三浦は自分の処分をかけた理事会で、大人しく辞表を出すという風間杜夫との事前の約束をいきなり破り、罰を与えるというなら馘にしてくれと開き直る。半年の謹慎の間、生徒たちの変化を見守ることができなかったのだから、軽蔑されてもそれをやりとげることが自分の反省の仕方だ、というようなことを熱弁するのであるが、いや、ちょっと何いってるかわからないんですけどwww
月9ドラマで、こんなに感情移入できない主人公は初めてなのではないか(いや、月9を見たのは数えるほどなんだが)。
一方、愛に加えて多少の打算があったほうが関係は長続きする、と、まるで愛人でもいるかのような老練な警句を発していた福士誠治だが、戸田は、愛だけしか残っていない人を自分は選ぶかもしれないと言う。戸田もまたキョドらない三浦を待っているわけである。
しかし、よく考えると、この戸田も、なんだかわからないキャラである。
これまでの流れからすると、三浦の俗物性を剥ぎ取ることが戸田の目的であるかのようである。そこに気づいてしまったことから、このドラマが始まったと言える。
さて、剛力彩芽である。
ドラマ初回から目を引くキャラであったが、18歳でないとできないあの身のこなしは、本当にまぶしい。
第9話|これは本当に恋愛ドラマだろうか
何やってんだ、この男は…と思わざるを得ない終盤の展開である。
最終回と思い込んで見ていたので、「ふたりの出した結論は…!」という台詞で終わるラストに思わずのけぞり、なんという思い切り!とやや興奮して、これをどう評価するべきかと悩んでいたら、次回最終回の予告編が始まったので、逆に少しがっかりした。
Twitterで見かけた、
というツイートにメチャクチャ受けたww
このドラマは月9=恋愛ドラマなのだから、クライマックスになっても主人公たちがなかなか思うように動かないことに苛々するのはお約束と言ってもいいはずだが、これはいったい本当に恋愛ドラマなのだろうか、という疑念を棄てきれないところが、このドラマのユニークなところである。
正直、三浦春馬が演じる「柏木修二」という男の得体の知れなさを描くドラマとしか思えない。
最終話|脚本がすべてをメチャクチャに
いやー、gdgdもいいところの最終回だった。
見方によっては、三浦春馬は戸田恵梨香に教化されたのであり、そういう意味で三浦は「大切なこと」を戸田に「教えてもらった」のだ。
このドラマは、P!NKの劇中歌やポルノの主題歌も良く、明るい画面設計、生徒たちの演出、トリッキーなキャメラワークと編集など、優れていると思われたところがいくつもあった。
戸田恵梨香、武井咲、剛力彩芽といった女優陣の演技も良く、篠田麻里子も悪くなかったと思う。
これらすべてをぶち壊したのは脚本であり、自分勝手なロジックの積み重ねに、見る者ははぐらかされ続けた。
(先週の三浦春馬の最後の授業、今週のプロポーズの言葉の意味不明さを見よ)
迷惑だったにちがいないのは三浦で、前にも書いた通り、月9始まって以来(?)の、感情移入できない主人公になってしまった。
そんな三浦を許す戸田恵梨香も、同様に感情移入は不可能である。
さらに、連ドラにはありがちなことだが、展開上重視されていたいくつかのエピソードは、結局、中途半端に投げ出された。
たとえば武井咲の病気(薬を飲まないと女でいられない)について、後半、くわしく触れられる機会はついに与えられなかった。この設定が必要だったのか非常に疑問である上に、戸田の妊娠を知った直後の武井を、三浦は冷たく突き放していた。
おそらくは子宮系の疾患をもつ高校生に対するふるまいとしては、あまりにもデリカシーに欠けるように見えた。
ここでも、わりをくったのは三浦である。
それにしても、武井は転校しないことになったのだろうか。
顔を表さない武井の姉を亡くした武井の両親が、武井が生きていてよかったと思い込むことによって、絆を取り戻したのなら、もはや転校する必要はないと思う。
しかし、西村雅彦が新担任として就任したらしい3年生のクラスに、武井と剛力彩芽の机は不在を主張していた。
剛力はアフリカに行ったとされている。この少女の家庭については、第1回以降触れられることはなかった。
三浦春馬が剛力についてはなぜ守る必要を感じないのか、じつにフシギである。このドラマは歪んだ学園物の構造をもっていたのだが、結局は中途半端な出来損ないとして終わってしまった。
スラダンマニアの菅田将暉の幼い恋心の描写はありきたりで、わざわざ最終回までひっぱる必要性は感じられない。
鉄であったことが示された中島健人の武井への恋心も同様である。
広瀬アリスは自分の役柄を少しもてあましていた。
さらに謎だったのは内田有紀である。
最終回になって三吉彩花演じる娘がちょろりと出てくるが、これまで毎週見てきたにもかかわらず、内田と娘と北海道と武井の姉が死んだ事故がどう結びつくのか、よくわからなかった。
内田有紀の役柄そのものが、このドラマに不要だったように思う。
最後に戸田恵梨香について。
前日に映画「ライアーゲーム ファイナルステージ」をテレビでやっていて、ついまた見てしまったのだが、「野ブタ。をプロデュース」の美少女ぶり、ナオちゃんが笑うと見ているほうもうれしくなる「ライアーゲーム」から、
仏頂面が魅力的な「BOSS」を経て、「ライアーゲーム 2ndシーズン」では劣化したかに見えて成長を感じさせ、
「BOSS」の発展形であるどや顔の異色作「SPEC」、そして本作と、戸田は、理想的な成長ぶり、成熟ぶりを段階的に見せていると感じた。まったく今後も楽しみな女優である。
武井咲から顔にバスケットボールをぶつけられて啖呵をきる演技は、まことに惚れ惚れするものであった。
大切なことはすべて君が教えてくれたのキャスト
今となっては、「こんな人が出ていたのか」という人が何人もいる。太字で表示しておく。
上村 夏実 – 戸田恵梨香
柏木 修二 – 三浦春馬
中西 佳史 – 西村雅彦
金子 雅代 – 能世あんな
鶴岡 悟司 – 風間杜夫
その他の教師
校長 – 阿部六郎(第1・9話)
理事 – 加藤治(第8話)、佐藤祐四(第8話)、須永慶(第8話)
理事長 – 戸沢佑介(第8話)
私立明稜学園高等学校・生徒
2年1組
佐伯 ひかり – 武井咲
平岡 直輝 – 菅田将暉
園田 望未 – 剛力彩芽
加川 涼子 – 広瀬アリス
児玉 賢太郎 – 中島健人(Sexy Zone、当時:B.I.Shadow)
渡辺 優奈 – 石橋杏奈
牧田 玲花 – 替地桃子
田口 和孝 – 永嶋柊吾
川本 万里 – 石橋菜津美
江藤バーンズ凌真 – バーンズ勇気
小野 誠也 – 丸若薫
辻本 奈知 – 央川奈知
その他の生徒
宇野沙莉 – 伊藤沙莉
相沢航希 – 長村航希
石本千寿 – 佐伯千寿
高橋悠希 – 倉益悠希
瀧山辰哉 – 黒木辰哉
千葉奈々 – 大平奈津美
土屋孝之 – 大津尋葵
徳永玲奈 – 能年玲奈
中田広稀 – 中島広稀
中野愛里 – 中島愛里
夏川流太 – 外波山流太
西野優衣 – 伊藤優衣
根本健人 – 疋田健人
野口優里 – 中村優里
橋本達也 – 羽染達也
樋口みはと – 伊勢みはと
桃井天音 – 岡山天音
安田美月 – 小松美月
山口美咲 – 米村美咲
吉川タツヤ – 岸田タツヤ
バスケットボール部
女子バスケットボール部員
星野陽子 – しほの涼
元木彩 – 竹本彩
有野佐知 – 石丸佐知
眞鍋理沙 – 本間理紗
藤岡優里奈 – 齋藤優里奈
田辺かおり – 渡辺かおり
男子バスケットボール部員
山田純平 – 笹山純平
山田哲平 – 笹山哲平
井口龍之介 – 永井龍之介
田中力意 – 園田力意
夏実の家族
上村 圭子 – 朝加真由美
上村 克実 – 新井康弘
修二の家族
柏木 孝一 – 新井浩文
柏木 博一 – 春海四方 ※第2話は声のみ
柏木 育子 – 三谷悦代
ひかりの家族
佐伯 ゆかり – 西園みすず(第9話)
佐伯 由梨 – 宮本裕子
佐伯 正則 – 神保悟志
生徒の保護者
田口和孝の母親 – 阿南敦子(第1話)
川本万里の母親 – 渡辺杉枝(第1・8話)
その他の保護者 – 鈴木ひろみ(第8話)、薬師寺順(第8話)
駿陽大学附属病院
水谷 亜弥 – 内田有紀
その他
ひかりの担当医師 – 佐藤裕(第3話)
看護師 – 金子路代(第2話)、丸山優子(第7話)
東堂 さやか – 篠田麻里子(AKB48)
山下 有悟 – 福士誠治(第7・8話)
