LEADERS リーダーズの感想
見るまでに2ヶ月もかかってしまった。
2014年の前半は中だるみ気味だったのだが、新作の続編は早回し的で意外と見応えがない。うまくいかないものである。
まあ前半はディレクターズカットとやらで234分もあったのがよくないのだろう。
後半の配分を見るに、本質的には山口智子と宮沢りえ以外の女優の出る幕はない(となると残りは一人しかいないわけだが)。
モデル企業を重ねて見ざるを得ないドラマで、「機屋には貸せても車屋には貸せない」と言い放って萩原聖人の経理部長を憤死させた吹越満(住友銀行の名古屋支店長、小川秀彦)が、のちにプリンス自動車社長としてトヨタとの合併を画策して断られることになるなどのエピソードを知ると、おそらくは有名なのであろうそんな話を地上波で流させてしまうトヨタのパワーに思わずあらためてびびる。
続編のヒロミゴー演じるヤナセ社長の描き方にも同じ感想をもつ。
続編と言いつつ、ストーリーラインは佐藤浩市の死で終わりなのは同じなので、語り直しというか、ほとんど「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」のような凝った脚本が採用されている(「下町ロケット」の八津弘幸)。
LEADERS リーダーズ あらすじ
LEADERS リーダーズ
1929年、世界恐慌の最中、愛知自動織機製作所常務・愛知佐一郎は、工業技術が欧米に遅れる日本で自動車開発に挑む。外国車の解体から始めた乗用車開発は挫折を繰り返すが、社員たちの支えで5年後に完成。しかし、戦争が迫り、自動車生産は許可制となり、軍用トラックの大量生産に転換。アイチ自動車工業設立後、戦争で仲間を失い、工場も爆撃される。戦後、佐一郎はGHQの公職追放やインフレ、資金難に直面しながらも小型乗用車開発に成功。しかし、金融引き締め策で資金難に陥り、メインバンクの西国銀行の融資拒否で経理部長・近藤が病死。副社長・石山は日銀に救済を申し出るが、条件は販売会社設立と1600人の人員整理だった。佐一郎は「社員は家族」と整理を拒否し続けるが、会社の存続をかけて苦渋の決断を迫られる。
LEADERS II
1934年、日本の自動車市場は外国車が覇権を争う戦国時代に。GM車販売店「日の出モータース」支配人・山崎亘は、アメリカ流の販売方針に抵抗し、改善を訴えるが聞き入れられない。ある日、山崎は鈴鹿峠で立ち往生したシボレーを修理する愛知佐一郎と出会う。これが「アイチ自動車」販売店第一号の始まりとなり、国産乗用車で世界に挑む佐一郎と山崎の運命的な出会いが、新たな物語を紡ぐ。
LEADERS リーダーズを観るには?
LEADERS リーダーズ キャスト
山梨 良夫(日本銀行総裁秘書=高梨壮夫) – 香川照之
愛知 晴子(佐一郎の妻) – 山口智子
東山 雪乃(本郷食堂従業員) – 宮沢りえ
石山 又造(愛知自動織機社長=石田退三) – 橋爪功
山崎 亘(日の出モータース店長=山口昇) – 岡田浩暉(I) / 内野聖陽(II)
菊間 武二郎(若草自動車販売=菊池武三郎) – 大泉洋(特別出演)
日下部 誠(日の出モータース営業マン) – 東出昌大
酒田 健太郎(日本GM社長=ヤナセ) – 郷ひろみ
飯田 キヨ(料亭の娘) – 菅野美穂
大島 磯吉(大島商会=小島濱吉) – 山﨑努
●アイチ自動車工業(=トヨタ自動車)
愛知 正二(開発担当常務・佐一郎の甥=豊田英二) – 椎名桔平
北川 隆二(労働組合委員長) – 吉田栄作
近藤 利郎(取締役経理部長) – 萩原聖人
三宅 光男(取締役総務部長) – 高橋和也
太田 耐介(拳母工場長・製造担当常務=大野耐一) – 緋田康人
島原 清吉(創業期の職人) – えなりかずき
神田 征太郎(販売担当常務=神谷正太郎) – 神保悟志
高瀬 善造(労働組合副委員長) – 須田邦裕
島原 美鈴(清吉の妻) – 前田敦子
桜井 武 – 金子賢
梅谷 守 – 橋爪遼
藤城 貢(アイチ自動車工員) – 勝信
●日本銀行
財部 登(総裁=一万田尚登) – 中村橋之助(現:八代目中村芝翫)
梶田 健二郎(名古屋支店営業課長) – 戸田昌宏
愛知家
愛知 洋一郎(佐一郎の息子=豊田章一郎) – 溝端淳平
●その他
○LEADERS
隈沢 和志(東京帝國大学工学部教授=隈部一雄) – 市川右近
児島 正彦(西国銀行名古屋支店長=小川秀彦) – 吹越満
加藤 喬(三河銀行頭取=東海銀行) – 金田明夫
志村 武史(松坂銀行名古屋支店長=帝国銀行) – 冨家規政
高瀬 真紀(善造の妻) – 寺島咲
西尾 成次(上海愛知紡績支配人=豊田紡織・西川秋次) – 伊東四朗
斉藤 源一(大藪ガラス工場工員) – 原田泰造
山田 六郎(三河ゴム工場工員) – 六平直政
○LEADERS II
浅田(若草自動車常務) – 尾上菊之助(特別出演)
石坂 吉則(石坂鐵工所社長=石川鐵工・石川薫明) – 筧利夫
LEADERS リーダーズ スタッフ
協力 – トヨタ自動車、トヨタマーケティングジャパン、トヨタ産業技術記念館、トヨタ博物館、トヨタ鞍ヶ池記念館、愛知トヨタ自動車
撮影特別協力 – 日本銀行、豊橋市、奥出雲町
脚本 – 橋本裕志、八津弘幸
音楽 – 千住明
演出 – 福澤克雄
ナレーション – 加賀美幸子
演出補 – 棚澤孝義、田中健太、伊藤雄介、福島宏介、佐久間晃嗣、森久祐弥、唐澤弦志
撮影監督 – 淺野太郎
タイトルCG – 井田久美子
美術プロデューサー – 西條貴子、石田道昭
VFX – OXYBOT
車輌監修 – 石川實、池田浩司、野村久司
鋳造監修 – 中山武治
法律監修 – 北村行夫
税理士監修 – 坂本剛
野球指導 – 荻野忠寛
芸者踊り協力 – 花柳輔礼乃社中
上海撮影協力 – 上海電影有限公司
特別協力 – ANAセールス
企画協力 – ライツアパートメント
車輌運搬協力 – 新明工業
映像提供 – ゲッティイメージズ、ライツスミス
資料提供 – 竹本知行
ロケ協力 – 東三河県庁、ほの国東三河ロケ応援団、名古屋コンベンションビューロー、桑名フィルムコミッション、播州赤穂フィルムコミッション、奥出雲観光文化協会、前橋フィルムコミッション、綾部市、加古川市、赤穂市
宣伝 – 川鍋昌彦、小林文明、青木玲奈
編成 – 瀬戸口克陽、福田健太郎
プロデューサー – 貴島誠一郎、伊與田英徳、川嶋龍太郎
プロデューサー補 – 上野かおる、藤井和史、山本大平
製作著作 – TBS
LEADERS リーダーズの原作
本所 次郎「小説 日銀管理」 (光文社文庫) Kindle版
戦後まもなく、アイチ自動車が突然の経営危機に――。「乏しきを分かつ」を信条にしてきた温情社長・愛知佐一郎は、苛酷な人員整理を前に苦悩する。メインバンクたる都銀の冷酷なあしらい。労使の激しい対立。そんな絶望的な状況下に、意外にも日銀による援助の手が。そして運命を握る一人の女……。企業の怨念と十五年目の復讐をドラマチックに描いた渾身の経済小説!