中園ミホの実験作。蒼井優がすばらしい。(Dr.倫太郎の感想)
なぜかBSで再放送。見返したいと思っていた水田伸生作品で、脚本は中園ミホのオリジナルである。全編、手持ちカメラが追う蒼井優が素晴らしい。
松重豊と遠藤憲一が両方出てくるという禁じ手を使っているのだが、高畑淳子の毒親など客演も申し分がない。最後まで見ることにした。
モフモフ犬を見て思ったのだが、いまだ映像化されていない「MASTERキートン」を堺雅人主演でやったらどうか。
おそらく初回視聴後の感想
テレビドラマでなぜかネタがかぶることは時々あり、マーケティングの結果なのだと思う。今季、「心がポキッとね」「アイム・ホーム」、本作、とメンタルヘルス系のドラマが揃うのも(まだ他にも出てきそうだ)、社会がそれを必要としているという読みがあるからなのだろう。キモチ悪いことである。
「woman」のスタッフに女優は蒼井優、とゴージャスなドラマになりそうだし、ベテラン中園ミホの野心作でもあるのだろうが、持ち前のテンポがやや犠牲になっているきらいがあり、早いうちに展開を明らかにする必要がある。
その後、断続的に追記
ドラマの骨格がようやくわかってきた。蒼井優の毒親である高畑淳子はたぶん妄想上の存在であろうと予想。
なんとも意図がわからぬままに見続けていて、他のドラマのような見方をはっきり拒む作り方をしている。例えば今回シンヤ君の発語を一瞬しか映さないのは、他のドラマではあり得ない。高畑淳子が実在しないのではないかという思いは強まる一方だが、それを打ち消す展開が続いている。
遠藤憲一と松重豊を同じフレームに映すという禁断の挑戦をしている。頭がグラグラするドラマと言える。
雅人をはじめ、そして蒼井優と高畑淳子による、とてもドラマとは思えない演技も、「Mother」「Woman」の水田伸生による演出も素晴らしい。そう、中園ミホの脚本を除いては…(>_さらに22/2/15追記(9話まで再見)
何が気に食わなかったのか、上記では中園ミホをやたらとディスっているが、再見の感覚では、中園はある種の実験を試みつつ、ドラマとしての整合性をちゃんととっていて、さすがだと思う。
Dr.倫太郎のあらすじ
精神科医・日野倫太郎は、恋愛に消極的だったが、芸者・夢乃と出会い、好意を抱く。夢乃は解離性同一性障害を患い、倫太郎が治療を担当。医師と患者の立場を保とうとするが、夢乃への思いを抑えられず、抱きしめる。夢乃の病状は快方に向かい、倫太郎はプロポーズするが断られる。夢乃は倫太郎を愛しているが、彼の幸せを願い、幼なじみの水島百合子に託す。倫太郎は夢乃と結婚するため医師を辞めようとするが、夢乃は多くの患者を救う倫太郎の役割を重視し、結婚を諦める。倫太郎は「人への愛情こそが重要」と語り、水島は微笑みながら見守る。
Dr.倫太郎のキャスト
日野 倫太郎(精神科医) – 堺雅人
水島 百合子(外科医) – 吉瀬美智子
桐生 薫(看護師) – 内田有紀
川上 葉子(研修医) – 高梨臨
福原 大策(研修医) – 高橋一生
宮川 貴博(精神科主任教授) – 長塚圭史
蓮見 榮介(副病院長兼脳外科医主任教授) – 松重豊
矢部 街子(精神科医) – 真飛聖
円能寺 一雄(慧南大学・慧南大学病院の理事長) – 小日向文世
新橋 置屋
夢乃(新橋の置屋の売れっ子芸者) – 蒼井優
小夢(夢乃と同じ置屋所属の芸者) – 中西美帆
益田 伊久美(夢乃がいる置屋のお母さん) – 余貴美子
その他
荒木 重人(開業医) – 遠藤憲一
中畑 まどか(倫太郎の妹) – 酒井若菜
池 正行(行政府報道長官) – 石橋蓮司
三枝(池の秘書) – 住田隆
相澤 るり子(夢乃の母) – 高畑淳子
Dr.倫太郎のスタッフ
原案 – 清心海『セラピューティック・ラブ』(KADOKAWA)
音楽 – 三宅一徳
演出 – 水田伸生、相沢淳
精神科医協力 – 和田秀樹
VFXスーパーバイザー – オダイッセイ
OPタイトル – 影山達也
日舞・所作監修 – 花柳糸之
芸者監修 – 柳瀬真知子
邦楽監修 – 西川啓光
精神科医療監修 – 高橋祥光、古賀良彦、平安良雄
外科医療協力 – 松尾成吾
心理療法指導 – 田中あず見
外科医療監修 – 新村核
スーパーバイザー – 霜田一寿(ザ・ワークス)、大垣一穂(ザ・ワークス)
チーフプロデューサー – 神蔵克
プロデューサー – 次屋尚、大塚英治(ケイファクトリー)
制作協力 – ケイファクトリー
製作著作 – 日本テレビ