『徒歩7分』ってどんなドラマ?
駅から自宅まで、徒歩7分——。
そのわずかな距離と時間のなかで起きる、日常の小さくて愛おしい事件たち。
劇団「五反田団」主宰で芥川賞作家・劇作家の前田司郎が脚本を手掛け、第34回向田邦子賞を受賞した秀作ヒューマンドラマ。長年付き合った彼氏と別れて仕事を辞め、駅から徒歩7分の賃貸マンションで成り行き任せのひきこもり生活を送る主人公・黒崎依子を田中麗奈が脱力感たっぷりに好演。大きな事件は何も起こらないものの、部屋と近所の往復のなかで交わされる独特でリアルな会話劇と、ジワジワと胸に染みる優しさが静かな感動を呼んだ。
あらすじ
依子(田中麗奈)は「ナイナイづくし」の女性で、新しいアパートで暮らし始める。アパートから徒歩7分圏内で起こる小さな出来事や、隣人、元彼、妹、お弁当屋さんなど、身近な人々との何気ない会話やしぐさを丁寧に描く。淡々と流れる日常の中で、かけがえのない大切な瞬間を届ける物語。
キャスト
2015冬季のナンバーワンドラマ
本当におかしいし、サスペンスもある。 脚本の前田司郎という人が劇団の人だと知り、やや興ざめしたが、面白さは否めない。途中声を出して笑ってしまった。これはかなり珍しいことである。
初話を視聴し、田中麗奈が「美しき罠〜残花繚乱〜」と掛け持ち主演していることに意外性を感じつつ、そのダメダメ女っぷりに感動し、その場で「面白いぞこのドラマ」と確定した。 田中麗奈の変な女ぶり(コミュ障で挙動不審なのが、とても愛おしい)に加えて、菜葉菜もいい。この二人が他愛のない、しかしビミョーに変な会話をしながら、ごはんを(明太子と海苔をおかずに)ちゃんと一膳、全部食べるシーンなんて、ありそうでなかなかないと思う。 最終回には、はじめて田中麗奈の表情をアップでとらえる場面があった。泣ける。
当初は超無愛想な菜葉菜(妹役は鮎川桃果という女優だった)がだんだん良い人に見えてくるのがかろうじてドラマ的なのだが、進展するようでしない、逆に後退したりする切なさはこの枠、この回数でしか表現できなかったろう。木皿泉からさらに説教臭さを除いたようなつかみどころのなさ。田中麗奈はあらためて好きになった。
気鋭の脚本家競演の様相を呈しているこの年の冬ドラマなのだったが、私のナンバーワンは間違いなくこのドラマで決まり。




