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霧に棲む悪魔

京野ことみ(霧に棲む悪魔) ドラマ
京野ことみ(霧に棲む悪魔)

このドラマでは戸次重幸が悪者(悪魔)かどうかということが、第2週からずっと曖昧になっているのだが、田島とぐるだったということは、いよいよ戸次が悪魔だったと受け取っていいのだろうか。

大沢樹生の弁護士が、私に考えがありますと言ったのは、京野ことみを早く帰らせるための策略だったと思われる。京野ことみは、白い女が会いたいと電話をかけてきたために1泊しただけで帰ってしまった。広岡由里子の話では、電話をかけてきた白い女は“本人だと名乗った”そうだから、大沢は白い女を意のままに操れるということになる。ここにも何か仕掛けがありそうである。大沢は中田喜子の愛人なので、白い女を操っているのは中田なのかもしれない。

また、榎木孝明の伯父の動きも謎である。榎木は新婚家庭に盗撮カメラを設置し、さらにすり替えたポプリを寝室に置かせることに成功した。ポプリを寝室に置くものと京野ことみから聞いてほくそ笑んでいたので、龍村家の跡取りを欲しい榎木は媚薬をポプリに吸わせておくのかと思ったが、ポプリに仕込まれたのはただの盗聴器だった。せっかくの盗聴器だが、夫婦の閨房は初夜以来、沈黙を守ったままのように見える。

せっかく面白くなってきたのに、今週の最後に入山法子は姜暢雄に再会してしまった。姜暢雄が展開をぶち壊しにしないよう祈るばかりである。

あと、このドラマの公式サイトは、あらすじが小説になっている。おかげで、要約して上に載せるのに、レビュー本体を書くよりも時間がかかるwww

第5週|誰と誰が味方で敵?

物語は急速にクライマックスに近づいており、戸次重幸はついに善人のヴェールを脱いだようだ。 しかし大沢樹生とも中田喜子とも独立して動いているようなので、その意図が那辺にあるのか今ひとつわからない。 誰と誰が敵だったり味方だったりするのか、まだあやふやなのである。 たとえば龍村ファーム製チーズに異物を混入したのは、大沢の仕業であるらしいのだが、戸次はそのことに勘づきながらも黙っていたという。 だとすると、大沢は何のためにそんなことをしたのか。おそらく、そこには大沢の愛人である中田喜子の指示があったはずである。 その中田喜子の企みはまだわからない。入山法子に作らせた遺言書にどんな仕掛けがあるのか。 遺言書は鶴田忍の助手である石井智也に預けられたが、石井は「猫の手も借りたいほど忙しくて、にゃんともにゃらず」などと言ってるばかりで、弁護士事務所で働きながら、公証人役場に足を運ぼうともしない無能な男だ。

遺言書は、そもそも榎木孝明が鶴田忍に吹き込んで作らせることになった経緯がある。
今週後半、榎木は京野ことみを救うためにサーベルを振りかざして大立ち回りを見せたが、その直前に、気を失った京野に向かって、「我が妻よ、我が子を生せ…龍村の血を引く我が子をな…」などとつぶやいていたところを見ると、意識のない京野を陵辱しようとしていたようにも思える。口移しで飲ませていた薬で京野が解毒された様子もなかったので、あれは媚薬だったのだろう。
そうしてみると、榎木もやはり味方とはとても思えないのである。榎木が「白狐」と呼ぶ中田喜子とつるんでおり、龍村家の財産をめぐって、戸次重幸と争っている、という構図のようにも見える。
大沢樹生は中田と戸次双方の手先であるが、京野ことみを自分のものにしたいと考えているようで、その分、独自の意思で動いているようにも見える。
手先といえば、油断して、京野ことみに麻酔注射を腿に打たれたにもかかわらず、モンスターのような体力で龍村邸を駆けまわっていた田島ゆみかも、誰かの指示というよりも、独立した意思で京野ことみを虐めているようである。
京野は定期預金の一千万をやるから携帯電話を貸してくれと田島に頼むが、田島は鼻をならしてそれを断る。
京野が昏倒したあとにその定期預金を奪うのかと思ったが、そうでもないようなので、田島はよほど根深く龍村姉妹を憎んでいるようである。

さて、白い女のほうの入山法子によれば、戸次重幸には致命的な秘密があるという。
白い女が現れたことを大沢樹生から報告されたときの戸次の苛立ちぶりは、じつに激しいものであったことを考えると、戸次が何よりもおそれているのが、入山法子同士が顔を合わせてしまうことだとわかる。
「言葉や理屈の通じない相手ほど始末に困るものはない。とくに女という生き物は、理性よりも本能で動きたがるからね。損得なんて考えちゃいない。まったく、霧子といい、晴香といい、苦々しい女どもだ!」
と戸次は大沢樹生に向かって話していた。
田島ゆみかは悪事を知られて体を要求されるのではないかと警戒していたが、戸次はそんなものに目もくれない様子だった。この男は女全般に憎悪を抱いている存在である可能性がある。

まだ謎はたくさん残っている。
悪魔を退治る弓として、姜暢雄の登場がひたすら遅らされているが、姜がその大詰めの舞台に見合った活躍を見せてくれるとはどうしても思えない。
このまま船に乗って登場しないでほしいと期待している。

第6週|時代錯誤の一大ロマン

google先生で「霧に棲む悪魔」を検索すると、2番目に表示されるWikipediaの項目の関連項目に「レツゴー三匹」がある。
何かと思ったが、荻野克次を演じる逢坂じゅんとは、なんと、あのレツゴー三匹のじゅんちゃんなのだった。

「じゅんで~~す!」「長作で~~す!」と順に名乗り、最後に正児が似ていない物真似で「三波春夫でございます」と仰々しく自己紹介した所を、じゅんと長作の両方から頬をドツかれ、その結果正児のメガネがズレる、というツカミのネタが有名すぎて、。
このツカミが有名過ぎる為、じゅんと長作の名前は思い出せても、正児の名前が思い出せない(「三波春夫」と言ってしまう)、といった事が少なくない。

【wikipedia「レツゴー三匹】

誰かに似ているとずっと思っていたのだが、なつかしい限りである。

さて、じゅんちゃんは、霧子と龍村家の関係について何かを知っているようだ。
圭以に化けた霧子に睡眠薬入りのミルクを飲ませ、戸次重幸に引渡してしまうのだが、戸次の正体に薄々気づきながらも言いなりになる姿勢に、娘の広岡由里子は不審を感じる。戸次はじゅんちゃんの肩をポンと叩いて、「悪いようにはしないから」と言うのだが、保身だけでやっているのではない様子である。

先週あたりから急速に盛り上がり、京野ことみ入山法子も二人とも毒を盛られて動けなくなったり、その間にも戸次を狂わせる謎の呪文「ゴシュは死んだ」という言葉が登場したり、物語がめまぐるしく進展したので、もしやこの勢いで今週が最終回なのではと危惧したが、「霧に棲む悪魔」は、まだまだ続くようである。
Wikipediaには全60回予定とあるから、ちょうど今週で半分であり、物語はようやく折り返し地点に達したにすぎない。これから、いよいよ、龍村ファームの龍の伝説をめぐって、悪魔の仮面をかなぐり捨てた戸次と中田喜子、榎木孝明らの三つ巴の死闘が始まる。こういった時代錯誤の大ロマンを愉しめるのはうれしいかぎりである。
昼メロというのはまったく理想的な、恵まれた環境を作り手に提供しているのだなー。

しかしながら、物語の後半にはもはや龍村圭以は登場しないことになる。死んだのは圭以ではなく、霧子なのではないかと私は疑っていた。二人は直前に服を交換しており、それぞれ別な形で戸次の手に落ちるのだが、その時点では入れ替わりをたしかに戸次と影山に察知されていたものの、中田喜子が手引きをしたのではないかと考えたのである。
しかし、金曜日に再び監禁されていた白い女は「お嬢様…」とつぶやいていた。
そもそも、400億の資産家が急死したというのに、警察は遺体の足首に注射痕があることに気づかなかったのだろうか。心不全とは死因不明の謂である。

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