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インセプション

4.0
マリオン・コティヤール(インセプション) 2010年の映画
マリオン・コティヤール(インセプション)
『インセプション』(原題: Inception)は、2010年のSFアクション映画。脚本、監督はクリストファー・ノーラン。

インセプションの感想

かつて一度レンタルでながら見をしたらさっぱりわからなかったので、その後長らく放置していたが、今回じっくり観てみてようやくプロットを完全に理解できた。

本作は、2時間42分という上映時間内で「この映画だけの複雑な虚構内ルールを理解する」というミッションを観る者に与える映画である。最初から最後まで、全編ルールの説明に次ぐ説明に終始しているのだ。これは、時間が逆転しているというルールを観客に理解させようとする「メメント」と同じと言える。

まず冒頭は、サイトーがコブを試すガイダンスである。ここで、他人の夢にグループで侵入してアイデアを盗む(エクストラクト)、夢の中の夢(階層)や、夢から覚めるための方法(命を落とす、キック)などの基礎的な知識が与えられる。

そして、サイトーから「アイデアの植えつけ」(インセプション)を依頼されるという本作のミッションが明らかになる。
それを検討する中で、インセプションが非常に困難であり、下の階層に行くほど世界が不安定になり、虚無(リンボー)に落ちる危険性があり、回避策としての鎮静剤が必要であることなどが説明される。
並行して、アリアドネのトレーニングによって「夢世界の構築(設計)」階層ごとの時間のスケール(階層が下がるごとに20倍)夢か現実かを判断する道具「トーテム」の説明がある。
そしてコブの元妻であるモルの存在がほのめかされる。

その上で、いよいよ本番の飛行機内のミッションが始まるが、この遂行中にもルールの説明は続く。
まず第一階層では、ロバートが訓練を受けていたために武装した無意識が攻撃を仕掛けてくるという現象が起こり、その結果、サイトーが致命傷を負う。強力な鎮静剤を投与しているため命を落としても現実には戻れないことが説明される。
舞台となる階層が第二、第三と下がるにつれ、時間のスケールだけでなく、下階層では上階層の重力変化の影響を受けることが映像体験として示される(第一階層で橋から飛び出したヴァンが川に着水するまでの間、第二階層では無重力の状態が継続する)。

……という具合で、ここまでのレクチャーのぼんやりとした理解をもとに、観る者は、クライマックスの「全階層でキック(もしくは死)により上の階層に上がらなくてはならない」という最終ルールに辿り着く(ここは答え合わせの段階だ)。そのころには、第四階層(虚無)に落ちて年老いたサイトーをコブなら救えるだろうことも理解しているはずだ。

「メメント」が感動的だったのは、映画それ自体がつねにはじまりを失っていく媒体であるという二重性がこめられていたからだったが、本作によって、(ラストシーンの意味などといった「考察」以外に)観客が得るものがあるとしたら、それは何だろうか。

インセプションのあらすじ

眠っている人の潜在意識に侵入してアイデアを盗みだすスペシャリストのコブは、その才能ゆえに最愛の者を失い、国際指名手配犯となってしまう。実業家サイトーは、そんな彼に人生を取り戻す唯一のチャンス「インセプション」という最高難度のミッションが与える。それは、サイトーの競争相手であるモーリス・フィッシャーの息子ロバートに、父の会社を解体させる考えを植えつけるという依頼だった。
相棒のアーサー、優秀な「設計師」アリアドネ、「偽造師」イームス、鎮静剤の「調合師」ユフスのスペシャルチームが結集され、依頼者サイトーも同行することに。第1~3階層の夢を作り、段階的にインセプションを進め、起きねばならなくなった時にはキック(衝撃)を与えると決めて合図に音楽を流す作戦を立てた。
そしていよいよモーリス・フィッシャーが死去。一行は葬儀に出席するロバートとサイトーの買収した航空会社のシドニー発LA行きに乗り込むと、ロバートを鎮静薬で眠らせ、ユフスの夢に参加したが……

インセプションを観るには?

インセプション キャスト

ドム(ドミニク)・コブ(産業スパイ) – レオナルド・ディカプリオ
サイトー / 斉藤(実業家) – 渡辺謙
アーサー(コブの右腕) – ジョセフ・ゴードン=レヴィット
モル(マロリー)・コブ(コブの妻) – マリオン・コティヤール
アリアドネ(設計士) – エリオット・ペイジ
イームス(偽装士) – トム・ハーディ
ユスフ(調合士) – ディリープ・ラオ
ロバート・フィッシャー(エネルギー複合企業の継承者) – キリアン・マーフィー
ピーター・ブラウニング(ロバートの同僚) – トム・ベレンジャー
モーリス・フィッシャー(ロバートの父) – ピート・ポスルスウェイト
マイルス教授(モルの父親でコブの恩師) – マイケル・ケイン

インセプション 作品情報

監督 – クリストファー・ノーラン
脚本 – クリストファー・ノーラン
製作 – エマ・トーマス、クリストファー・ノーラン
製作総指揮 – クリス・ブリガム、トーマス・タル
音楽 – ハンス・ジマー
撮影 – ウォーリー・フィスター
編集 – リー・スミス
製作会社 – ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ、レジェンダリー・ピクチャーズ、シンコピー・フィルムズ
配給 – ワーナー・ブラザース・ピクチャーズ
公開 – イギリス: 2010年7月13日(ロンドン・プレミア)、アメリカ: 2010年7月16日、日本: 2010年7月23日・再上映2020年8月14日
上映時間 – 148分
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