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大切なことはすべて君が教えてくれた

戸田恵梨香(大切なことはすべて君が教えてくれた) ドラマ
戸田恵梨香(大切なことはすべて君が教えてくれた)
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武井はなにやら持病を持っているようであり、左腕の火傷のようなひきつれはそれに関係があるのかもしれない。
特待生で家庭が崩壊している剛力彩芽は、武井咲の過去を知っていそうだ。

あそこまで爽やかな先生にリアリティがあるのかどうかはわからないが、生徒と教師の関係は自然に良好であり、学校の描写は珍しく、つくりもの臭くない。
今回、親のいぬ間にセックスしている子供たちを見つけた母親たちが学校に相談に来るというくだりがあるが、交尾中の犬を引き離すようなやり方でなく、見込んだ教師に助けを求めるというのは、三浦が演じるキャラが相手なら、ありそうな気がする。
このへんは三浦の演技のうまさを表しているのだろう。

一方、戸田恵梨香は今のところまったりしている。声の低い戸田は落ち着いた演技をすると思いのほか先生っぽく、結婚を間近に控えて猫のように三浦に甘えるのだが、眼力が強いのでこれはちょっと怖く、三浦は必要以上にびくびくしている。全体に三浦は目を見開いて声も出ないくらい驚いたり、ぽかんとしたりしていて、その演技がこのドラマをサスペンスミステリー仕立てにしている。

結婚直前というのは男女とも不安定な心境に陥る時期ということになっていて、この時期の男女を描く小説やドラマは昔から数多いが、トレンディドラマ以降は古臭いモチーフとなってしまっていたと思う。
今の時代に再びそれを取り上げたことが、このドラマの着地点を見えにくくしている。
先が楽しみである。

第2話|唾棄すべき教師というひねり方

心理捜査物に次いで今季かぶりまくっているのは学園物だが、本作はひねくれた学園物で、主人公である三浦春馬は、唾棄すべき教師として次第にベールを剥がされる仕組みになっている。

前半に、三浦が生徒たちと食堂で定食などを食べる長テーブルに戸田恵梨香が呼ばれ、武井咲剛力彩芽も座るシーンがあった。
武井と剛力(すごい芸名だ)を除く生徒が次々はけ、剛力も立ち上がるのだが、戸田・武井と残りたくない三浦は、何か剛力に話しかけて引きとめようとする。それで懸命に話題を探すのだが、何も思いつかない。

剛力演じる園田望未は、経済破綻、家庭破綻、いかがわしい店への出入り(もう辞めているが)など、教師として把握すべき話題にことかかないはずだし、不登校で特待生という特殊なキャラクターでもある。
心理的に追いつめられている三浦はそれらをすべて忘れているらしいのだが、あげく出てきた言葉は、「君、料理はするの?」というあからさまに性差的な質問だった。
結婚への準備は戸田がリードして粛々と進めているように見えるが、性差に深くとらわれているのは三浦のほうなのである。

今回の見どころは、なんといっても、体育館での戸田と武井の対決シーンであろう。なんといっても話題のドラマで数々の場数を踏んできた戸田は、やはり巧い。
武井咲は「美少女」に頼った演出で、圧倒的に戸田に分があるのだが、物語は盛り上がりを演出するため、三浦の寝顔写真という武器を武井にもたせている。BGMをうまく使ったコミカルなサスペンスタッチの演出は快く、どう展開するのか楽しみな次回である。

第3話|武井咲はこの先が難しい

今週は修羅場の章、来週は職場バレの章と、三浦春馬の試練は続く。
クレジット的には主役は戸田恵梨香なのだが、三浦の役どころが面白いのでつい引き込まれる。こういった配置は、ひと昔前なら、逆だったはずである。何を考えているかわからない女に振り回される男という構図で。
今週の筋書きは、女はなぜ突然怒るのかということを実にわかりやすく解説していた。

戸田の演技力は今週もあっぱれだったが、今後、実力が試されるのは武井咲だろう。
ようやく武石の病気が卵巣機能不全であり、治療を続けないと「女でいられない」ことが明らかにされた。
そして死んだ姉が完璧だったのに対して、自分が出来損ないの欠陥品であるというコンプレックスを持っていることも明らかになった。このコンプレックスが事件の元であり、ナメクジは失敗したカタツムリではないと教えてもらったことが、三浦に執着させることとなった。
完全な姉のワンピースを着ることによって三浦との関係をもつことができたことは、武井の病気にまだ隠された部分があることを表している。
おそらく今後の展開の中で、内田有紀がそれを明かしていくことになるだろう。

ドラマではいまだ描かれていない発端の夜のことを、三浦の兄である新井浩文に戸田が確認するシーンがあった。新井は先週、戸田・三浦が送った結婚式の招待状を破り捨てていたから、問題の夜について何かを知っていると思われる。
話がテンポよく展開していくので、このドラマは飽きさせない。

第4話|「君」とは一体誰なのか

戸田恵梨香ならずとも、第1回以来、終始キョドっている三浦春馬にはうんざりさせられるのだが、これはあくまでも作り手の意図によるものだと考えてみる。
「大切なことはすべて君が教えてくれた」という言葉を口にするのは一体誰なのか、「君」とは誰なのか、「大切なこと」とは何か、といったことがまだ予想もつかない状態なので、作り手の意思がどこにあるのかわからない。
戸田、三浦、武井咲のいずれかが「君」であるのは確かだろう。
武井咲に人生を狂わされたことをもって「教えてくれた」ということになるのか、戸田が指摘するように、「あくまでも正解の行動をとろうとする」三浦のユニークネスが、誰かに何かを教えることになるのか、この3人の中では最も常識的な戸田が三浦か武井に何かを教えることになるのか、どの展開もありえるのである。

このドラマは歪んだ学園物であり、第2回では生徒のちょっとした問題を三浦は解決してみせている。
今回、三浦を吊るし上げる生徒たちは戯画化された学園物のようである。
剛力彩芽や菅田将暉のキャラクターは極端で、実際にはいそうもないが、内田有紀のキャラクターもエキセントリックに過ぎて、不自然さを感じさせる。こういった不自然は、言うまでもなく、三浦を窮地に陥れるための作り手の意思である。
三浦と武井の間に本当に性交渉があったと信じる視聴者はいまいし、空白の始業式前夜に、新井浩文が何やら関係していることもわかっている。そこに隠されている設定と、「大切なことは…」という題名が意味するものの間に何があるかを知りたい視聴者だけが、このドラマを辛抱強く見続けているといえる。

第5話|ゼロ時間へ

“ゼロ時間”に何が起こったのかが、ようやく明らかにされた。
誰もが予想したように、武井咲の破瓜の相手は三浦春馬ではなかった。
しかし、この一連の事件で三浦が責められるべきなのは、あくまでも自分が武井咲の処女を奪ったと思いこんでいたことである。
実際に交情に及んだかどうかは、戸田恵梨香にとってあまり問題ではなく、むしろ、覚えていないくせにそれを認めたことのほうがよほど罪深い。
それを踏まえて、三浦が戸田を棄てるにいたる今回の結末は、これまでにない、かなり大胆なものだと思う。
事件の落着に安堵して駆け寄る戸田を半ば無視して、自分に夏実がいるようにひかりを待ってくれている人はいるのだろうか、と通りの先を見つめる三浦。「いるとしたら、僕なんじゃないかな。」という台詞の破壊力はすさまじい。

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