ひらさとるの漫画(『Kiss』2004年No.16~2009年No.13、続編2014年3月号~2017年7月号連載、単行本全15巻)を原作に2007年夏に放映されたドラマ版の続編で、日本テレビ系「水曜ドラマ」枠で2010年夏に放映された。2012年には『映画 ホタルノヒカリ』も公開された。
ホタルノヒカリ2の感想
雨宮蛍とは、社会人になった平沢唯である、と思われる。もっとも、往年のハリウッド映画にはこのようなカマトト処女がいた。
たとえば、優しい言葉をかける部長に背を向け、暗い庭でなぜかゴーヤを頬ばっている綾瀬はるかの演技が傑作で、だんだん近づいてくるのがわかっていながらごまかすでも隠すでもなく、手を止め、怯えの表情になりつつゴーヤを食べ続けるわけのわからなさ(第3話)がユニークだった。
面白くないことはないし、楽しくもあるのだが、しょせん綾瀬はるかの芸を見ているようなものなので、どうしても飽きるというか、だんだんうざったくなってくるというか。
「ずきゅーん。」とかやってるのは藤木直人と並んで縁側に座っているときのホタルであって、仕事中はもちろんちゃんとしているし、アフター5でも向井理と話しているときは普通なのである。
“ぶちょお”の前では干物女を全開してしまうという面白さが、このドラマのユニークな点であるはずなのだが、なんだかだんだん、そのバランスが悪くなってきていて、縁側のシーン以外はどうでもいいような作り、つまり綾瀬はるかばかりなのであって、ドラマというより、コントみたいなものではないかと思う。
干物女は結婚して卒業できるのか、ということがこのドラマのメインテーマとして掲げられているようで、実は逆に言えば、卒業するなどできるはずがない。「君は自分の幸せを考えればいい。俺のことはいいから自分のことを考えろ」というぶちょおとホタルが結婚し、なおかつ干物女であり続けるには、どういう展開になればいいか、という方向にドラマは進み、大方の予想通り、部長と一緒に台湾には行かず、ひとりで待つ宣言をした綾瀬は、「私はこれから先も干物女でいたいんです。家の外ではすっごく頑張って、頑張るために家ではグータラしたい。私は、一生、干物女です」という大団円を迎えた。
最終回にありがちなバタバタもなく、順当に締めた脚本であった。
並行して「ゲゲゲの女房」がいい感じに盛り上がり、向井理が予想外にブレイクしたことで、おそらく展開を変更せざるを得なかったことも考慮すると、他にあまり類がないタイプのドラマとして、よくやったのではないか。
ホタルノヒカリ2のキャスト
雨宮 蛍〈24 → 27〉 – 綾瀬はるか
高野 誠一〈37 → 40〉 – 藤木直人
三枝 優華〈26〉 – 国仲涼子
手嶋 マコト〈23〉 – 加藤和樹
山田 早智子〈29 → 32〉 – 板谷由夏
二ツ木 昭司〈37 → 40〉 – 安田顕
瀬乃 和馬〈27〉 – 向井理
企画営業チーム
神宮司 要〈30〉 – 武田真治
曽野 美奈子〈25〉 – 浅見れいな
豪徳寺 賢〈31〉 – 丸山智己
山口 隆俊〈33〉 – 松永博史
室田 鈴子〈23〉 – 松本まりか
香住 初子〈22〉 – 松下さら
デザインチーム
沢木 瞬〈25〉 – 渡部豪太
田所 潤平〈24〉 – 渋江譲二
第1企画部
桜木 美香〈25〉 – 臼田あさ美
井崎 豊作〈32〉 – 高橋努
杉下 真菜〈22〉 – 中別府葵
松小路 豪也〈23〉 – 市川知宏
竹林 篤志〈27〉 – 君沢ユウキ
梅田 翔太〈22〉 – 井出卓也
椿 春乃〈25〉 – 佐藤千亜妃
椋木 伸〈28〉 – 栁澤貴彦
椎名 あゆみ〈21〉 – 真下玲奈
その他
浅田 小夏〈39〉 – 木村多江
浅田 千夏〈7〉 – 石井萌々果
ホタルノヒカリ2の人物相関図
ホタルノヒカリ2のスタッフ
原作 – ひうらさとる「ホタルノヒカリ」(講談社刊『Kiss』)
脚本 – 水橋文美江
音楽 – 菅野祐悟
演出 – 吉野洋、南雲聖一、石尾純
主題歌 – いきものがかり「キミがいる」(エピックレコードジャパン)
シニアチーフクリエーター – 櫨山裕子
美術デザイン – 高野雅裕
プロデューサー – 三上絵里子、内山雅博(オフィスクレッシェンド)
制作協力 – オフィスクレッシェンド
製作著作 – 日本テレビ