『汚れた舌』ってどんなドラマ?
欲しいのは、あなたのすべて——。
花に囲まれた優雅な生活の陰で燃えさかる、愛憎と不倫の泥沼愛憎サスペンス!
『週末婚』や『昔の男』など数々のドロドロ系愛憎ドラマを生み出した人気脚本家・内館牧子の原作・脚本による話題作。
華やかなフラワーアレンジメント業界を舞台に、一人の男を巡る妻と愛人の熾烈な奪い合い、そして嫉妬、欺瞞、復讐が複雑に絡み合う愛憎劇。
あらすじ
東京・白金で花屋を営む江田千夏(飯島直子)と、祖父の代から続く花屋を全国規模の店に発展させた39歳の涼野耕平(加藤浩次)の恋愛を軸に、2人を取り巻く生き方や葛藤を描く。
キャスト
江田 千夏 – 飯島直子
江田 典子 – 松原智恵子
涼野家
涼野 杏梨 – 牧瀬里穂
涼野 耕平 – 加藤浩次
涼野 弘子 – 森口瑤子
涼野 光哉 – 田中圭
その他
白川 隆一郎 – 藤竜也
吉田桂子 ‐ 内藤陽子
朝比奈ゆか ‐ 網浜直子
大川広次 ‐ 堀部圭亮
見どころ
欲望・復讐・愛憎が複雑に絡み合う濃厚なドロドロ愛憎劇で、平成以降のゴールデンタイム民放ドラマでは異例の「昼ドラ級の背徳感」を夜に持ち込んだ挑戦的作品。
- 内館牧子節が炸裂!容赦のない「修羅場」と「名台詞」
何と言っても内館牧子氏による人間のエゴや嫉妬、醜さをこれでもかと剥き出しにする脚本がスゴイ。ヒロイン・千弘(飯島直子)と、その不倫相手である既婚者の麻生(藤竜也)、さらに麻生の妻や千弘に思いを寄せる年下の男(田中圭)などが絡み合い、息つく暇もない愛憎劇が展開。タイトルの「汚れた舌」の通り、すさまじいセリフが飛び交う会話劇は圧巻。ただの恋愛ドラマにとどまらない、人間の業の深さを描いている。 - キャスト陣の「狂気」と「ハマり役」の妙
実力派キャストたちが演じる、一癖も二癖もあるキャラクターたちの怪演が見もの。
飯島直子は独立して花屋を営む主人公・千弘。大人の色気と、不倫の恋に苦悩しつつも引きずられていく脆さを見事に体現。藤竜也は圧倒的な渋さと包容力を持つ年上の不倫相手。ずるさと大人の魅力を併せ持つキャラクターで視聴者を翻弄。
加藤浩次は千弘の幼馴染役。よく知られるバラエティでの姿とは一線を画す、シリアスで複雑な感情を抱えた演技が光る。
田中圭は当時まだブレイク前夜の若手時代。純粋ゆえに狂気を孕んでいく年下の男を熱演し、強い印象を残す。 - 「花」という美しいモチーフとドロドロした展開の対比
ヒロインの職業がフラワーデザイナーであることから、劇中には美しく鮮やかな花々が頻繁に登場。画面に映し出される視覚的な美しさと、そこで繰り広げられる人間たちの「醜く汚れた」感情のコントラストがえぐい。綺麗な花が一瞬で踏みにじられるような精神的サスペンス要素が、物語の緊張感をいや増している。
近年のコンプライアンス重視のドラマではなかなかお目にかかれない、「人間のドロドロした本質」をフルスロットルで描いた快作。観る者をエネルギーで圧倒する、深夜ドラマ顔負けの濃密なエンターテインメント作品と言える。
感想
BSで再放送していて、内館牧子の「ドロドロ4部作」なるものの一つらしいのだが、それより、子供が泣きそうなオープニングとテンションの高い演出に驚く。
ヒロイン飯島直子にひと目惚れする若社長・加藤浩次には牧瀬里穂という妻がいるのだが、同い年の義母森口瑤子は牧瀬に激しいコンプレックスを抱いていて、聞こえよがしに唇を歪めて罵る日々。

一方、飯島の母親松原智恵子は夫を自殺に追い込んだ藤竜也を呪って、「あいつを見つけたら殺せ!」と娘(飯島)に命じるのだが、じつは飯島は松原に隠れて藤の住む金沢に隔週で通う愛人で…というのが初回で紹介される人間関係。最後までこの配置は変わらず、ひたすらもつれて進むらしい。
松原智恵子は映画が娯楽の王様だった時代にデビューし、10年で100本以上の映画に出たのだったが、後年のおっとりした役とはかけ離れたエキセントリックな女優だったことを思い起こさせる。
加藤浩次(まだ贅肉が少ない)が唯一の準主役を演じるドラマで、飯島直子と牧瀬里穂はあまりドラマに出ることもなくなり、今でもよく見るのは森口瑤子ぐらいである。出世頭は森口の息子役の田中圭だろう(当時からファンがついていた)。

森口瑤子(汚れた舌)
汚れた舌 巷の感想
- 汚れた舌2005(20歳)地獄絵図に癒しのみっちゃん可愛い〜田中圭さんについてのひとことレビュー〜涼野光哉 役(愛を叫ぶ(田中圭マニア))
- 軸を持って生きる(レビューン)
- 汚れた舌・感想(雑記帳2)
汚れた舌を観るには?
【ネタバレ】汚れた舌は結局どうなったのか?
最終回(第11話「いとおしい舌」)は、これまでのドロドロとした愛憎劇から一転し、主要人物たちがそれぞれのエゴや依存から脱却し、自立していく爽やかな(かつ内館節らしい執着の残る)結末を迎えた。
江田千夏(飯島直子)の結末:すべてを捨てて「一人」で生きる道へ
自殺未遂を経て一度は耕平(加藤浩次)とやり直そうとした千夏だが、最終的には誰とも結婚せず、自立する道を選ぶ。
- 耕平の前から姿を消し、中古の軽トラックで花の移動販売を一から始める。
- 愛憎の対象だった陶芸家・白川(藤竜也)のもとへも別れを告げに行き、キスをねだるものの「もっと力強くなってから来い」と拒絶される。しかし千夏の中には再び「生きることへの旺盛な執着心」が戻っていた。
涼野耕平(加藤浩次)の結末:一から出直す男のプライド
千夏を愛し、すべてを包み込もうとした耕平ですが、最終的には千夏の意思を受け入れて別れる。
- 社長としての地位やこれまでの生活をリセットし、かつて千夏が経営していた白金の花屋の店舗を引き継ぎ、一から泥臭く花屋のビジネスを再スタートさせる
涼野杏梨(牧瀬里穂)&秦弘子(森口瑤子)の結末:女同士の奇妙な共闘と自立
作中で最も激しい対立を見せていた二人の女性が、最後には意外な決着を見せる。
- 耕平の妻として狂気的な行動を繰り返していた杏梨は、最終的に激しい暴走をやめ、娘の亜子と共に生きる「自立」を宣言。
- 杏梨を追い詰め、お金と復讐のために動いていた弘子だが、最後には杏梨を許す。この強力な二人の女性が最終的にタッグを組んだことが最大のショックをもたらした。
涼野光哉(田中圭)の結末:兄へのリスペクトと新たな成長
- 耕平の異母弟である光哉は、地位を捨てて泥臭く花屋を始めた兄・耕平の姿を「純粋で格好いい」と称賛。確執のあった白川とも突然疑似親子のようなリスペクト関係を築くなど、精神的な成長を見せた。
ラストシーン
物語のラストは、活気あふれる花の仕入れ市場。それぞれの場所で花に関わる仕事を再開した千夏と耕平が、市場で偶然再会。お互いに前を向いて生きていることを確認し合うような、ほのかな希望を感じさせる終わり方。


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