E.T.

ドリュー・バリモア(E.T.)
ドリュー・バリモア(E.T.)

1982年のアメリカのSF映画。原題は「E.T. The Extra-Terrestrial」。製作・監督はスティーヴン・スピルバーグ、脚本はメリッサ・マシスンが務め、ディー・ウォレス、ヘンリー・トーマス、ピーター・コヨーテ、ロバート・マクノートン、ドリュー・バリモアなどが出演した。地球に取り残された地球外生命体(E.T.)と少年エリオットとの交流を描いた物語。
スピルバーグが両親の離婚後に作った空想上の友人がコンセプト。1980年、スピルバーグは失敗したプロジェクト『Night Skies』から新たなストーリーをマシスンと展開。1981年9~12月にかけ、1,050万ドルの予算で、若いキャストが感情を込めた演技をしやすいように順撮りで撮影した。E.T.のアニマトロニクスは、カルロ・ランバルディがデザインした。
公開後にはアメリカ国内でおよそ3億ドルという当時の映画史上最大の興行収入を記録。『スター・ウォーズ』(1977年)を抜き、世界歴代興行収入1位の記録を更新した。批評家からも高く評価され、史上最高の映画の一つとされており、第55回アカデミー賞では、作曲賞、視覚効果賞、音響賞、音響編集賞の4部門を受賞。1985年に再公開され、2002年には公開20周年を記念して、ショットや視覚効果、シーンの追加などが行われた。1994年には「文化的、歴史的、美学的に重要な作品」として、米国議会図書館のアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。

E.T.のあらすじ

アメリカのとある杉の森に、地球の植物サンプル採集を目的に宇宙船が着陸したが、それを察知した政府機関が近づいてきたため、宇宙船は離陸。1人が地上にとり残された。
その頃、住宅街の家では少年達がテーブルトークRPGに興じていた。10歳のエリオットは混ぜてもらえず、物置小屋で音がしたと皆を呼ぶが、中には誰もおらず、相手にしてもらえなかった。しかしその夜遅く、エリオットは隣の畑で宇宙人を目撃する。
宇宙人をキャンディで釣ってクローゼットに隠したエリオットは、翌日、仮病で学校を休んでコミュニケーションを試みる。兄マイケルと妹ガーティに宇宙人を紹介すると、宇宙人は念力でボールを宙に浮上させ、太陽系を遠く離れた星からやって来たことを説明した。
交流を続けるうち、エリオットとE.T.は感覚を共有するようになり、留守宅のE.T.が冷蔵庫のビールを飲むと、学校で授業中のエリオットも酔っぱらったり、E.T.がテレビで映画を見てキスシーンに見とれると、学校でもエリオットが女の子にキスをした。英語を覚えたE.T.は新聞のSFコミックを観て、家に電話したいと言い出し、ガラクタを使って通信機を作り上げる。
ハロウィーンの日、エリオットとマイケルはE.T.に白い布をかぶせてガーティに見せかけ、メアリーの目を欺いて外出。郊外の森に連れ出す。E.T.はエリオットと自転車ごと浮遊して森に到着し。通信機で故郷の星に連絡をとる。しかし道に迷って川に落ち、翌朝瀕死の状態に。マイケルが家に運ぶが、エリオットも体調を崩してしまった。
突然、宇宙服を着た科学者達が家に押しかけてきて、家の中に仮設研究所を作り、エリオットとE.T.の治療を始める。エリオットは回復したたが、E.T.は死亡したと判断され冷凍コンテナに納められる。しかしエリオットが語りかけると突然蘇生し、迎えが来ると言った。マイケルはE.T.を乗せたバンに乗り込み逃走。自転車に乗り換え、マイケルとガーティ、マイケルの友人であるグレッグ、スティーブ、タイラーの協力を得て郊外の森へ急ぐ。警察や大人達に追い詰められる寸前、E.T.は念力で自転車ごと子供達を浮遊させ、ついに森の中へと辿り着いた。やがて宇宙船が現れ、E.T.は最後の別れをして乗り込んだ。離陸した宇宙船が見えなくなった後、空に美しい虹がかかった。

E.T.の感想

愛らしいガーティーを演じたのは7歳のドリュー・バリモアで、本作で天才子役と言われ、翌年の「炎の少女チャーリー」では主役に抜擢された。

クライマックスのBMXとのカーチェイスから自転車の浮遊、宇宙船の到着、別れのラストカット、そしてエンドクレジットまでを一気に見せてしまうジョン・ウイリアムスのスコアは本当に素晴らしく、この伴奏なしに本作は語れないと思わせる。しかし、ウィリアムスはなぜかクライマックスの映像に演奏を合わせることができず、しかたなくスピルバーグのほうで、編集を演奏に合わせたという。

E.T.のキャスト

エリオット – ヘンリー・トーマス
メアリー – ディー・ウォレス
マイケル – ロバート・マクノートン
ガーティ – ドリュー・バリモア
鍵の男 – ピーター・コヨーテ
グレッグ – K・C・マーテル
スティーブ – ショーン・フライ
タイラー – トム・ハウエル
プリティ・ガール – エリカ・エレニアック
E.T.の声 – パット・ウェルシュ

E.T.のスタッフ

監督 – スティーヴン・スピルバーグ
脚本 – リッサ・マシスン
製作 – スティーヴン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ

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