湯けむりスナイパー

伊藤裕子(湯けむりスナイパー)
伊藤裕子(湯けむりスナイパー)

ひじかた憂峰(狩撫麻礼)原作・松森正作画の漫画(『漫画サンデー』1998年~2004年連載。「PART2 花鳥風月編」が2005年から、「PARTIII」が2007年から連載、2013年に『漫画サンデー』廃刊により連載終了)を原作に、2009年4月3日~6月26日にテレビ東京系ドラマ24枠にて放送。全12話。遠藤憲一の初主演作品として話題になり、「Vシネマ悪役の遠藤憲一が連ドラ初主演」と日刊スポーツの記事に書かれた。放映回を重ねる毎に人気が高まり、2010年1月2日23:00)に『湯けむりスナイパー お正月スペシャル』、2012年1月6日24:12には『湯けむりスナイパー お正月スペシャル2012』がテレビ大阪を除くテレビ東京系列局で放送された。
演出を務める大根仁は本作に思い入れがあり、映画版『モテキ』の監督を引き受ける条件の1つとして、湯けむりスナイパースペシャルを作らせて欲しいと依頼をしたという。

湯けむりスナイパーの感想

よくよく調べてみると、これは昨年(2009年)放送していたものの再放送なのだった。エンケンは「不毛地帯」が始める直前にこんなのをやっていたのか……
なかなかいい味で、やはり去年唸らされた「深夜食堂」と同様、“間”を見せるドラマなのだが、いささか間をもたせすぎていて、退屈になっているきらいもある。本編の前後(前だけでも)は、もっとコンパクトにしておいたほうが良いのでは。

27時台のドラマだからか、フツーに乳首が映り、昔のテレビみたいでどきどきする(露天風呂でのファックシーンなどもあった)。先週ストリッパー役で出た小室りりかは、ほんとのストリッパーらしい。
エンケンはもちろん、女将さんを演じる伊藤裕子もなかなか良いのだが、このヒトはJJモデル出身で大量のドラマに出演し、監督までしているのに、あまり知らないヒトである(私にとってだけ???)、というフシギな存在である。
第5話では、158cm・83kg・111/96/114の池谷のぶえが、163cm、88/60/87の小室りりかに変身していた。まさか、と思いつつ、どことなくリアリティを感じてしまうのが女のコワサで、それがテレビドラマの肝のような気がする。
その他、椿屋を辞める無表情で無礼な従業員は伊藤正之という状況劇場出身の人がいたり、源さんに夜這ってくる安藤玉恵のオパQのような唇に見おぼえがあると思ったら、「深夜食堂」でストリッパー役をやっていたのを思い出したり。安藤は大胆な濡れ場を演じた「松ヶ根乱射事件」が有名だが、実はあまり好きな映画ではなく、記憶にない。このドラマの濡れ場のほうが凄かったと思う。

回により30分に2話入っていたりする、不思議な構成になっている。
たとえば第4話は、前半がスナックのツケ回収の用心棒をやらされることになる話。来週でいいだろう、と払いをしぶる客に「だめだ。今払うんだ。」と低い声で凄むと、相手は顔色を変えて即座に払ってしまう。源さんすごいオーラねー!と喜ぶママに、俺は過去のことを思い出していただけです…とひとりごちる遠藤憲一。
後半は、一日の終わりに一本と決めているビールに口をつけ、ひそかな幸せを味わっていると、3時半だというのに玄関の戸が開く音がして、窓から覗くと、背を丸め鼻歌を歌いながら川に降りていく番頭(でんでん)の姿を見つける。あとをつけてみると、番頭はわざわざ河原にカセットコンロを持ち込んで、インスタントラーメンをつくっていた。厨房で作っていると中居たちにばかにされるから……というのだが、勧められて鍋から直接、麺をすする遠藤憲一が一言、「うまい……」。題して「男の夜食」。再びシヤワセを感じる源さん、という案配である。

最終回は、所属していた組織にイバショを突き止められ、後任の殺し屋が来るのを返り討ちにするハードボイルドな話。
“ゴルファー”と呼ばれる殺し屋は、おでこが広いのか、サンバイザーがガバガバなのか、ひさしの上にもおでこがあるのだが、その男との死闘のために、遠藤はひそかに椿屋に別れを告げ、池谷のぶえだけに本当のことを話す。
死闘そのものは、かなり動きにムリがあるのだが、ゴルファーはヒラヒラ踊るようにライフルを乱射したりする。このへんはかなり演出に迷ったことだろう。
殺し屋に戻りたくない遠藤はなかなか引き金を引けないが、最後にはゴルファーを撃ち殺し、肩を落として電車に乗ろうとしたところを
池谷のぶえに事情を聞いた伊藤裕子とでんでんが止め、男泣きをした源は椿屋に戻るところでドラマは終わる。

湯けむりスナイパーのキャスト

レギュラー
 椿屋の源:遠藤憲一
 椿屋女将・冴子:伊藤裕子
 仲居・由美:大野未来
 仲居・久美:繭Co.
 芸者・小雪:谷桃子
 山岸トモヨ:池谷のぶえ
 カトリーヌ山岸:小室りりか
 スナック花子・ママ:松田美由紀
 椿屋番頭・捨吉:でんでん
 謎の男・Q:長門裕之
ゲスト
第1話 「新入り中年従業員源さん」「恥のかき捨て場」
 鈴世:池津祥子
 田川:真柴幸平
 老人客:成瀬労野川光雄伊藤幸純
 ベランダの男:依田昇
 ベランダの女:相楽かごめ
 ホステス:ロゼリン・ヨシオケイ・カムアスック ソト・パタリカ
第2話 「人生の先輩」
 露天風呂の客:かなと沙奈、相楽かごめ、花純
第3話 「見えざる決闘」
 指圧師:河原さぶ
 男:野中隆光
 老松:久保田洋子
 枯松:清水妙
第4話 「バイト用心棒」「男の夜食」
 未払いの取立てされる男:原金太郎
 露天風呂の若い女:かなと沙奈、相楽かごめ
 ホステス:ロゼリン・ヨシオ、ケイ・カムア、スックソト・パタリカ
 その他:BJ BOSS多門勝
第5話 「怪談」「カトリーヌ山岸」
 社長:田窪一世
 真紀:大作空
 少女の父親:佐伯新
 少女の母親 :小鳥遊恋
第6話 「駆け落ちカップル」「お忍び旅行」
 仲城健:池田成志
 アベックの男:いけだしん
 アベックの女:佐藤真弓
 仲居:岡村多加江
 先輩芸者:久保田洋子清水妙
 露天風呂の女:@YOU
第7話 「由美のプロフィール」「Q」
 由美の父:諏訪部仁
 由美の母:森田美恵
 仲居:岡村多加江
 トラ:TERU
 ホステス:ロゼリン・ヨシオ、ケイ・カムア、スックソト・パタリカ
 男:志賀廣太郎
 女:星野あかり
第8話 「脅迫」「退職刑事」
 タカ子:安藤聖
 高山:渡辺哲
 高山の妻:和泉今日子
 男:赤堀雅秋
第9話 「源の休日」「月下美人」
 謎の老女:佐々木すみ江
 女:藤崎飛鳥
第10話 「椿屋アーリータイムス」「闇を抱く」
 初枝:安藤玉恵
 伊藤:伊藤正之
 体格のよい仲居:岡村多加江
第11話 「刺客の足音」
 エージェント:志賀廣太郎
 ゴルファー:坂口拓
 虎:TERU

湯けむりスナイパーのスタッフ

原作:ひじかた憂峰、松森正
演出・脚本:大根仁
音楽:CKB-Annex(高橋利光、小野瀬雅生、河合わかば、高宮永徹)
プロデュース:岡部紳二五箇公貴納戸正明赤羽智比呂
製作協力:オフィスクレッシェンド

湯けむりスナイパーを観る

湯けむりスナイパーDVD-BOX(5枚組)

湯けむりスナイパーDVD-BOX(5枚組)

タイトルとURLをコピーしました