『ガタカ』ってどんな映画?
遺伝子の優劣で人間の未来がすべて決定される、冷徹な近未来社会。適合者としての偽りの身分をまとい、宇宙へ飛び立つという絶対に不可能な夢に挑む男と、彼に自らの「完璧な遺伝子」を託した男の魂の交錯を描く。『トゥルーマン・ショック』の脚本でも知られるアンドリュー・ニコル監督・脚本、名優ダニー・デヴィートらが製作を務めた、SFヒューマンドラマの歴史的金字塔『ガタカ』だ。
見どころは、イーサン・ホークとジュード・ロウが魅せる、社会的格差を超えた美しく切ない男たちの絆。毎朝の皮膚の削ぎ落としや他人の尿での検査という、綱渡りのサスペンスが持続するなかで、同僚のアイリーン(ユマ・サーマン)との間に芽生える静かなロマンスが物語の叙情性を高める。
さらに、事件を追うコールドスプリング捜査官(アラン・アーキン)と、ヴィンセントの優秀な実弟であるアントン(ローレン・ディーン)の執拗な追及が、過去の家族や遺伝学者の呪縛を呼び覚まし、兄弟の宿命の遠泳対決へと収束していく。すべての監視を潜り抜けた先にあるラストは、涙なしには観られない。
「僕は戻るための体力を残さなかった。だから向こう岸へ辿り着けたんだ」。科学が人間の限界を決める世界で、運命をねじ伏せた個人の意思。スタイリッシュな映像美とマイケル・ナイマンの美しい劇伴がが胸を打つSFサスペンスだ。
あらすじ
遺伝子操作によって優秀な子供だけを産むことが当たり前となった近未来。主人公のヴィンセントは、愛ゆえに自然妊娠で生まれ、出生直後に「心臓疾患の確率99%、推定寿命30.2歳」という運命を宣告される。病弱で「不適格者」の烙印を押された彼は、社会から底辺の仕事しか与えられず、宇宙飛行士になる夢を諦めきれずにいた。夢を叶えるため、ヴィンセントは「適性者」でありながら事故で車椅子生活となり自暴自棄になっていた元水泳選手ジェロームと裏で契約を結ぶ。ヴィンセントはジェロームの血液、尿、皮膚片などの遺伝子サンプルを買い取り、自分の髪の毛や爪で毎日徹底的に「偽装」することで、超エリート宇宙局「ガタカ」への入局を果たす。順調に宇宙へ飛び立つ訓練を重ねていたヴィンセントだったが、打ち上げの直前に局内で殺人事件が発生。現場に落ちていたヴィンセントのまつ毛から身元が発覚しそうになり、彼は警察や同僚の執拗な捜査から逃れながら、命がけで最終ミッションをやり遂げようと奔走する。
キャスト
アイリーン・カッシーニ – ユマ・サーマン
ジェローム・ユージーン・モロー – ジュード・ロウ
アントン・フリーマン – ローレン・ディーン
ジョセフ(ガタカ航空宇宙局長) – ゴア・ヴィダル
ヒューゴ・コールドスプリング捜査官 – アラン・アーキン
シーザー(清掃課長) – アーネスト・ボーグナイン
レイマー医師 – ザンダー・バークレー
遺伝学者 – ブレア・アンダーウッド
ジャーマン(ユージーンとの仲介人) – トニー・シャルーブ
マリー(ヴィンセントの母) – ジェイン・ブルック
アントニオ(ヴィンセントの父) – イライアス・コティーズ
ヴィンセント(幼児期) – メイソン・ギャンブル
アントン(幼児期) – ヴィンセント・ネルソン
ヴィンセント(児童期) – チャッド・クリスト
アントン(児童期) – ウィリアム・リー・スコット
看護師長 – ウナ・デーモン
巡回警官 – ディーン・ノリス
なんという感傷的な世界なのか。
かつて萩尾望都が描いたブラッドベリの世界そのままなので、すごくびっくりする。なんという感傷的な世界なのか。これはもう、舞台も俳優もイギリスでなくてはならない映画だ(…なんて、アメリカ映画なんですがね)。
イーサン・ホークはユマ・サーマンと恋に落ちたりするわけだが、イーサンに関わる男たち(ジュード・ロウが良い)のほうがずっと崇高で美しく、あからさまにホモセクシャルなサインがちりばめられている。BLファンなら当然見て、思うぞんぶん陶酔すべき映画だろう。言われなくても見ていると思うが。
音楽はマイケル・ナイマンである。
『ガタカ』を観るには?
『ガタカ』作品情報
脚本 – アンドリュー・ニコル
製作 – ダニー・デヴィート、マイケル・シャンバーグ、ステイシー・シェア
音楽 – マイケル・ナイマン
撮影 – スワヴォミール・イジャック
編集 – リサ・ゼノ・チャーギン
配給 – アメリカ: コロンビア ピクチャーズ、日本: SPE/COLTRI
公開 – アメリカ: 1997年10月24日、日本: 1998年5月2日
上映時間 – 106分




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