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恋は闇

岸井ゆきの(恋は闇) ドラマ
岸井ゆきの(恋は闇)
2025年4月16日から日本テレビ系「水曜ドラマ」枠にて放送。主演は志尊淳と岸井ゆきの。

事件と恋がシンクロするサスペンス(恋は闇の感想)

10年前に北川景子が演じていたようなヒロインを岸井ゆきのが演じる(33歳なのに童顔だから高校生役もそのまま演じている)。高校以来の友人役を雰囲気が似ている森田望智が演じており、この二人を同じフレームで見るのは奇妙な感じがした。

連続猟奇殺人を縦軸に、恋愛要素を並行させ、事件の真相解明と岸井と志尊の関係の進展が同時進行するサスペンスである。

また事件捜査パートのメインが警察ではなく報道側の主人公二人をメインにしているのが目新しく、かつ岸井は情報番組の担当で、報道とは違うと説明される微妙さも面白い。このあたりから、報道の手法やメディアの姿勢という「報道倫理」のテーマを導いている。被害者遺族への取材や情報の扱い方についての葛藤が、現実のメディア報道への問題提起となっている。

志尊淳という人はなぜかやたらとハードルを上げてきて偉いと思うのだが、今回はどこまでいくか。

サスペンス枠としては今季の注目作になりそうな気がする。

恋は闇 見どころ

  1. 岸井ゆきのと志尊淳の対照的な魅力
    岸井ゆきの演じる真面目で正義感の強いディレクター・筒井万琴と、志尊淳演じる謎めいたフリーライター・設楽浩暉の化学反応が最大の魅力。報道に対する異なるスタンスを持ちながら、事件を通して惹かれ合っていく二人の関係性の変化、そしてその運命の出会いがもたらす「闇」が見どころ。
  2. 「ホルスの目殺人事件」の謎とサスペンス
    連続殺人事件に「ホルスの目殺人事件」という象徴的な名が付けられている点が、物語の大きなフック。犯人は誰なのか、その目的は何なのか、そして「ホルスの目」に隠された意味とは何か。謎が謎を呼ぶサスペンスが期待を高める。
  3. メディアの光と影、倫理への問いかけ
    情報番組のディレクターと週刊誌のフリーライターという異なる立場の二人が事件を追うことで、メディアによる報道姿勢の違いやスクープの是非、真実を伝えることの難しさや倫理が描かれる。どこまでが「報道」で、どこからが「暴走」なのか、といった問いかけもある。
  4. 豪華かつ実力派の共演者たち
    警視庁(白洲迅、浜野謙太、猫背椿)、情報番組のスタッフ(西田尚美、田中哲司、児嶋一哉ら)、そして謎の男(萩原聖人)など、非常に豪華で個性的な実力派俳優陣が多数出演し、物語に奥行きと緊張感を与える。各キャラクターの思惑や背景が、事件の真相にどう絡んでくるのかも注目。
  5. 予測不能な人間ドラマと心の闇
    殺人事件という極限の状況下で、登場人物たちがどのような心理状態に陥り、何を選択していくのかが深く掘り下げられた。恋愛、仕事、そして「闇」というテーマが複雑に絡み合っていた。

恋は闇 巷の考察

さて、巷でどんな考察が行われているか、いくつか紹介しておく。

  • 靴が犯行現場の足跡と一致しており、ドライブレコーダーのデータが消去されていた。志尊淳は連続殺人事件「ホルスの目殺人事件」の犯人なのか?
  • 被害者の名前に漢数字が含まれており、犯行日はゾロ目の日(1月1日、2月2日など)。特定のパターンに従った犯行の意味は?
  • 岸井ゆきのの行動や反応に矛盾がある。二重人格なのでは?

そして最終回を観て

最終回を見終えたところで、あらためて小室直子演出の功罪について考えた。ミスリードが甚だしく、その結果いつもの考察合戦(森田望智が怪しい)が繰り広げられていたらしい。あな番フィーバーの再現を狙っていたのである。

ドラマ的には志尊淳が犯人であるわけがないのに、最終回までそれを引っ張ったのはいいが、連続猟奇殺人の一部(血を抜くこと)を引き受けていたというオチは、やはり中途半端だと思う。血液製剤以外では輸血はできないから無意味、という言い訳もしていたりして、結局視聴者を惑わせるためだけに話をややこしくしていたことが判明したのは興醒めであった。そもそもそんな分業ってアリなの?と思わざるを得ない。

薄暗いスーパーの倉庫を舞台に、真犯人と主役二人の三人芝居が大半を占める最終回の構成自体には好感が持てただけに、残念である。

恋は闇のあらすじ

 

都内で凄惨な連続殺人事件が発生する中、情報番組のディレクター・筒井万琴(岸井ゆきの)は、その取材現場で、不思議な男と出会う。彼の名は、設楽浩暉(志尊淳)。週刊誌のフリーライターで、この連続殺人に「ホルスの目殺人事件」と名付けた名物記者だ。報道スタンスが全く違う2人だが、共に取材するうち、徐々に惹かれあっていき…。しかし、この運命の出会いは疑惑と葛藤が渦巻く“闇”の入口だった―。

恋は闇を観るには?

恋は闇 キャスト

■主要人物
設楽浩暉(フリーライター) – 志尊淳
筒井万琴(情報番組ディレクター) – 岸井ゆきの
■警視庁
小峰正聖(刑事) – 白洲迅
松岡慧(鑑識課員) – 浜野謙太
大和田夏代(刑事) – 猫背椿
■モーニングフラッシュ
木下晴道(新人ディレクター) – 小林虎之介
進藤荒太(放送作家) – 竹森千人
児嶋一哉(番組MC) – 児嶋一哉
田中彩音(したら ひろき) – 蒼井陽奈
武藤穂乃果(したら ひろき) – 宮坂千秋
黒田みゆ
臼井啓二(カメラマン) – おかやまはじめ
蔵前沙樹(プロデューサー) – 西田尚美
野田昇太郎(総合演出) – 田中哲司
■週刊新流
尾高多江子(編集長) – 山本未來[4]
■その他
内海向葵(看護師) – 森田望智
夏八木唯月(フードデリバリー配達員) – 望月歩
三橋拓実(報道局社会部記者) – 名村辰
謎の男 – 萩原聖人

恋は闇 スタッフ

脚本 – 渡邉真子
音楽 – 末廣健一郎
主題歌 – WurtS「BEAT」(EMI Records / W’s Project)
演出 – 小室直子鈴木勇馬
プロデューサー – 鈴間広枝、能勢荘志、松山雅則
チーフプロデューサー – 道坂忠久
制作協力 – トータルメディアコミュニケーション
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