2018年1月10日から3月21日まで日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマである。主演は広瀬すずで『学校のカイダン』(2015年)以来3年ぶりの連続ドラマ主演となる。本作は、『Mother』(2010年)、『Woman』(2013年)に続く日本テレビ、坂元裕二オリジナル脚本の3作目として、両ドラマのスタッフが再結集した。題字は『Mother』、『Woman』と同様の手書き風ロゴになっている。
anoneの感想
今季もっとも注目されることになるであろうドラマ。坂元作品は冬に決まっているのか。「話が暗すぎる」と視聴率を取れなかった「この恋を思い出してきっと泣いてしまう」よりもさらに暗い設定。
広瀬すずは鬼のような倍賞美津子が所長を務める更生施設で人格を破壊された19歳で、両親は事故死した弟の後を追って自殺、ネットカフェで暮らしながら特殊清掃員の仕事をしている。唯一の楽しみは見知らぬ少年とのチャットだが、少年は不治の病で死が近い。これに、死に場所を探している阿部サダヲと小林聡美、相変わらず生気のない田中裕子、金に目が眩んで裏切るネットカフェの仲間が絡む。
書き出してみると、笑ってしまうほど挑戦的に暗い。さらに暗い目をした瑛太が満を持してという感じで登場。嘘と贋物、青の対比などによって真実や赤を浮かび上がらせる。
坂元裕二でおなじみの長い手紙がチャットの形で交わされる(これがanoneというタイトルの所以)初回は、偽札の入ったカバンが次から次へと手渡されるスピーディーな展開が面白かった。終盤では広瀬すずの10分の熱演が話題になった。
坂元裕二は本作終了後に連ドラ休業宣言。このクオリティを保つのは難しいのだろう、と思われたが、2年の休止のあと、コロナ禍下にリモートドラマと「スイッチ」を発表した後、21年に「大豆田とわ子と三人の元夫」と映画「花束みたいな恋をした」、22年に「初恋の悪魔」、23年に映画「怪物」と精力的に活動している。
anoneのキャスト
主要人物
辻沢ハリカ – 広瀬すず
青羽るい子 – 小林聡美
持本舵 – 阿部サダヲ
中世古理市 – 瑛太
花房万平 – 火野正平
林田亜乃音 – 田中裕子
その他
林田京介 – 木場勝己
青島玲 – 江口のりこ
紙野彦星 – 清水尋也
花房三太郎 – 和田聰宏
中世古結季 – 鈴木杏
青島陽人 – 守永伊吹
中世古彩月 – 山岸理樹
anoneの人物相関図
anoneのスタッフ
脚本 – 坂元裕二
音楽 – 三宅一徳
撮影 – 中山光一
照明 – 三善章誉
VFXスーパーバイザー – オダイッセイ
サウンドデザイン:石井和之
宣伝デザイン – 長瀬一義
法律監修 – 石井誠一郎
リーガルアドバイザー – 島田直樹、猪本芳子
制作協力 – ザ・ワークス
チーフプロデューサー – 西憲彦
プロデューサー – 次屋尚、白川士(ザ・ワークス)
演出 – 水田伸生
製作著作 – 日本テレビ
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anoneのレビュー・考察
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