ドラマ2010年代のドラマ2017年のドラマ

東京タラレバ娘

3.5
吉高由里子(東京タラレバ娘)©NTV ドラマ
吉高由里子(東京タラレバ娘)©NTV
東村アキコの漫画(講談社Kiss連載2014年5月号~2017年6月号)を原作として、2017年1月18日~3月22日の毎週水曜22時-23時に日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で放映。2013年9月、オリンピック2020の開催地が東京に決まった際に、東村のアラサー・アラフォーの独身の友人たちが「一人で(または親と)東京オリンピックを見るなんて嫌だ」と言い出したのが元ネタ。

東京タラレバ娘の見どころ

現代社会の「30代未婚女性の葛藤」と“タラレバ思考”現象を描き出した、一種の社会分析ドラマである。

まず、作品タイトルの由来である「たられば」(例:〜だったら、〜すれば)は、過去と未来の“仮想”に囚われる思考パターンを指す。
社会学的に言うと「欠乏思考」の一形態であり、足りない部分ばかりに目が行き、それが満たされない限り行動に踏み出せない状態を表す。
ドラマでは、倫子・香・小雪の語りが常に「もし〇〇だったら…」と続き、まさしく「タラレバ現象」が可視化されている。

3人は定宿である居酒屋を“語り場”として集い、自分たちの人生に振り返り、支え合っている。この居酒屋は家庭と職場を離れた居心地のよい“第三の居場所”であり、そこで得た心の安定と人間関係は、彼女たちの行動力を支える温床となっている。

心理学者マズローの階層理論を通じて見ると、上記宇の通り、彼女たちは「欠乏欲求」(つまり“結婚したい”“キャリア欲しい”)に縛られているのだが、最終回で倫子が「から」という言葉で“過去への感謝”を語る瞬間は、初めて“成長欲求=自己実現”に飛び立つ瞬間と解釈することができ、ここにいたって、学びの成長ストーリーが完成する。

ドラマは「30歳過ぎの女性=市場価値ゼロ」ではなく、結婚を必需品ではなく“選択としての贅沢品”と捉える戦後以降の女性像に正面から向き合っている。
この視点は、現代に生きる女性たちの価値観の変化を表すと同時に、社会的役割に対する新たな問いをハッスルものである。

男性キャラについても見てみよう。
モデルのKEYは「タラレバ女子」に対し「それが現実じゃないなら行動しろ」と冷静に突き放す。その言葉は社会的に「他者との取引=パートナーシップ」としての結婚や恋愛を象徴し、依存ではなく、対等で相互支援的な関係構築を示唆している。

『東京タラレバ娘』は、ただの恋愛コメディではなく、

  • 「タラレバ思考」の社会現象を描き出し、
  • 女性の第三空間としての居酒屋を通じて自分語りと承認の場を描き、
  • 自己実現=“から”思考への転換を通じて成熟を表現し、
  • 結婚を“選ぶ贅沢品”と捉える価値観と、
  • パートナーシップのあり方への示唆を語る社会学的構造作品、

つまり欠乏から成長へ――現代女性のメタ認知ドラマであると言える。

東京タラレバ娘

原作レイプとまで指弾されている大島優子に可能性を感じる(東京タラレバ娘の感想)

なぜ逃げ恥と比べられるのかと思ったら、原作がどちらも「KISS」誌なのね。そんなことも知らないので、これはこれでいいじゃないの、と思いながら最初の20分ぐらいは楽しめたが、中盤からだんだん飽きてきた。

逃げ恥の成功要因のひとつは新垣結衣を知り尽くした野木亜紀子が脚本を書いていることである。本作を書いているのは知らない人だが、オヤジ転がしと揶揄される吉高由里子はガッキーとはまるでタイプが違う。むしろ原作レイプとまで指弾されている大島優子のほうが、見ていて可能性を感じさせるのである。

あらすじ

あの時彼がもう少しセンスが良かったらプロポーズを受けていたのに(倫子談)。バンドマンの彼がもう少し芽が出る可能性があったら(香談)。こうしていたら…、ああすれば…、高い理想を掲げて根拠もなく仮定の話を積み上げているうちに、気が付けば独身のまま33歳になっていた。
脚本家の鎌田倫子は、恋も仕事も上手くいかず、高校時代からの親友である香、小雪と焦りながらも「女子会」を繰り返す日々を送っていた。そんな話ばかりしていると、突然、金髪の美青年に「このタラレバ女!」と言い放たれてしまう。
いつのまにか金髪の美青年はいつもの飲み屋「呑んべえ」の常連となり、倫子たちと何かしら関わってくる。

東京タラレバ娘2020

わかっていても驚く三人の身長差(東京タラレバ娘2020の感想)

吉高由里子(東京タラレバ娘2020)©NTV

2019年10月放映の単発スペシャルを4ヶ月遅れで視聴。
元々が東京オリンピック開催決定を受けて始まったのに、本作は7年後で開催延期になっているにもかかわらずコロナの影も形もない世界。

このドラマを見るたびに驚くのは、榮倉奈々大島優子の身長差である(18cm)。頭ひとつ以上違うのだが、成人男性ならありそうにない身長差でも成立する女子会の不思議。
吉高由里子のぽちゃぽちゃした白無垢姿が赤ちゃんみたいで可愛かった。

東京タラレバ娘を観るには?

東京タラレバ娘はこんな人におすすめ

  • 「タラレバ現象」的思考を持つ人に
  • 30代の未婚・恋愛・キャリアに悩む女性に
  • 社会構造と個人の成長を絡めて学びたい人に
  • 単なるラブコメではなく“行動の意味”を考えたい人へ

東京タラレバ娘のキャスト

タラレバ女
 鎌田倫子 – 吉高由里子
 山川香 – 榮倉奈々
 鳥居小雪 – 大島優子

その他
 KEY – 坂口健太郎
 早坂哲朗 – 鈴木亮平
 鮫島涼 – 平岡祐太
 芝田マミ – 石川恋
 鳥居安男 – 金田明夫
 丸井良男 – 田中圭
 タラ – 加藤諒
 レバ – あ〜ちゃん

東京タラレバ娘のスタッフ

原作 – 東村アキコ
脚本 – 松田裕子
音楽 – 菅野祐悟
主題歌 – Perfume「TOKYO GIRL」(ユニバーサルJ / Perfume Records)
チーフプロデューサー – 伊藤響
プロデューサー – 加藤正俊鈴間広枝鈴木香織(AXON)
演出 – 南雲聖一鈴木勇馬小室直子

東京タラレバ娘の原作(東村アキコ)


「タラレバばかり言ってたら こんな歳になってしまった」そんなにイケていないはずじゃないのに気づいたらアラサ―になっていた倫子。6年後の東京オリンピックまでには結婚したいと思うけど…。東村アキコの女子に対する鋭い視点と笑いがさく裂する最新作!!

東村アキコインタビュー

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