいか。
2話で、あの事件は終わったはずだった――と始まるので、初話の続きかと思ったらまたべつの猟奇事件の話で、それでわかったが、このドラマ、地味というよりも、構成にすごくムリがあり、事件のスケールが、まるで1話完結のボリュームでないのである。
捜査の描写が浅く、筒井道隆たちはほとんど何も捜査せず、鑑識などから、ひたすら次々情報が入ってくるだけである。そこに陰惨な事件がバンバン起こって(シリアルキラーの話だからね)、木村佳乃が眉を寄せて流麗に分析、アッと叫ぶなり現場に急行し、重要な場面に居合わせる犯人を決定的瞬間として取り押さえる、というパターンである。
猟奇性のインパクトと、事件が解決するまでの展開の速さが、極端にアンバランス。
2話の犯人はなんと本庁捜査一課の刑事なのだが、動機の説明は5秒ぐらいで終わって説得性がない。見ているほうは、「犯人は攻撃的な性格」と木村佳乃が何度も言うものだから、たいてい途中で、真犯人に思い当たってしまう。
続きものにしたらもう少し面白くなりそうだが、まあそれはそれで、そゆドラマはいっぱいあったからねー。
4話では影が薄かった筒井道隆にややスポットが当たり、目の前で被疑者が人を撃つのを止められなかったという拳銃コンプレックスだとアカされるが、それを乗り越えて最後に木村佳乃を救うというストーリーがやたらに薄く、おざなりである。事件の内容もジョーカーと完全にかぶっているし。
木村佳乃はまあまあだと思うが、プロファイラーばかりががんばって無理やり事件を解決してる感じ。
無精髭の濃い伊原剛志は、渡部篤郎が演じた真山徹に似ている。
警視庁継続捜査班のキャスト
警視庁刑事部捜査一課継続捜査班
貴志真奈美 – 木村佳乃
矢吹慎一 – 筒井道隆
高木真人 – 田島優成
水城紀子 – 余貴美子
岩瀬厚一郎 – 平泉成
新田明彦 – 伊原剛志
警視庁刑事部捜査一課
宮川学 – 高知東生
友枝達也 – 南圭介
仲田周平 – RIKIYA
山岸徹 – 菅原大吉
その他
吉崎仁美 – 笛木優子
秋本祥子 – 小柳こずえ
警視庁継続捜査班のスタッフ
脚本 – 吉本昌弘、長坂秀佳、高山直也、鴨義信
音楽 – 吉川清之
演出 – 猪原達三、常廣丈太、高橋伸之
主題歌 – AI「眠れない街」(UNIVERSAL SIGMA/アイランド)
スタントコーディネイト – WGK
カースタント – タカハシレーシング
ガンエフェクト – パイロテック
技術協力 – テイクシステムズ、ブル
美術協力 – テレビ朝日クリエイト
照明協力 – 共立
音響効果 – スポット
編集 – ワインド・アップ
装飾 – テレフィット
チーフプロデューサー – 五十嵐文郎(テレビ朝日)
プロデューサー – 船津浩一(テレビ朝日)、壁谷悌之(泉放送制作)
制作協力 – 泉放送制作
制作 – テレビ朝日