1951年のアメリカ合衆国のSF映画。原題は「The Day the Earth Stood Still」。監督はロバート・ワイズ、出演はマイケル・レニーとパトリシア・ニールなど。1971年1月30日にNETテレビ『土曜映画劇場』でTV放送された際の日本語タイトルは「SF地球最後の日」だった。2008年、キアヌ・リーブス主演でリメイク作品『地球が静止する日』が制作された。
地球の静止する日のあらすじ
アメリカの首都ワシントンD.C.に銀色の円盤が着陸し、人間の姿で奇妙な服を着てクラトゥと名乗る男が現れ、自分は宇宙人で、地球人には危害を加えないと語るが、警備兵は彼に向かって発砲してしまう。船体からロボットのゴートが現われ、周囲の武器を破壊しようとするが、クラトゥはゴートを制止した。
クラトゥは、地球上の指導者たちが核兵器や戦争による殺戮によって、他の天体の征服を考えるのは、他の星からの攻撃に繋がることを忠告したいと大統領秘書に言った。彼は地球人を説得する平和の使者だったが、指導者たちが彼と同席することを拒んだため、クラトゥは宿屋に住み街の人々に紛れ込み、科学者バーンハート教授と会って、使命の重大さを認識させるために世界中の電気を止めることにする。
しかしクラトゥの意図は誤解され、逮捕命令が出された。軍に逮捕されたとき、彼は致命傷を負ってしまう。クラトゥは使命を果たすことができるのか。
地球の静止する日の感想
1951年のSF映画で、のちにキアヌ・リーブスでリメイクされている(地球が静止する日)。ハリイ・ベイツのウイットに富んだ原作があるのだが、ストーリーはまるで変えてある。
ある日、時速6400キロで飛行する未確認飛行物体がワシントンに着陸、中から現れたのは宇宙人クラトゥ(マイケル・レニー)とロボットのゴート。クラトゥは地球人に伝えたいことがあると全国家首脳の合同会議を要求するが、時は50年代の冷戦下、実現は不可能だった。
地球人と偽り下宿屋に身をひそめたクラトゥは天才物理学者バーンハート博士(アインシュタイン?)の力を借りて各国の科学者を招集する。科学者たちを信用させるためにクラトゥは地球を丸ごと30分停電させてみせるが、危機感を募らせた軍は彼を銃撃。
ラスト、ゴートによって蘇生したクラトゥは、自分たちは“警察”であり、原子力を生み出し、今後宇宙の侵略者になりえる地球人に警告を与えに来たのだと科学者たちに告げると、円盤もろとも飛び去ってしまう。
下宿屋の聡明な娘を演じるのは愛らしいパトリシア・ニール。初対面のマイケル・レニーを、生涯に出会った3人のノッポのひとりだと自伝に書いている(今調べると192センチある)。監督はロバート・ワイズで、パトリシアを何かとひいきにしていたが、彼女は撮影中吹き出しそうになるのを我慢していたそうだ。
音楽はバーナード・ハーマンである。
地球の静止する日のキャスト
クラトゥ – マイケル・レニー
ヘレン・ベンソン – パトリシア・ニール
トム・スティーブンス – ヒュー・マーロウ
バーンハート教授 – サム・ジャッフェ
ボビー・ベンソン – ビリー・グレイ
バーレイ夫人 – フランシス・ベイヴィア
ゴート – ロック・マーティン
ハーレイ大統領秘書官 – フランク・コンロイ
地球の静止する日のスタッフ
監督:ロバート・ワイズ
原作:ハリー・ベイツ『主人への告別』
脚本:エドムンド・H・ノース
撮影:レオ・トーヴァー
音楽:バーナード・ハーマン
プロダクションデザイン:アディソン・ヘール、ライル・R・ウィーラー
テクニカルアドバイザー:サミュエル・ヘリック