大切なことはすべて君が教えてくれた

戸田恵梨香(大切なことはすべて君が教えてくれた)
戸田恵梨香(大切なことはすべて君が教えてくれた)

2011年1月17日~3月28日の毎週月曜21:00-21:54にフジテレビ系「月9」枠で放送。主演は戸田恵梨香と三浦春馬。

大切なことはすべて君が教えてくれたのあらすじ

私立明稜学園高等学校に勤める高校教師・上村夏実は、同じ学校に勤める教師で同校の生徒時代から付き合っている柏木修二と婚約しており、生徒や同僚からも祝福されていた。しかし始業式前日、修二は自身の生徒・佐伯ひかりと一夜を共にし、そのことは夏実にも知られてしまう。
ひかりは生殖機能の病を抱え、家族の死なども関係した複雑なコンプレックスを抱えながら修二に恋をしていた。ひかりは修二と過ごした証拠となる画像を盾に夏実に嫌がらせをし、二人の仲を裂こうとするが、結局身を引く。そのまま結婚を進めようとした二人だが、ふとしたことから校内にひかりとの関係が知れ渡る。
修二は糾弾され、人気教師としての社会的立場は下落してしまうが、複雑な事情を抱えるひかりを見捨てられず、彼女を見守り続ける。混乱の中で夏実は妊娠に気付き、修二と別れひとりで産み育てることを決意する。事情を知った上で結婚を申し込む男性が現われたものの、夏実は修二への思いを断ち切れず、次第に修二が初めて見せた自発的な意志と、ひかりに対する真意を受け止めてゆく。
修二は教師を辞めるが、ひかりを家族や精神的な問題と向き合わせた上で、本当に愛しているのは夏実だけであると告げ、ひかりを独り立ちさせて別れる。教師としての役目を全うさせた修二はふたたび夏実に求婚。夏実もまた、本当に愛しているのは修二だと気付いてそれを受け止める。転職した修二は街でひかりを見かけるが、その姿はかつて修二が、街ですれ違っても自分の存在に気付かないほど幸せになってほしいとひかりに語った姿そのものだった。夏実と修二もまた、出産した娘と新しい生活を始める。

大切なことはすべて君が教えてくれたの感想

第1話|反動的なモチーフで着地点が読みにくい

これは面白いドラマになりそうだ、今季でいちばんになるかもしれない。
どういうドラマとして着地するのかが予想できないというのが、面白い理由である。

三浦春馬武井咲と会った経緯を覚えておらず、シーンが再現されることもないので、視聴者にとっても武井が三浦とセックスした理由はわからない。
(じつのところ、こういう冒頭の常として、本当にセックスしたかどうかもわからない)

三浦は生徒にも保護者にも絶大な人気があり、職員室でも一目置かれているほどなのだから、生徒である武井が三浦を知らずにセックスしたことはないと思う。もっとも、中等部から持ち上がった高等部の1学年というわけではなく、2年生だから、生徒の顔をそこまで知らないことがあるのだろうかという気もする。
広瀬アリス菅田将暉のことは知っているのだ。
三浦は春休み中かかって生徒の名前と顔を覚えたといっていたが、そのときに武井咲の顔と名前は頭に入れなかったのか。

武井はなにやら持病を持っているようであり、左腕の火傷のようなひきつれはそれに関係があるのかもしれない。
特待生で家庭が崩壊している剛力彩芽は、武井咲の過去を知っていそうだ。

あそこまで爽やかな先生にリアリティがあるのかどうかはわからないが、生徒と教師の関係は自然に良好であり、学校の描写は珍しく、つくりもの臭くない。
今回、親のいぬ間にセックスしている子供たちを見つけた母親たちが学校に相談に来るというくだりがあるが、交尾中の犬を引き離すようなやり方でなく、見込んだ教師に助けを求めるというのは、三浦が演じるキャラが相手なら、ありそうな気がする。
このへんは三浦の演技のうまさを表しているのだろう。

一方、戸田恵梨香は今のところまったりしている。声の低い戸田は落ち着いた演技をすると思いのほか先生っぽく、結婚を間近に控えて猫のように三浦に甘えるのだが、眼力が強いのでこれはちょっと怖く、三浦は必要以上にびくびくしている。全体に三浦は目を見開いて声も出ないくらい驚いたり、ぽかんとしたりしていて、その演技がこのドラマをサスペンスミステリー仕立てにしている。

結婚直前というのは男女とも不安定な心境に陥る時期ということになっていて、この時期の男女を描く小説やドラマは昔から数多いが、トレンディドラマ以降は古臭いモチーフとなってしまっていたと思う。
今の時代に再びそれを取り上げたことが、このドラマの着地点を見えにくくしている。
先が楽しみである。

第2話|唾棄すべき教師というひねり方

心理捜査物に次いで今季かぶりまくっているのは学園物だが、本作はひねくれた学園物で、主人公である三浦春馬は、唾棄すべき教師として次第にベールを剥がされる仕組みになっている。

前半に、三浦が生徒たちと食堂で定食などを食べる長テーブルに戸田恵梨香が呼ばれ、武井咲剛力彩芽も座るシーンがあった。
武井と剛力(すごい芸名だ)を除く生徒が次々はけ、剛力も立ち上がるのだが、戸田・武井と残りたくない三浦は、何か剛力に話しかけて引きとめようとする。それで懸命に話題を探すのだが、何も思いつかない。

剛力演じる園田望未は、経済破綻、家庭破綻、いかがわしい店への出入り(もう辞めているが)など、教師として把握すべき話題にことかかないはずだし、不登校で特待生という特殊なキャラクターでもある。
心理的に追いつめられている三浦はそれらをすべて忘れているらしいのだが、あげく出てきた言葉は、「君、料理はするの?」というあからさまに性差的な質問だった。
結婚への準備は戸田がリードして粛々と進めているように見えるが、性差に深くとらわれているのは三浦のほうなのである。

今回の見どころは、なんといっても、体育館での戸田と武井の対決シーンであろう。なんといっても話題のドラマで数々の場数を踏んできた戸田は、やはり巧い。
武井咲は「美少女」に頼った演出で、圧倒的に戸田に分があるのだが、物語は盛り上がりを演出するため、三浦の寝顔写真という武器を武井にもたせている。BGMをうまく使ったコミカルなサスペンスタッチの演出は快く、どう展開するのか楽しみな次回である。

第3話|武井咲はこの先が難しい

今週は修羅場の章、来週は職場バレの章と、三浦春馬の試練は続く。
クレジット的には主役は戸田恵梨香なのだが、三浦の役どころが面白いのでつい引き込まれる。こういった配置は、ひと昔前なら、逆だったはずである。何を考えているかわからない女に振り回される男という構図で。
今週の筋書きは、女はなぜ突然怒るのかということを実にわかりやすく解説していた。

戸田の演技力は今週もあっぱれだったが、今後、実力が試されるのは武井咲だろう。
ようやく武石の病気が卵巣機能不全であり、治療を続けないと「女でいられない」ことが明らかにされた。
そして死んだ姉が完璧だったのに対して、自分が出来損ないの欠陥品であるというコンプレックスを持っていることも明らかになった。このコンプレックスが事件の元であり、ナメクジは失敗したカタツムリではないと教えてもらったことが、三浦に執着させることとなった。
完全な姉のワンピースを着ることによって三浦との関係をもつことができたことは、武井の病気にまだ隠された部分があることを表している。
おそらく今後の展開の中で、内田有紀がそれを明かしていくことになるだろう。

ドラマではいまだ描かれていない発端の夜のことを、三浦の兄である新井浩文に戸田が確認するシーンがあった。新井は先週、戸田・三浦が送った結婚式の招待状を破り捨てていたから、問題の夜について何かを知っていると思われる。
話がテンポよく展開していくので、このドラマは飽きさせない。

第4話|「君」とは一体誰なのか

戸田恵梨香ならずとも、第1回以来、終始キョドっている三浦春馬にはうんざりさせられるのだが、これはあくまでも作り手の意図によるものだと考えてみる。
「大切なことはすべて君が教えてくれた」という言葉を口にするのは一体誰なのか、「君」とは誰なのか、「大切なこと」とは何か、といったことがまだ予想もつかない状態なので、作り手の意思がどこにあるのかわからない。
戸田、三浦、武井咲のいずれかが「君」であるのは確かだろう。
武井咲に人生を狂わされたことをもって「教えてくれた」ということになるのか、戸田が指摘するように、「あくまでも正解の行動をとろうとする」三浦のユニークネスが、誰かに何かを教えることになるのか、この3人の中では最も常識的な戸田が三浦か武井に何かを教えることになるのか、どの展開もありえるのである。

このドラマは歪んだ学園物であり、第2回では生徒のちょっとした問題を三浦は解決してみせている。
今回、三浦を吊るし上げる生徒たちは戯画化された学園物のようである。
剛力彩芽や菅田将暉のキャラクターは極端で、実際にはいそうもないが、内田有紀のキャラクターもエキセントリックに過ぎて、不自然さを感じさせる。こういった不自然は、言うまでもなく、三浦を窮地に陥れるための作り手の意思である。
三浦と武井の間に本当に性交渉があったと信じる視聴者はいまいし、空白の始業式前夜に、新井浩文が何やら関係していることもわかっている。そこに隠されている設定と、「大切なことは…」という題名が意味するものの間に何があるかを知りたい視聴者だけが、このドラマを辛抱強く見続けているといえる。

第5話|ゼロ時間へ

“ゼロ時間”に何が起こったのかが、ようやく明らかにされた。
誰もが予想したように、武井咲の破瓜の相手は三浦春馬ではなかった。
しかし、この一連の事件で三浦が責められるべきなのは、あくまでも自分が武井咲の処女を奪ったと思いこんでいたことである。
実際に交情に及んだかどうかは、戸田恵梨香にとってあまり問題ではなく、むしろ、覚えていないくせにそれを認めたことのほうがよほど罪深い。
それを踏まえて、三浦が戸田を棄てるにいたる今回の結末は、これまでにない、かなり大胆なものだと思う。
事件の落着に安堵して駆け寄る戸田を半ば無視して、自分に夏実がいるようにひかりを待ってくれている人はいるのだろうか、と通りの先を見つめる三浦。「いるとしたら、僕なんじゃないかな。」という台詞の破壊力はすさまじい。

武井咲は、「薬を飲まないと女でいられない」とか、女として完璧だった姉へのコンプレックスであるとか、視聴者にとっては既知の情報ばかりが念を押され、ここまでドラマを牽引してきた「謎めいていた美少女」ぶりをあっさり放棄してしまった。(もっとも、姉になりきった武井の美しさは、特筆に値するものだった)
性同一性障害なのかと思っていたのだが、そこまでは踏み込まれなかった。
この宙ぶらりんな美少女が、鬼畜な三浦の「愛」によって、今後どのような表情を見せることになるのか楽しみである。

三浦の子を身籠っている戸田は、自分が置かれた異常な状況を確認するかのように、様々に自問する。
いわく、「一番憎んでいいはずの私が、一番修二を救いたいと思った。これが愛なら、愛って苦しい。」「皆に軽蔑される修二を見ると、すごく辛いの。」「修二は生徒と寝るような男じゃない。」「修二のことは、やっぱり大切。でも死ぬほど憎い。」「私の知らない修二がまだいるのかもしれない。」
そしてラストは、
「もしかしたら修二は、初めて誰かを愛し始めたのかもしれない。だとしたら、私が修二にしてあげられることは、結婚を止めることしかない。」

次回は半年後という設定である。予告編の戸田が臨月に見えなかったということは、掻爬したのだろうか。

破綻した好青年である三浦、謎を失った、女ならざる美少女・武井、唯一、常識の人でありながら、試練を乗り越えようとする戸田。
「大切なことはすべて君が教えてくれた」と口にするのは誰なのか、「君」とは誰なのかという謎は、依然引き延ばされている。

第6話|三浦春馬はこれでいいのか

そして半年後──なのだが、この時間の経過はなぜかヒジョーにおざなりで、本当に6ヶ月経過したようには、とても見えない。完全に何も起こらない空白の6か月であって、この後でどのような展開になっても、それは登場人物の思考の変容があったため、という言い訳を可能にするための時間経過であるとしか思えない。
しょせん制作側の事情であり、アンフェアでもあって、ずるい脚本だと思う。
事実、各人物の気分は確実かつビミョーに読みにくくなっており、三浦春馬は反省もせずにすっかりやさぐれ、戸田恵梨香のお腹は隠さなければそれとわかってしまうほど大きくなり、武井咲はじきに転校することになった。
相変わらずどのような展開も可能であり、問題にしているタイトルの「君」というのが、ひょっとしたら戸田が生むことになる子供である可能性も出てきた。

女たちが半年の間に確実に変化しているのに対し、三浦だけはほとんど変わっていない。端的に言って、三浦は、終始キョドりながら、戸田の思いを踏みにじって悪い方へ人生を踏み外す男であり、三浦という俳優のイメージダウンまで起こりかねない展開である。
悪役らしく描かれていないから、なおさらだと思う。

第7話|やっぱりこのドラマはダメだったのか

あまりの煮えきらなさにますます箔を落とし続ける三浦春馬、これでいいのかとやっぱり心配になるほどである。
こんな男に「君が教えてくれた」と言われるのは、教えるほうもイヤである。
まして三浦が誰か(戸田恵梨香武井咲)に何かを教えられるはずもない。
すると、このドラマは、戸田が武井に、あるいは武井が戸田に何かを教えてもらう話ということになる。

三浦を可愛いと言ったかと思うと、最低といい、そしてついに「女として見てほしい」という言葉を出してしまう武井は、むしろ思春期の女性ホルモン全開状態のように見える。
たじたじとなる戸田であるが、この期に及んで新たに、「3か月前」という注釈付きで福士誠治という男との出会いが描かれる。
この注釈は明らかにアンフェアなもので、作り手に対する信頼を失わせるものだ。
「大抵の人は打算で結婚するが、そこに少しの愛があれば愛だけの結婚より幸せになれる、愛しかない結婚は愛が冷めたときに何も残らない」
福士が披露するバーナード・ショウのような警句に心がぐらついてしまう戸田だが、この言葉にはほとんど意味がないと思う。

この後の展開がどうなろうと、もはや驚くことはないと思うが、ひどく手前勝手な結果に向かって進んでいくような気がする。

第8話|月9始まって以来の?感情移入不可能な主人公

三浦春馬は“すべて”を失うことになって、ようやく、キョドり顔ではない表情も見せるようになった。キョドり顔は、三浦の俗物的な側面をあらわしていたのだろう。つまり、まずもってすべてに受動的であり、周囲の状況を読んで脊髄反射的に良い人を演じてしまう側面である。
人に迷惑をかける状態が最も堪えるはずだ、と戸田恵梨香は分析していたが、であれば、キョドらない三浦春馬は、人に迷惑をかけることを厭わないことになる。さらなる脱皮を待ち望むものである。

三浦は自分の処分をかけた理事会で、大人しく辞表を出すという風間杜夫との事前の約束をいきなり破り、罰を与えるというなら馘にしてくれと開き直る。半年の謹慎の間、生徒たちの変化を見守ることができなかったのだから、軽蔑されてもそれをやりとげることが自分の反省の仕方だ、というようなことを熱弁するのであるが、いや、ちょっと何いってるかわからないんですけどwww
月9ドラマで、こんなに感情移入できない主人公は初めてなのではないか(いや、月9を見たのは数えるほどなんだが)。

一方、愛に加えて多少の打算があったほうが関係は長続きする、と、まるで愛人でもいるかのような老練な警句を発していた福士誠治だが、戸田は、愛だけしか残っていない人を自分は選ぶかもしれないと言う。戸田もまたキョドらない三浦を待っているわけである。
しかし、よく考えると、この戸田も、なんだかわからないキャラである。
これまでの流れからすると、三浦の俗物性を剥ぎ取ることが戸田の目的であるかのようである。そこに気づいてしまったことから、このドラマが始まったと言える。

さて、剛力彩芽である。
ドラマ初回から目を引くキャラであったが、18歳でないとできないあの身のこなしは、本当にまぶしい。

第9話|これは本当に恋愛ドラマだろうか

何やってんだ、この男は…と思わざるを得ない終盤の展開である。
最終回と思い込んで見ていたので、「ふたりの出した結論は…!」という台詞で終わるラストに思わずのけぞり、なんという思い切り!とやや興奮して、これをどう評価するべきかと悩んでいたら、次回最終回の予告編が始まったので、逆に少しがっかりした。
Twitterで見かけた、

@aoiha: さよなライオンじゃ無いだろう、行ってきマウスだろうby春馬 #taisetsu #fujitv http://bit.ly/hKTuLq http://bit.ly/hKTuLq

というツイートにメチャクチャ受けたww

このドラマは月9=恋愛ドラマなのだから、クライマックスになっても主人公たちがなかなか思うように動かないことに苛々するのはお約束と言ってもいいはずだが、これはいったい本当に恋愛ドラマなのだろうか、という疑念を棄てきれないところが、このドラマのユニークなところである。
正直、三浦春馬が演じる「柏木修二」という男の得体の知れなさを描くドラマとしか思えない。

最終話|脚本がすべてをメチャクチャに

いやー、gdgdもいいところの最終回だった。
見方によっては、三浦春馬戸田恵梨香に教化されたのであり、そういう意味で三浦は「大切なこと」を戸田に「教えてもらった」のだ。

このドラマは、P!NKの劇中歌やポルノの主題歌も良く、明るい画面設計、生徒たちの演出、トリッキーなキャメラワークと編集など、優れていると思われたところがいくつもあった。
戸田恵梨香武井咲剛力彩芽といった女優陣の演技も良く、篠田麻里子も悪くなかったと思う。
これらすべてをぶち壊したのは脚本であり、自分勝手なロジックの積み重ねに、見る者ははぐらかされ続けた。
(先週の三浦春馬の最後の授業、今週のプロポーズの言葉の意味不明さを見よ)
迷惑だったにちがいないのは三浦で、前にも書いた通り、月9始まって以来(?)の、感情移入できない主人公になってしまった。
そんな三浦を許す戸田恵梨香も、同様に感情移入は不可能である。

さらに、連ドラにはありがちなことだが、展開上重視されていたいくつかのエピソードは、結局、中途半端に投げ出された。
たとえば武井咲の病気(薬を飲まないと女でいられない)について、後半、くわしく触れられる機会はついに与えられなかった。この設定が必要だったのか非常に疑問である上に、戸田の妊娠を知った直後の武井を、三浦は冷たく突き放していた。
おそらくは子宮系の疾患をもつ高校生に対するふるまいとしては、あまりにもデリカシーに欠けるように見えた。
ここでも、わりをくったのは三浦である。

それにしても、武井は転校しないことになったのだろうか。
顔を表さない武井の姉を亡くした武井の両親が、武井が生きていてよかったと思い込むことによって、絆を取り戻したのなら、もはや転校する必要はないと思う。
しかし、西村雅彦が新担任として就任したらしい3年生のクラスに、武井と剛力彩芽の机は不在を主張していた。

剛力はアフリカに行ったとされている。この少女の家庭については、第1回以降触れられることはなかった。
三浦春馬が剛力についてはなぜ守る必要を感じないのか、じつにフシギである。このドラマは歪んだ学園物の構造をもっていたのだが、結局は中途半端な出来損ないとして終わってしまった。
スラダンマニアの菅田将暉の幼い恋心の描写はありきたりで、わざわざ最終回までひっぱる必要性は感じられない。
鉄であったことが示された中島健人の武井への恋心も同様である。
広瀬アリスは自分の役柄を少しもてあましていた。

さらに謎だったのは内田有紀である。
最終回になって三吉彩花演じる娘がちょろりと出てくるが、これまで毎週見てきたにもかかわらず、内田と娘と北海道と武井の姉が死んだ事故がどう結びつくのか、よくわからなかった。
内田有紀の役柄そのものが、このドラマに不要だったように思う。

最後に戸田恵梨香について。
前日に映画「ライアーゲーム ファイナルステージ」をテレビでやっていて、ついまた見てしまったのだが、「野ブタをプロデュース。」の美少女ぶり、ナオちゃんが笑うと見ているほうもうれしくなる「ライアーゲーム」から、
仏頂面が魅力的な「BOSS」を経て、「ライアーゲーム 2ndシーズン」では劣化したかに見えて成長を感じさせ、
「BOSS」の発展形であるどや顔の異色作「SPEC」、そして本作と、戸田は、理想的な成長ぶり、成熟ぶりを段階的に見せていると感じた。まったく今後も楽しみな女優である。
武井咲から顔にバスケットボールをぶつけられて啖呵をきる演技は、まことに惚れ惚れするものであった。

大切なことはすべて君が教えてくれたのキャスト

私立明稜学園高等学校・教職員
 上村 夏実 – 戸田恵梨香
 柏木 修二 – 三浦春馬
 中西 佳史 – 西村雅彦
 金子 雅代 – 能世あんな
 鶴岡 悟司 – 風間杜夫
その他の教師
 校長 – 阿部六郎(第1・9話)
 理事 – 加藤治(第8話)、佐藤祐四(第8話)、須永慶(第8話)
 理事長 – 戸沢佑介(第8話)
私立明稜学園高等学校・生徒
2年1組
 佐伯 ひかり – 武井咲
 平岡 直輝 – 菅田将暉
 園田 望未 – 剛力彩芽
 加川 涼子 – 広瀬アリス
 児玉 賢太郎 – 中島健人(Sexy Zone、当時:B.I.Shadow)
 渡辺 優奈 – 石橋杏奈
 牧田 玲花 – 替地桃子
 田口 和孝 – 永嶋柊吾
 川本 万里 – 石橋菜津美
 江藤バーンズ凌真 – バーンズ勇気
 小野 誠也 – 丸若薫
 辻本 奈知 – 央川奈知
その他の生徒
 宇野沙莉 – 伊藤沙莉
 相沢航希 – 長村航希
 石本千寿 – 佐伯千寿
 高橋悠希 – 倉益悠希
 瀧山辰哉 – 黒木辰哉
 千葉奈々 – 大平奈津美
 土屋孝之 – 大津尋葵
 徳永玲奈 – 能年玲奈
 中田広稀 – 中島広稀
 中野愛里 – 中島愛里
 夏川流太 – 外波山流太
 西野優衣 – 伊藤優衣
 根本健人 – 疋田健人
 野口優里 – 中村優里
 橋本達也 – 羽染達也
 樋口みはと – 伊勢みはと
 桃井天音 – 岡山天音
 安田美月 – 小松美月
 山口美咲 – 米村美咲
 吉川タツヤ – 岸田タツヤ
バスケットボール部
女子バスケットボール部員
 星野陽子 – しほの涼
 元木彩 – 竹本彩
 有野佐知 – 石丸佐知
 眞鍋理沙 – 本間理紗
 藤岡優里奈 – 齋藤優里奈
 田辺かおり – 渡辺かおり
男子バスケットボール部員
 山田純平 – 笹山純平
 山田哲平 – 笹山哲平
 井口龍之介 – 永井龍之介
 田中力意 – 園田力意
夏実の家族
 上村 圭子 – 朝加真由美
 上村 克実 – 新井康弘
修二の家族
 柏木 孝一 – 新井浩文
 柏木 博一 – 春海四方 ※第2話は声のみ
 柏木 育子 – 三谷悦代
ひかりの家族
 佐伯 ゆかり – 西園みすず(第9話)
 佐伯 由梨 – 宮本裕子
 佐伯 正則 – 神保悟志
生徒の保護者
 田口和孝の母親 – 阿南敦子(第1話)
 川本万里の母親 – 渡辺杉枝(第1・8話)
その他の保護者 – 鈴木ひろみ(第8話)、薬師寺順(第8話)
駿陽大学附属病院
 水谷 亜弥 – 内田有紀
その他
 ひかりの担当医師 – 佐藤裕(第3話)
 看護師 – 金子路代(第2話)、丸山優子(第7話)
 東堂 さやか – 篠田麻里子(AKB48)
 山下 有悟 – 福士誠治(第7・8話)

大切なことはすべて君が教えてくれたのスタッフ

脚本 – 安達奈緒子 (第15回〔2002年〕フジテレビヤングシナリオ大賞・大賞受賞者)
音楽 – 林ゆうき
主題歌 – ポルノグラフィティ「EXIT」(SMEレコーズ)
協力プロデュース – 横山隆晴
プロデュース – 増本淳清水一幸
演出 – 西浦正記(FCC)、葉山裕記関野宗紀
企画協力 – 東康之
技術プロデューサー – 瀬戸井正俊
TD – 宮田伸
選曲 – 泉清二
音響効果 – 壁谷貴弘
MA – 佐藤浩二
美術プロデューサー – 柴田慎一郎
美術デザイン – 棈木陽次[注釈 3]
美術進行 – 森田誠之
持道具 – 土屋若子
視覚効果 – 田村憲行
フードコーディネーター – 住川啓子
VFXプロデューサー – 冨士川祐輔
VFXディレクター – 高野善政
撮影協力
恵泉女学園大学、牛久愛和総合病院、国立駅前大学通り商店会、PACHINCO OASIS、国立市、北島金物店、町田市、アンフェリシオン
浦安市立中央図書館、いばらきフィルムコミッション、茨城県立医療大学、東京都市大学、東京都市大学付属中学校高等学校
関東鉄道、台東区フィルムコミッション、ワタベウェディング
協力
ビデオスタッフ、inup、ファン、タカハシレーシング、ワインド・アップ、ザ・ホライズン、スポット、共同テレビ、エルエーカンパニー、八峯テレビ、成ロケーションサポート
医療監修 – 茨木保(いばらきレディースクリニック)
制作 – フジテレビドラマ制作センター

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