アトムの童の感想
池井戸潤風のストーリーを、原作なしに無理やり展開しようとしているが、ツッコミどころが多すぎて、誰かまともな人はいなかったのかと思わせる。
それともただの説明不足なのか(あまりに自信満々に予算を使いまくっているので不安になる)。
たとえば、最重要のはずの「アトム玩具のコア技術」とは何なのか。アクションフィギュアの特許技術とだけ説明されるが、工場丸焼けになっても保全する様子もないのは、風間杜夫の頭の中にしかないということか。
山崎賢人と松下洸平がジョン・ドゥ名義で2016年に発表したというゲーム「ダウンウェル」(下スクロールの珍しいアクションゲームで、実在)は、オンラインゲームと紹介されるが、誰も運営している様子がない。
それが2022年のユーザー評価ランキングで1位になっているという。
なんだかPS1タイトルみたいな描写に見えたのは、気のせいか?
そもそもゲームにはさまざまなジャンルがあるということを無視している。
オダギリジョー率いる和製Googleみたいな会社SAGAS(セガとの見立てがあるらしい)は、検索エンジンへの誘導のために金に明かせてゲームを作る不純な悪玉という設定で(そんな会社がなぜアクションフィギュアの技術を欲しがるのかわからない)、主人公たちと同ジャンルで戦う意味がわからない。
そもそも「ダウンウェル」とSAGASのガチャゲーはまったく別物だし。
全体にゲームデザイナー(ディレクター?)さえいればゲームを開発できるような雰囲気も漂っているが、PS1の時代ではないのでやはり時代錯誤だろう。
オダギリジョーは香川照之の代役らしいのだが、演技パターンとしては「大豆田とわ子と三人の元夫」のファンドマネージャーで、演技の手持ちが意外と少ないと思った。
岸井ゆきのには、この逆境でもがんばってほしいと思っている。
アトムの童 あらすじ
安積那由他(s山﨑賢人)は大手企業や販売元を介さず個人でゲームを制作する、通称「インディー」と呼ばれる若き天才ゲーム開発者。「ジョン・ドゥ」という名前で活動し、誰もその素顔を知らないことから「ゲーム業界のバンクシー」と称される存在。しかし、現在は自動車整備工場で働き、ゲーム開発からは離れ静かに暮らしていた。
そんな中、老舗玩具メーカーの「アトム玩具」は海外との価格競争などの影響で、廃業の危機を迎えていた。そこで一発逆転の経営再建をはかり、ゲーム制作へ参入すべく、「ジョン・ドゥ」を探し始める。資金もノウハウも持たないアトムは、藁にも縋る思いで「ジョン・ドゥ」とコンタクトを取ろうと奔走するが…。
アトムの童を観るには?
アトムの童 キャスト
菅生隼人(SAGASの社員) – 松下洸平
富永海(「アトム玩具」の創業家の一人娘) – 岸井ゆきの(幼少期:中野翠咲、中学時代:佐々木告[9])
■アトム玩具(廃業寸前の老舗玩具メーカー)
富永繁雄(2代目社長) – 風間杜夫
���重樫謙吾(専務) – でんでん
各務英次(フィギュア造形師) – 塚地武雅(ドランクドラゴン)
鵜飼吉久(財務顧問) – 林泰文(第3話 – 第5話・第7話・最終話)
■SAGAS(大資本ネット企業)
興津晃彦(社長) – オダギリジョー
吉崎誠(社長秘書) – 六角慎司
■やよい銀行(「アトム玩具」「SAGAS」のメインバンク)
井手大(融資担当) – 馬場徹
小山田賢雄(神田支店支店長) – 皆川猿時
■MOCCHO CAFE(ネトゲカフェ)
森田聡 / モッチョ(店長) – 岡部大(ハナコ)
杉野結衣(アルバイト店員) – 飯沼愛
■経済産業省
堂島由里子(事務次官) – 西田尚美(第4話 – )
■その他
相良晶(パブリッシャー) – 玄理
緒方奏絵(公哉の母) – 戸田菜穂
緒方公哉(奏絵の息子) – 栁俊太郎
宮沢沙織(大財閥の社長) – 麻生祐未(第7話 – 最終話)
伊原総一郎(生保会社元会長) – 山﨑努(第8話・最終話)
アトムの童 スタッフ
脚本協力 – 畠山隼一、兒玉宣勝
ナレーター – 神田伯山
音楽 – 大間々昂
挿入歌 – Natumi.「ラストノート」(avex trax)(第4話・第6話)
協力 – 海洋堂、PlayStation、Disney+
キャラクター協力 – 松下進
劇中ゲーム設定監修協力 – 一條貴彰(HEAD-HIGH[79])、水谷俊次(PLAYISM[80])、山中琢(PLAYISM)、北尾雄一郎(ゲーム制作 / GEMDROPS)
映像構成 – 東宝ステラ 日映アーカイブ、読売新聞社
ゲーム画面協力 – HAL[82]
銀行監修 – 菅井敏之[83]、アスコム
医療監修 – 中澤暁雄
ナビ・スポット – 岡田幹信
プロデュース – 中井芳彦、益田千愛
演出 – 岡本伸吾、山室大輔、大内舞子、多胡由章
製作著作 – TBS