バニー・レークは行方不明

キャロル・リンレイ(バーニーレイクは行方不明)
キャロル・リンレイ(バーニーレイクは行方不明)

1965年のイギリスのサスペンス映画。原題は「Bunny Lake Is Missing」。監督はオットー・プレミンジャー、出演はキャロル・リンレーとローレンス・オリヴィエなど。イヴリン・パイパーの同名小説(英語版)(嵯峨静江訳 早川書房)の映画化。タイトルをソウル・バスが担当。パイパーの原作では、1889年に発生したとされる「パリ万博事件」が紹介されている(イギリス人の母娘がパリのホテルに宿泊したが、母親が姿を消し、娘が必死に探すが、「始めから母親はいなかった」と言われるという事件だが、証拠がないため都市伝説と言われている)。

バニー・レークは行方不明のあらすじ

ロンドンの昼さがり。アメリカから来たばかりのアン(キャロル・リンレイ)は、ロンドン駐在の記者をしている兄スティーブン(キア・デュリア)と、新しいアパートに入った。アンは4歳の娘バニーを保育園に迎えに行ったが、姿はどこにも見えず、どの先生も見たことがないという。アンとスティーブンはスコットランド・ヤードのニューハウス警部(ローレンス・オリヴィエ)に捜索を依頼したが、どこにもバニーはいなかった。アンは料理婦に頼んで置いてきたのだが、その料理婦の姿もみえない。家へ戻ると、バニーの服や玩具などがすべてなくなっていた。ニューハウスは、バニーは最初から存在していなかったのではないかと考える。アンは子供の頃、バニーという空想上の女の子をつくったこともあったという。ニューハウスは船会社を訪ねたが、乗客名簿に母娘の名は見当らなかった。
バニーの実在を証明するために、アンはバニーの人形が修繕屋に出されている事を思い出し、深夜ひとりで出かけた。人形はあったが思いがけないことに、そこに現れたスティーブンが人形をとりあげ、いきなり火をつけてしまった。スティーブンはアンを気絶させ、精神病院に入院させる。ひそかに脱出したアンは、アパートに引っ越す前の住居にかけつけると、バニーは車のトランクに隠されていた。罪の意識などないかのように、やさしくアンをいたわるスティーブン。庭のブランコにのったアンは思いきり彼に押させた。じきに警部も来るだろう。2人の奇妙な笑い声が都会の谷間にこだまする。

バニー・レークは行方不明の感想

65年のオットー・プレミンジャー作品で、「バルカン超特急」に連なる不条理な行方不明物の隠れた名作と言われる。問題は、類似作と違って4歳の少女バニー・レークをクライマックスまで隠していることで、このため観客は情緒不安定なキャロル・リンレイ(日本ではヒチコック劇場ほかテレビ映画でおなじみ)の正気を疑うことになるのだが、雑誌記者の兄もまた(当初は)バニーの存在を主張しているのだから、この兄妹が怪しいのはやはり自明なのだ。
キャメラワークは冒頭から非常に巧妙だし、終盤の“対決”はもしかしたら映画史的なものかもしれないのだが、変態大家ノエル・カワードが必要以上にしつこくつきまとうことからも(本作はローレンス・オリヴィエとカワードの2ショットを見られる映画なのだ!)、どちらかと言うと演劇的である気がする。

バニー・レークは行方不明のキャスト

アン・レイク – キャロル・リンレー
スティーブン・レイク – キア・デュリア
エルヴァイラ – アンナ・マッセイ
エイダ・フォード – マーティタ・ハント
ウィルソン – ノエル・カワード
ニューハウス警部 – ローレンス・オリヴィエ
アンドリュース捜査官 – クライブ・レヴィル
フェリシア・”バニー”・レイク – スーキー・アップルビー
ドロシー – エイドリアン・コリ
コック – ルーシー・マンハイム
看護婦 – キカ・マーカム
保育士 – ジル・メルフォード
ザ・ゾンビーズ – ザ・ゾンビーズ

バニー・レークは行方不明のスタッフ

監督 – ジョン・モーティマーペネロープ・モーティマー
原作 – イヴリン・パイパー『バニー・レークは行方不明』
製作 オットー・プレミンジャー
音楽 ポール・グラス(英語版)
撮影 デニス・クープ
編集 ピーター・ソーントン
製作会社 Wheel Productions
配給 コロンビア ピクチャーズ
上映時間 107分

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