バード・ボックス

サンドラ・ブロック(バード・ボックス)
サンドラ・ブロック(バード・ボックス)

2018年制作のアメリカ合衆国のSF映画。原題は「Bird Box」。ジョシュ・マラーマン原作の同名小説の映画化。サンドラ・ブロック主演。スピンオフ『バード・ボックス: バルセロナ』が2023年7月14日からNetflixで配信されている。

バード・ボックスの原作


もし外を見たら…もう手遅れだ
マロリーは、できる唯一の方法で子供たちを育てる。室内で扉に鍵をかけ、カーテンを閉め、窓にはマットレスを釘で固定。子供たちは廊下の向かい側の寝室で眠っている。彼女は彼らを起こし、目隠しをしなければならなくなる。今日は、すべてを賭ける日――家を出る日だ。
ジョシュ・マラーマンのニューヨーク・タイムズベストセラー『バード・ボックス』は、読んだ後も余韻の残る恐ろしい心理スリラーである。

バード・ボックスのあらすじ

未曾有の謎の異変に襲われ、世界の終焉と人類の滅亡が迫る近未来世界。異変が次々と起こる中、生き残るためにできることは、決して“それ”を見ないということだけだった。
思いがけず子供を身ごもったマロリーは、幼い命を守るため、目隠しをして命懸けの逃避行に出る。

あれこれの映画をつき混ぜたような……(バード・ボックスの感想)

謎の異変(“外”を見ると自死衝動が止まらなくなる)のために文明が崩壊するという話で、この映画の10年前に公開された「ハプニング」に酷似している。シャマランの映画では植物相の叛乱がほのめかされていたが、本作では木々のそよぎでも日光でもなく、昼夜も関係なく、何がどう“外”なのか、まったく定かではない。

家に閉じこもってカーテンを閉めれば安全なのだが、外に出るときは目隠しが必須という設定で、視界を奪われた人々がフラフラ歩く姿は「ブラインドネス」(これも「ハプニング」と同じ年)を思い出させる。

電子カメラの映像なら外を見ても大丈夫なんじゃね?と言い出す人物が序盤にいて、「おお!」と思ったらやっぱり狂ってしまった。あと食料調達にスーパーに行くために車を出すのだが、前後左右の窓を覆い、カーナビ画面だけで運転するのがちょっと新鮮だった。

前半はパニック映画の籠城パターンで、サンドラ・ブロック(なぜか妊娠している)をはじめとする十数人のコミュニティを描いており、その平穏が闖入者によって破られ、クライマックスはついに一人になったサンドラが生まれた子どもたちと新天地を目指す展開になる。

新天地にたどり着くために急流川下りをしなければならない(メリル・ストリープの「激流」を彷彿とさせる)という展開はかなり唐突なのだが、このクライマックスは、映画の始まりから半回想シーンで入れ子になっているので観客は受け入れざるを得ない。そしてたどり着いたのはほとんど天国、というハッピーエンドで終わるのだが、ここまでの説明を読めばわかるように、あれこれのジャンル映画をつき混ぜたような映画である。

サンドラは「父親(カウボーイ)が特殊だった」「狼と育った」という野生的な女の設定で、これはかなり似合っている。さまざまな顔を見られる映画としてサンドラファンには外せないところだ。



バード・ボックスのキャスト

マロリー – サンドラ・ブロック
トム – トレヴァンテ・ローズ
ダグラス – ジョン・マルコヴィッチ
ジェシカ – サラ・ポールソン
シェリル – ジャッキー・ウィーヴァー
ルーシー – ローサ・サラザール
オリンピア – ダニエル・マクドナルド
チャーリー – リル・レル・ハウリー
ゲイリー – トム・ホランダー
フェリックス – コルソン・ベイカー
グレッグ – B・D・ウォン
リック – プルイット・テイラー・ヴィンス
少女 – ヴィヴィアン・ライラ・ブレア
少年 – ジュリアン・エドワーズ
ラファム医師 – パーミンダ・ナーグラ
リディア – レベッカ・ピジョン
サマンサ – エイミー・ガメニック
ジェイソン – テイラー・ハンドリー
リバーマン – ハッピー・アンダーソン
マローダー – デヴィッド・ダストマルチャン

バード・ボックスのスタッフ

監督 – スサンネ・ビア
脚本 – エリック・ハイセラー
原作 – ジョシュ・マラーマン
製作 – ディラン・クラーク、クリス・モーガン、バルバラ・ムスキエティ、スコット・ステューバー、クレイトン・タウンゼント
製作総指揮 – サンドラ・ブロック、スサンネ・ビア、エインズリー・デイヴィス、アレクサ・フェイジェン、ライアン・ルイス、エリック・ハイセラー
音楽 – トレント・レズナー、アッティカス・ロス
撮影 – サルヴァトーレ・トティーノ
編集 – ベン・レスター
公開 – アメリカ 2018年12月14日
上映時間 – 124分

バード・ボックスを観る

バード・ボックスを観た人の感想

  • 生きる努力はする。助ける努力もする。どうなるか神のみぞ知る。それが人間の限界かもしれない。
    終末映画「バードボックス-BIRD BOX-」 ネタバレ 考察 (孤独のシネマ)

  • 観終わってから、いろいろ考えさせられました。深い考察を求められたという点で、観る価値が大いにあった映画でした。
    「あれ」の正体と”見ても大丈夫な人”謎解き|ネタバレあらすじ|考察評価レビュー(ムービー ダイアリーズ)

  • 常に闇と隣り合わせの世界だからこそ、一点の光明を信じ続けること。『バード・ボックス』が問いかける根源的なテーマは、そこにあるのかもしれません。
    (あらすじの泉)

  • タイトルとURLをコピーしました