オザークへようこそ

ジュリア・ガーナー(オザークへようこそ)
ジュリア・ガーナー(オザークへようこそ)

2017年7月より世界同時に配信された、Netflix制作によるアメリカのクライムドラマシリーズ。原題は「Ozark」。ミズーリ州のリゾート地オザークで、麻薬組織の資金洗浄をしようとする主人公が家族もろとも事件に巻き込まれていく物語。ジェイソン・ベイトマンが主演し、制作総指揮、監督も務めている。2022年4月29日に全4シーズン44話で終了した。番組は批評家から好意的な評価を受けており、プライムタイム・エミー賞の監督賞、助演女優賞などを受賞している。

オザークへようこそのあらすじ

シカゴで暮らすファイナンシャルプランナーのマーティ・バード。裏の稼業は麻薬組織の資金洗浄で、ある日突然、家族を連れてミズーリ州のリゾート地オザークへと移住する。妻ウェンディ、娘シャーロット、息子ジョナの4人家族は、やがて事件に巻き込まれていく。

オザークへようこその感想

2週間ほどかけて4シーズン全44話を完走。ああ面白かった。

シカゴのファイナンシャルプランナーはかねてメキシコの麻薬カルテルの資金洗浄に手を貸していたが、相棒が横領していたことが発覚して窮地に陥り、リゾート地オザークでの資金洗浄を自ら提案してしまう。妻子でオザークに妻子を連れて移住した一家は、家族ぐるみであの手この手の資金洗浄ビジネスに手を染めていくが…という話。

まず、ジェイソン・ベイトマン演じる主人公(ベイトマンはシリーズの制作やシーズン1の監督も務めている)、ローラ・リニー演じるその妻が超絶に優秀で、メキシコのカルテルや、ひと癖もふた癖もあるジモティたちが次々と突きつける無理難題をかわし、頭と口をフル回転させてさまざまなビジネスに手を染め、成功に導くのが爽快である。絶体絶命の危機にも落ち込まず起死回生の手をひねり出す前向き志向は見ていて気分が良い。

次にユニークなのは、カルテルの資金洗浄という密命を主人公や夫婦が抱え込まず、ハイティーンの長女、ローティーンの息子に明かしてしまい、家族で困難を乗り越える話になっていること。これにより家族が(カルテルの攻撃からも、精神的・倫理的なせめぎ合いからも)バラバラになるリスクが最初から設定されている。

そして人死にがやたらと多いこと。主人公一家に関わったがために人がどんどん死ぬ(主人公たち自身が手を下すケースもある)。いつ誰が死ぬかわからないスリル。

終盤になると、優秀すぎるローラ・リニー(元大統領選のスタッフ)の判断や手の打ち方が冷酷すぎて負の連鎖が始まり、思惑が次々と裏目に出て、乱発した約束も守れなくなり、子どもたちからの信頼も薄れ、事態がどんどん複雑化・悪化して人死にも止まらなくなる。

地元の底辺層であるジュリア・ガーナー(声が独特)は、見ていてつらくなるほど愛情に飢えているのだが、一家に関わったがために悲惨な最期をとげてしまう。ここは泣かせどころであった。

ハッタリから泣き落とし、恫喝などあらゆる駆け引きを繰り出す勇敢なローラ・リニー(緑の瞳が美しい)、最初から最後まで剣呑で目を離せないリサ・エミリー(序盤でレモネードをこぼして来客を殺してしまうのだが、その後も「レモネードを出すかい?」と夫に聞くのが怖い)などの演技も素晴らしかった。

オザークへようこそのキャスト

マーティ・バード – ジェイソン・ベイトマン
ウェンディ・バード – ローラ・リニー(マーティの妻)
シャーロット・バード – スカイラー・ゲルトナー(マーティの長男)
ルース・ラングモア – ジュリア・ガーナー
レイチェル – ジョーダナ・スパイロ(ブルーキャットロッジのオーナー)
ロイ – ジェイソン・バトラー・ハーナー(FBI捜査官)
カミノ・デル・リオ – イーサイ・モラレス(メキシコの麻薬密売組織ナバロ・カルテルの幹部)
ジェイコブ – ピーター・マラン(オザークの麻薬王)
バディ – ハリス・ユーリン(家の地下の同居人)

オザークへようこそのスタッフ

原案 – Bill DubuqueMark Williams
作曲 – Danny BensiSaunder Jurriaans
シーズン数 – 4
話数 – 44
各話の長さ – 52~80分
製作・製作総指揮 – ジェイソン・ベイトマンChris Mundy、Bill Dubuque、Mark Williams
撮影地 – ジョージア州アトランタ
製作 – Media Rights Capital、Aggregate Films
配給 – Netflix

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