2007年に制作されたアメリカ映画。原題は「The Invasion」。ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』(原題:The Body Snatchers)の4度目の映画化作品。
インベージョンの原作
盗まれた街の映画化タイトル
- ボディ・スナッチャー/恐怖の街(ドン・シーゲル、1956年)
- SF/ボディ・スナッチャー(フィリップ・カウフマン、1978年)
- ボディ・スナッチャーズ(アベル・フェラーラ、1993年)
- インベージョン(本作)
インベージョンの原作を読んだ人の感想
- 鑑賞メーター
- 【ブックレビュー】盗まれた街(著:ジャック・フィニィ)(マリア様の愛読書)
- 盗まれた街(ジャック・フィニイ)(穴にハマったアリスたち)
映画インベージョン
あらすじ
原因不明のスペースシャトル墜落事故が発生。空中分解したシャトルの破片には宇宙から飛来した未知のウイルスが付着しており、世界中で謎の感染症を引き起こす。ウイルスに感染すると、REM睡眠中に分泌されるホルモンをきっかけにして、人間らしい感情を失った別の何者かに変貌してしまう。周りの親しい者までもが次々と感染し発症していく中で、主人公キャロルは睡魔と闘いながら、解決の鍵を握る息子を探しに行く。
感想
繭に包まれた感染者の描写まで来て気づかされるように、本作は「盗まれた町」の4度目の映画化である。ニコール・キッドマンがおざなりな精神科医なのはそのためだ。
乗っ取り過程が繭に包まれていることと、乗っ取られた後に無表情になるところは過去作と同じなのだが、ここでは侵略者はDNAを書き換えるウィルスということなので、乗っ取りはコピー人間を作るという形ではない(最後に明かされるが、ワクチンを打つことで元の人間に戻ることもできる。乗っ取られた間の記憶はないが)。
このため侵略は感染によって進行していくので、それがあからさまになる中盤以降はゲロが飛び交う汚いアクションシーンが続く。キッドマンも元夫のゲロを浴びて感染するが、乗っ取りはレム睡眠中に行われるので、感染しても寝なければ無問題という都合の良い設定になっている。
午後ローで見たので8分ほどカットされているのだが、そのためだけではなかろう急展開と謎のシーンの続出があり、終盤になっても一向に決着がつかずハラハラしたが、あっという間にハッピーエンドになった。火だるまの車でビルの地下駐車場を走り抜けるシーンはかなりぶっ飛んでいる。実は後半はウォシャウスキー兄弟が書き直して撮り直しているのである。
ユニークなのは、感染が世界規模で広がるにつれ、世界各地の紛争が次々と解決して平和が実現していくことだ。これは侵略によって人間が一つの存在になるためとされる(人類補完計画みたいなもんか)。もうそれならそれでいいか、と眠くてたまらないキッドマンの心が一瞬動くところが面白い。
キッドマンの患者ウェンディ(途中で免疫があるとわかるのだが、話から消える)を演じるヴェロニカ・カートライトという女優は78年版リメイク作の主要人物の一人だった(役に立たない豆知識)。
インベージョンのキャスト
キャロル・ベネル – ニコール・キッドマン
ベン・ドリスコル – ダニエル・クレイグ
タッカー・カウフマン – ジェレミー・ノーサム
オリバー – ジャクソン・ボンド
スティーブン・ガレアーノ – ジェフリー・ライト
ウェンディ・レンク – ヴェロニカ・カートライト
ヘンリク・ベリチェク – ジョセフ・ソマー
リュドミラ・ベリチェク – セリア・ウェストン
ヨリッシュ – ロジャー・リース
リチャード・レンク – アダム・ルフェーヴル
オータム – マリン・アッカーマン
スタッフ
監督 オリヴァー・ヒルシュビーゲル
脚本 デヴィッド・カイガニック、ウォシャウスキー兄弟
原作 ジャック・フィニイ『盗まれた街』
製作 ジョエル・シルバー
製作総指揮 ロイ・リー、ダグ・デイヴィソン、スーザン・ダウニー、スティーヴ・リチャーズ、ロナルド・G・スミス、ブルース・バーマン
音楽 ジョン・オットマン
撮影 ライナー・クラウスマン
編集 ハンス・フンク
ジョエル・ネグロン
製作会社 ヴィレッジ・ロードショー・ピクチャーズ
シルバー・ピクチャーズ
配給 ワーナー・ブラザース
アメリカ公開 2007年8月17日
上映時間 99分
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