2011年7月21日~9月15日の毎週木曜21:00-21:54にテレビ朝日系列の「木曜ドラマ」枠で放送。『最後の晩餐 〜刑事・遠野一行と七人の容疑者〜』(2011年5月14日放送)の続編で、主演の佐藤浩市、脚本の井上由美子はそのまま。『最後の晩餐』で刑事だった遠野一行(佐藤浩市)が警察学校の教官に転身し、若い訓練生とぶつかり合い、成長していく。警察学校が舞台だが遠野の刑事時代の未解決事件も一緒に描かれる。
陽はまた昇るのあらすじ
48歳の遠野一行は捜査一課刑事から一転、警察学校の教官として新たなスタートを切った。主任教養部長・簑島佐和子は、格段に落ちた生徒の質を嘆き、警察の信用を取り戻すために、現場で培った目で不適格者を見極め、入校式までにクビを切ってほしいと言う。遠野が受け持つ遠野教場の新入生・宮田と湯原は、早速口論で一触即発の状態に。遠野は全員クビだと言い渡す。学生たちは遠野教官の容赦ない指導に反感を募らせるが、そんな折、学校近くのレンタルビデオ店に猟銃を持った男が立てこもった。警視庁時代の上司・杉崎から犯人説得の応援を頼まれた遠野は、訓練生を事件現場に同行する。佐和子は大反対するが…。
陽はまた昇るの感想
本作の導入ドラマとして、「最後の晩餐 ~刑事・遠野一行と七人の容疑者~」という単発ドラマが放映されたというのだが(そのドラマのラストシーンが警察学校の門の前で、佐藤浩市と、三浦春馬、池松壮亮がすれ違ったというのである)、寡聞にして知らなかった。
冒頭、真矢みきが新入生を相手に実演入りの講義をして拍手を浴びるのだが、教室で一人だけ茶色の靴を履いているのが三浦春馬である。そして画面が切り替わると、妙な色に髪を染めた佐藤浩市が大写しになり、この茶髪は、異常に強調されている。
佐藤浩市といえば「カロヤンジェルローション」のコマーシャルでお馴染みなのだが、その髪の異様な多さで逆にヅラではないかなどという陰口も叩かれているほどで、それをどうしてあんなに茶色くしなければならないのか(屋外シーンが多いので、なおさら茶色く見えるのだろうが)。
さて、本作は、舞台が警察学校というだけで、いわゆる学園物の変奏という趣のあるドラマだが、ここでいちばん楽しいのは、やはり真矢みきのツンデレ鬼教官ぶりだろう。ほとんどドロンジョのパロディかと思うぐらいなのだが、真矢は真剣に演じていて、こんなことができるのはこの女優ぐらいしかいない。
三浦を見るのは脚本がさんざんだった「大切なことはすべて君が教えてくれた」以来である。今回も、“折れやすい今様の若者”の役。髪型かっこわる…というのがもっぱらの評判らしいが、そうでもないと思った。
ところで、朝のワイドショーにゲスト出演して番宣している佐藤と三浦を見たのだが、役者というのはそんな場では居心地悪そうにしているのが常だとしても、佐藤と三浦は、とても朝まで飲み明かすような間柄には見えなかった。佐藤が背中で三浦の弱みを押さえているかのように見えるのである。
第1話はきばって、立てこもり事件などを絡めてみたが、本質は学園物であって、案の定、2話目からは、ラーメンを食うために脱走したのが見つかって退学処分に怯えるという話で、急激にしょぼくなる。しかも三浦春馬は、子供ができたと女に呼び出され、嘘と知って怒るという、実にどうでもいい話であった。
毎話の最後に、警察学校の屋上で佐藤浩市がその回の教訓を妻のケータイの留守電に吹きこむ、というフォーマットのようなのだが、なんだかなあと思う。
この妻は斉藤由貴で、実は指名手配犯のARATAと逃避行中なのだが、毎回これがどのくらい進展するのかということが本編より気になる。やはり三浦春馬より斉藤由貴とARATAのほうが恰好いいのであった。
そして上にも書いたが、このドラマの見どころのひとつは、真矢みきの女将校ぶりである。
作り手もそういったことは当然意識しているはずで、射撃訓練で、スカートのまま寝そべって射撃を行い、佐藤のほうが巧いのでたじたじとなる真矢の演技には、思わずドキドキしてしまった。
陽はまた昇るのキャスト
遠野一行 – 佐藤浩市
宮田英二 – 三浦春馬
湯原周太 – 池松壮亮
第1293期 警視庁警察学校訓練生
遠野教場
松岡博敏 – 高橋努
関根尚充 – 南圭介
瀬尾泰正 – 冨浦智嗣
上野哲也 – 北村友彦
内山由隆 – 伊阪達也
藤岡瑞樹 – 中川真吾
中仙道彰 – 相葉裕樹
荒屋翔 – 佐伯大地
水上祐介 – 康本将樹
和泉寛太 – 久保勝史
永田純司 – 石田亮介
下村幸輝 – 福谷孝宏
神崎礼音 – 大楽聡士
蔵前源太 – 四家聡
茂原大樹 – 二階堂修
里見政志 – 深井邦彦
児玉友治 – 菊池拓人
平田信博 – 浦坂佳右
高畠賢人 – 尾形直哉
恩田孝明 – 山本哲平
栗原聡史 – 安岡新八
深堀秀明 – 田中稔彦
原野三郎 – 居垣寿典
大森敬吾 – 杉山健一郎
長谷川康秀 – 井上仁徳
近江翔太郎 – 鐘ヶ江佳太
松谷健志郎 – 三浦俊英
沼尻豊 – 矢部智之
その他の訓練生
小宮山チカ – ホラン千秋
新田茅乃 – 菜葉菜
橋本ユキエ – 藤井祥子
警視庁警察学校職員
白石大地 – 波岡一喜
刈谷正子 – 萩原利映
上条貴之 – 久松信美
今泉 – 坂田聡
立花琴美 – YOU
簑島佐和子 – 真矢みき
内堀清次郎 – 橋爪功
その他
田中里美 – 石野真子
田中みずほ – 大野百花
田中均 – 大田正樹
遠野奈津美 – 斉藤由貴
安西雄哉 – ARATA
杉崎孝夫 – 六角精児
陽はまた昇るのスタッフ
脚本 – 井上由美子
音楽 – 江口貴勅
演出 – 秋山純(テレビ朝日)、今井和久(MMJ)
主題歌 – EXILE ATSUSHI「いつかきっと…」(rhythm zone)
選曲 – 石井和之
CG – 日本映像クリエイティブ
技斗 – 村上潤
ガンエフェクト – パイロテック
警察監修 – チーム五社(久保正行、倉科孝晴)
プロデューサー – 黒田徹也(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ)
制作著作 – MMJ
制作 – テレビ朝日