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タンブリング

国仲涼子(タンブリング) ドラマ
国仲涼子(タンブリング)
タンブリングは、2010年4月17日~6月26日に毎週土曜19:56-20:54に、TBS系「土曜20時」枠で放送。主演は山本裕典。学校一のヤンキー軍団がひょんなことから新体操部に入部し、成長していく姿を描いた正統派スポ根青春コメディ。キャッチコピーは「新体操が、オレ達をオトコにした。」。

タンブリングの感想

スポ根→スラダン世代として、意外と面白かった。毎週いちいちツッコミを入れながら見るのが楽しかった。
途中、まさかの腐女子展開になったのでもうだめかと思わせたが、何もなかったかのように克服してしまうという、徹底した一話完結方式である(水沢は、ホモだと告白したのだからみんなと銭湯に行っちゃダメだろう!)
漫画が原作なのかと思ったら、それはコミカライズだった。掲載誌はなかよし。

タンブリングの見どころ

本作は、それまで映像作品ではほとんど扱われなかった「男子新体操」をメインに据えた青春群像劇である。主演の山本裕典を中心に、小出恵介、三浦翔平、西島隆弘(AAA)など当時の若手俳優たちが集結し、実際に身体を鍛え上げて本格的な新体操に挑んだことで話題になった。

まず、男子たちが全力で汗を流し、しなやかかつ力強い演技を繰り広げる姿がスポーツドラマとして新鮮だったのに加え、不良少年と新体操部員という異なる立場の青年たちが、次第に心を通わせていく王道の青春ドラマ展開が受けた。「熱血スポ根」+「美しい男性同士の絆」=新しいジャンル感覚のバランスが後のBL的解釈を生むことになる。

本作は公式にはBL作品ではないが、「男同士の友情」の描き方が、いわゆる“ブロマンス”の領域に踏み込んでいる。
山本裕典演じる和也と三浦翔平演じる竜一の関係は、初めは対立しながらも、次第に互いを認め合い支え合う関係に変容する。練習での肉体接触や、精神的な依存・支え合いの描写の濃密さもしかりである。これらの演出が当時のBLファン層の“センサー”に引っかかり、SNSや同人誌で「タンブリングは腐女子向け」と話題になった。

本作が放送された2010年頃は、二次創作の世界で“非公式BL解釈”が急速に拡大していた時期にあたる。pixivやTwitterでのファンアート・二次創作小説が活発化していた。
男子新体操という絵面的に美しい題材が、「男の身体美」を強調し、イケメンキャスト同士の濃い関係性が「腐女子需要」を喚起し、公式側もその反応を無視せず、DVD特典などで“距離感の近い男子たち”のオフショットを積極的に提供した。
この作品を契機に「スポーツ×美少年×絆」という組み合わせが、アニメや漫画にも波及することとなり、後の『Free!』(2013年/京都アニメーション)や『ハイキュー!!』(2014年/集英社)のブレイクの土台を作ったとも言える。

監督の村上正典は、スポーツのダイナミックさだけでなく、男子たちの繊細な表情や肉体美も丁寧に表現している。カメラワークは、床に伏せて見上げるアングルや、背中越しに仲間を見つめるショットを多用し、体育館の柔らかな自然光が彼らの若々しい肌を際立たせた。こうした視覚的演出が、BL的解釈を後押しした要素でもある。

タンブリング あらすじ

烏森高校3年の東航は、喧嘩に強い熱血バカ。2年の単位不足を補うため、部活に入部する必要があり、女子新体操部の里中茉莉に惹かれ、男子新体操部に仮入部する。男子新体操部は弱小で、部員はキャプテンの竹中悠太ら少数。航と1年生の土屋が加入し、団体戦に参加できるようになる。航は火野哲也をライバル視し、タンブリングを急ぎたいが、悠太は基礎練習を重視。ある日、悠太たちがヤンキーに絡まれ、航が助けに入るも、土屋が怪我をしてしまう。

タンブリングを観るには?

タンブリングのキャスト

烏森高校
男子新・新体操部
東航 – 山本裕典
竹中悠太 – 瀬戸康史
月森亮介 – 三浦翔平
木山龍一郎 – 大東俊介
火野哲也 – 西島隆弘
土屋聡史 – 冨浦智嗣
水沢拓 – 柳下大
日暮里圭児 – 賀来賢人
金子敦 – タモト清嵐
東の不良仲間
赤羽礼治 – 伊阪達也
紺野徹 – 沖原一生
白峰和彦 – 河嶋健太
女子新体操部
里中茉莉 – 岡本あずさ
中尾遥香 – 入来茉里
佐々木紀子 – 伊勢みはと
浅倉葵 – 岡本玲
教職員
柏木豊 – AKIRA
江崎祥子 – 国仲涼子
西川 – 小林すすむ
佐藤俊之 – 三上市朗
小林秀明 – 茂木淳一
谷村香織 – 小野麻亜矢
鷲津学院
鶴見暁彦 – 中土居宏宜
石島淳 – 相馬圭祐
中村 – 近江谷太朗
その他
東奈都子 – 大塚寧々
田代茂雄 – 佐藤二朗

タンブリングのスタッフ

脚本 – 江頭美智留清水友佳子渡辺啓
演出 – 松田礼人倉貫健二郎浜弘大(ドリマックス)
音楽 – 和田貴史、羽岡佳、石坂慶彦
主題歌 – Honey L Days「まなざし」(avex trax)
協力 – 財団法人日本体操協会、国士舘大学新体操部
企画協力 – DHE
チーフプロデューサー – 加藤章一
プロデューサー – 新井順子米田理恵
製作 – ドリマックス・テレビジョン、TBSテレビ
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