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90年代の「29歳」の気分を切り抜く(29歳のクリスマスの感想)
言わずもなく94年のヒットドラマ。毎年クリスマスが近づくと再放送している気がする。
絶好調の山口智子はやはり輝いていた(翌年ロンバケに出て、休業に入る)。
それにしても松下由樹がフジパンおばさんになるとは夢にも予想していなかったなあ。
鎌田敏夫の脚本はよくできていて、この時代の29歳(ドラマのメイン視聴者層だったのだろう)の気分を切り抜く内容だが、なぜか苦味があり、いわゆるトレンディドラマと一線を画しているように思う。単にツイていない山口智子がドタバタして十円ハゲを作るドラマではないのだ。
デビューまもない稲森いずみも出ていて、この9年後に「曲がり角の彼女」という同工異曲のドラマを主演することになる。
あと、本作はなぜか近藤等則が重要なダメ中年役で登場する。なぜそうなったのか、理由はわからない。
29歳のクリスマス 見どころ
- 「30歳目前の焦燥」と「等身大の恋愛」が刺さるストーリー
主人公・矢吹典子(山口智子)は仕事も恋も不安定なまま29歳を迎える。「このままでいいのか」と悩む彼女の姿が、30歳という節目に焦る多くの女性たちの共感を呼んだ。結婚、仕事、友情、セックス、裏切り…すべてが交錯する展開は、90年代ならではの“赤裸々さ”がある。 - 友情と恋愛が交差する男女3人の関係
典子、信彦(柳葉敏郎)、千春(松下由樹)の3人がルームシェアしながら支え合い、ぶつかり合う関係性が最大の魅力。恋愛感情と友情の境界が揺れ動くリアルさがあり、どの登場人物にも感情移入できる。 - トレンディドラマ全盛期の象徴的演出と台詞
おしゃれなインテリア、流行のファッション、そして心に刺さる台詞の数々。「私、きっとこのまま1人で死んでいくんだろうな……」という典子の独白など、90年代の女性の孤独と自立心が交錯するセリフが多く登場する。 - 山口智子の魅力が全開
元気でサバサバしているのに、どこか繊細で弱さもある――山口智子の典子像は、多くの女性視聴者にとって「なりたいけど、なれない憧れの自立した女性像」でもあった。 - クリスマスシーズンに観たくなる切なさと希望の余韻
タイトルどおり「クリスマス」が物語の鍵を握る。恋人と過ごすはずだったクリスマス、ひとりのクリスマス、友人と迎えるクリスマス…。一年の終わりに人生を見つめ直すきっかけとして、今観てもグッとくる作品。
29歳のクリスマスのあらすじ
アパレル会社に勤める典子は29歳の誕生日に円形脱毛症ができ、パリコレ派遣が取り消され、恋人にも振られ、妊娠の心配も生じるなど散々な1日を過ごす。女の意地で元恋人の結婚式に出席した典子は、業界トップクラスの御曹司・木佐裕之からプロポーズされるが、自立をモットーにしているため断る。一方、商社のクレーム係・賢は式で出会った香奈に一目ぼれし、アプローチを始める。カメラマンの彩は元恋人・浅葉との関係に悩み、賢の家に同居。後に典子も加わる。木佐は典子の生き方を理解し、自分の力で生きようと決意。典子は木佐に惹かれるが、木佐家の結婚条件は典子の父をロンドンに送ることだった。典子は条件を断り、木佐はフィラデルフィアで工場を建て直してから迎えに来ると約束し、日本を去る。賢は香奈と結婚するが、彩が妊娠していることを知らない。典子は彩を支える決意をする。
29歳のクリスマスを観るには?
29歳のクリスマスのキャスト
新谷賢 – 柳葉敏郎
今井彩 – 松下由樹
木佐裕之 – 仲村トオル
上越香奈 – 水野真紀
深沢真穂 – 稲森いずみ
浅葉達也 – 竹下欣伸
長堀英明 – 近藤等則
矢吹美和 – 吉行和子
矢吹達夫 – 中村嘉葎雄
木佐三千子 – 星由里子
木佐隆一郎 – 森山周一郎
久保田 – 神保悟志
上岡課長 – 大河内浩
真穂の兄 – 石井一孝
浅葉の音楽仲間 – 葉加瀬太郎
29歳のクリスマスのスタッフ
演出 – 鈴木雅之、星田良子
企画 – 宅間秋史、石原隆
プロデューサー – 中山和記
音楽 – 瀬川英史、ROSE、石田勝範 その他
主題歌 – マライア・キャリー「恋人たちのクリスマス」(All I Want for Christmas Is You)
制作 – フジテレビ、共同テレビ
『29歳のクリスマス』は、30歳を目前にした男女のリアルな恋愛と生き方を描いた名作トレンディドラマです。この記事で少しでも興味を持たれた方は、ぜひ本編をチェックしてみてください。