タイムカット

マディソン・ベイリー(タイムカット)
マディソン・ベイリー(タイムカット)

2024年10月30日にNetflixで配信されたアメリカのSFスラッシャー映画。監督はハンナ・マクファーソンで、マイケル・ケネディとの共同脚本。主演はマディソン・ベイリー、アントニア・ジェントリー、グリフィン・グラック。

タイムカットのあらすじ

2024年から2003年にタイムスリップしてしまった女子高生は、仮面をつけた殺人鬼に殺される前の元気な姿の姉と出会う。果たして彼女は、未来を壊すことなく過去を変えることができるのか?

パラドックスなしのノーテンキ・ティーンズムービー(タイムカットの感想)

ヒロインの マディソン・ベイリーは「 アウターバンクス」という人気ティーンズドラマで有名な人で、本作は「 BACK TO THE FUTURE meets SCREEM」と銘打たれている。

マディソンは、NASAのインターンシップに合格するほど学業優秀な女子高生で、死んだ姉の身代わりとして両親に育てられたことに不満を持っていた。姉サマーは仮面のシリアルキラーに殺されたのだが、マディソンはサマーの命日にタイムマシンを発見、彼女が死んだ2003年にタイムスリップしてしまう。

彼女は姉の通っていた(そして21年後に自分も通っている)ハイスクールを訪れるのだが、そこで2003年のファッションや音楽に出会い衝撃を受けるくだりがある。日本で言えば平成15年の世界に迷い込むといったところか。小泉政権下で郵政が民営化し、銀行が合併を繰り返し、イラクで戦争が始まり、六本木ヒルズがオープンし、早稲田のサークル「スーパーフリー」が検挙され、住基ネットが稼働を始め、Jファンがボーダフォンになり、地デジ放送が開始された年だ。正直、たいして「昔」とも感じられないが、2024年の女子高生にとっては大カルチャーショックなのであろう。何しろスマホもSNSもないのだ。

姉の友達で物理の天才のクインの助けで、タイムマシンの機構を調べたマディソンは、2024年に帰るためには、自分(と姉)の父親が勤める地元企業ソナーにある反物質燃料が必要らしいことを知る。マディソンは姉の死を食い止めたいが、もしそれに成功したら、身代わりとして生まれてきた自分は消滅してしまうかもしれないた悩むことに。殺害日当日、ソナーの研究室から反物質燃料を盗み出したマディソンとクインはサマーの殺害を食い止めた。仮面のシリアルキラーの正体はなんとクインだった。彼はサマーに振られて逆恨みし、タイムマシンを開発してから2003年に戻ってサマーに復讐していたのだった。

…ということで、あとはハッピーエンドになるのだが、かいつまんでも、かように説明が長くなるのは、やはりプロットが練り込まれていないからだろう。たとえば殺人鬼のクインはどこから来たのか判然としない。

なお、この話のタイムトラベルは過去と未来が分断されており(世界線が分岐するということ)、親殺しのパラドックスは生じない仕組みになっている。したがって、サマーが死ななくてもマディソンは消えないので、彼女は2003年にとどまって、この時代でNASAのインターンシップ試験を受ける。

悪い方のクインはサマーの友達などを何人も殺していていたり、2024年の二人の両親は娘を二人とも失ったりしていることになるのだが、どうもそのへんは問題にならない、ノーテンキな映画なのだった。

タイムカットのキャスト

マディソン・ベイリー
アントニア・ジェントリー
マイケル・シャンクス
グリフィン・グラック
レイチェル・クロフォード
ジョーダン・ペトル
ミーガン・ベスト
サミュエル・ブラウン
シドニー・サビストン
カティーム・オコナー

タイムカットのスタッフ

監督 – ハンナ・マクファーソン
製作 – マット・カプランクリストファー・ランドン
公開 – 2024年

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