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ソウシリーズ

トビン・ベル(ソウシリーズ) 2020年代の映画
トビン・ベル(ソウシリーズ)

バラエティ的な編集技法――ソウ6

アシーナ・カーカニス(ソウ6)

アシーナ・カーカニス(ソウ6)

シリーズを追うごとに、ゲーム部分とストーリーが分離している第6作。編集で交互に語られるのが、なんだかバラエティ番組の「先見せ」みたい。

ゲーム部分は、オープニングの「どっちがたくさん肉を削れるか」に始まり、いざとなると保険金を払ってくれない保険会社の査定責任者の地獄めぐりがメイン。実はジグソウ=トビン・ベルも保険をかけていたのだが、保険金が降りなかったので遺伝子治療を受けられなかったのだった。「極東の国では、先に保険費用を払って治療は無料だ」と言っているが、なんか誤解がある…。

そしてストーリー部分は、ストラム捜査官をペチャンコにしたホフマンの化けの皮が捜査で剥がれはじめ、ついに、トビンの遺志に従う元妻ジルの罠にかかるも生き延びたところで次作に続く。せっかくジルが「ゲームオーバー」とキメたのに…

せっかく生還したペレーズ捜査官(アシーナ・カーカニス)だが、声紋分析エンジニアや、ストラムの後任のエリクソンもろとも、酷薄ホフマンにおなかめった差しにされあえなく死亡。あー可哀想。

ソウ6のあらすじ

FBI捜査官ストラムが死体となって見つかり、指紋が残されていたことなどから、ジグソウの後継者はストラムとされて、後継者へと引き継がれてきたジグソウの事件は終わったかに見えた。しかし、ストラムの上役だったFBI捜査官エリクソンは疑問を抱き、ホフマン刑事に近づく。一方、ジグソウの元妻ジルは夫から残された遺言と遺品をどう扱うか考えていた。彼女の決心もようやく固まったとき、新しいゲームが始まった。このゲームのモニターを最前列で見ているのは誰か?

ソウ6を観るには?

もはや謎は何もなく、後に続く要素はない――ソウ ザ・ファイナル 3D

ジーナ・ホールデン(ソウ ザ・ファイナル 3D)

ジーナ・ホールデン(ソウ ザ・ファイナル 3D)

次作よりトビン・ベル以外の登場人物がリセットされるので、ストーリーが連続するドラマシリーズとしてはこれが最終回になる。ということだからか、“ジェームズ・ワンリー・ワネルも制作総指揮に戻ってきた。

今回は、ゲームの生き残りを詐称してベストセラー作家になったボビーが、本当のゲームに参加する話。
何も悪くないのに超大がかりな棺桶で火あぶりになったボビーの奥さんを演じたのはジーナ・ホールデン。この人は「ファイナルデッドコースター」の冒頭でコイントスまでしてコースターの最前列に乗り、案の定脱線して悲惨な死をとげている。

これに、前作でトビンの元妻ジルに懲らしめられたホフマンが復活してジルに仕返しする話が交互に語られる。ホフマンは無敵で、警察署の牢屋に保護されているジルを殺すために、署に残っていた警察官を皆殺しにしてしまう。ほとんどターミネーターである。

興味深いのは、本作には今までのゲームの生き残り(サバイバー)による「被害者の会」みたいなのが登場することだ。生き残ったということは身体のどこかが欠損している人ばかりなわけだが、その中で長老のように幅をきかせ、ボビーに皮肉を投げつけたのが、あの男だった(と言いつつ、私は忘れていて「誰?」と思った)。

この男は最後の最後にまた登場し、因縁の逆さトラバサミでジルの頭を粉砕し、トンズラしようとしていたホフマンをとっ捕まえる。

今さらだがネタバレ承知で書くと、男とは「ソウ」以来失踪していたゴードン医師。実は部屋を這い出た後にトビンに助けられていた彼は、義足を作ってくれたトビンに心酔し(洗脳され)、すっかりジグソウの後継者になっていたのだった。「ソウ2」以降で外科手術が必要な仕掛けを行ったり、「ソウ3」のリン医師を紹介したのもゴードンだったというわけ。もう妻子はどうでもいいんかい!

気を失ったホフマンをゴードンが運んだのは、いうまでもなく「ソウ」のシャワー室で(ゴードンの足やアダムのミイラが転がっている)、ガラガラと扉を閉めながら「ゲームセット」と告げるオチであった(足を鎖につながれたホフマンが「それだけはやめてくれえっ」と叫ぶのはギャグなのか?)。

もはや謎は何もなく、後に続く要素はない。

ソウ ザ・ファイナル 3Dのあらすじ

ジグソウのゲームで生き残った者たちは、心に傷を抱えたまま苦しんでいた。そんなある日、生還者の1人であるボビー・デイゲンという男が彼らの前に現れ、精神的支柱となっていく。一方、ジグソウの妻が仕掛けた罠から抜け出したホフマン刑事は、後継者争いに終止符を打とうとする。

ソウ ザ・ファイナル 3Dのあらすじ

ジグソウマニアが登場――ジグソウ:ソウ・レガシー

ハンナ・エミリー・アンダーソン(ジグソウ:ソウ・レガシー)

ハンナ・エミリー・アンダーソン(ジグソウ:ソウ・レガシー)

前作から7年。ジョン・クライマーが死んでから(シリーズで言うと「3」)十数年、と説明される。

バケツを被った5人の男女が(このバケツは伏線になっている)、例によって強制的にゲームに参加させられているのだが、それぞれ何らかの罪を隠しているらしい。といってもそれぞれのストーリーには繋がりがなく、何の関係もない5人というところが、シリーズを観てきたファンには物足りないところだ。ゲームの内容も無理があるものが多く、中でも穀物に埋もれていくゲームでは、丸ノコやらクギが落ちてくるのだが、どう考えてもそれが刺さることはなさそうだ。

ルールを告げるテープの声がトビン・ベルのものなので、シリーズファンは、なぜ彼が生きているのかと訝しむ。実際、5人のうち一人はジョン・クレイマーの隣人であり、回想シーンではあるが、まだ元気なトビン・ベルが姿を現すのである。

ネタバレしてしまうと、実はそれらのゲームは十数年前(おそらくは「ソウ」より前)に行われたものなのである。「現在」では、このゲームによる(と思わせる)死体が街に捨てられ、警察はジョンが生き返ったのかと墓を掘り返したりするのだが、そちらが模倣犯で、ご丁寧にも同じ殺し方をした死体を捨てている犯人がいるわけなのだった。しかも彼もまたジョンの弟子だったのだ。

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