トパーズ

カリン・ドール(トパーズ)
カリン・ドール(トパーズ)
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『トパーズ』(原題: Topaz)は、 アルフレッド・ヒッチコックの監督による1969年公開のアメリカ映画。1968年から1969年にかけて製作された。原作はレオン・ユリスのベストセラー小説。

『トパーズ』ってどんな映画?

米ソ冷戦の裏で暗躍する二重スパイ『トパーズ』を追え! サスペンスの巨匠が描く壮大な諜報サスペンス!

レオン・ユリスのベストセラー小説をサスペンスの巨匠アルフレッド・ヒッチコックが映画化。キューバ危機下の緊張感あふれる国際情勢を舞台に、国家の陰謀と裏切りを描いたスパイ・サスペンス。

あらすじ

1962年、米ソ冷戦が激化する中、ソ連のKGB高官がアメリカへ亡命。CIA捜査官のノードストロム(ジョン・フォーサイス)は、ソ連がキューバにミサイルを基地建設しようとしている情報を掴み、親しいフランス情報部員アンドレ・デヴロウ(フレデリック・スタフォード)に極秘調査を依頼する。
キューバへ渡ったデヴロウは、現地の反体制派組織のリーダーである愛人フアニータ(カリン・ドール)の協力を得て秘密情報を入手するが、事態はフランス政府高層部に潜むソ連の二重スパイ組織「トパーズ」の存在へと発展していく——。

キャスト

アンドレ・デヴロウ - フレデリック・スタフォード
マイケル・ノードストロム - ジョン・フォーサイス
ニコール・デヴロウ - ダニー・ロバン
フアニータ・デ・コルドバ - カリン・ドール
リコ・パラ - ジョン・ヴァーノン
ジャック・グランヴィル - ミシェル・ピコリ
アンリ・ジャール - フィリップ・ノワレ
ミシェル - クロード・ジャド
フランソワ・ピカール - ミシェル・シュボール

感想

本作がヒチコックらしくないと言われる理由の一つは、見慣れぬ俳優ばかりということである。中でも主人公のフレデリック・スタフォードの経歴が面白いので紹介したい。

この人はチェコ出身でドイツ名をもつビジネスマンとして世界を飛び回っていたのだが、タイのホテルでスカウトされ、フランス版ジェームズ・ボンドと言われる(イアン・フレミングより早い)「OSS 177」シリーズなどB級スパイ映画専門のアクション俳優になった。
ヒチコックが彼に目をつけたのは、『引き裂かれたカーテン』でポール・ニューマンに振り回された経験から、アメリカのスター俳優には懲りごりだったからだという。当時、ショーン・コネリーが「007」を降板することになり、『女王陛下の007』出演も打診されていたというが、スタフォードはそれを蹴って『トパーズ』を選んだのである。

ところが本作の撮影は茨の道で、原作者レオン・ユリスが脚本を降りたために、撮影は台詞を覚える暇もない自転車操業になり、さらにヒチコックが立ち位置から視線の動かし方に至るまでガチガチに演技を指導したため、スタフォードの演技はプレッシャーで硬くなり、批評家からは「木でできているような表情」と酷評された。スタフォードの賭けは外れたのだ。

おかげでハリウッドからは見放されたが、しかしスタフォードはヨーロッパに戻って多くのアクションやホラー映画で主役にカムバックしている。その後、プロデューサーとして再びビジネス畑に転身しようとしていた矢先、51歳で飛行機事故で亡くなった。

次に、本作がヒチコックお馴染みの「個人的な悪夢」ではなく「システム」を描いていることだ。主人公も敵も巨大な諜報機構の一部にすぎず、物語を動かすのは個人ではなく国家と情報ネットワークである。

カリン・ドール

カリン・ドール

しかしそういう題材の問題ではなく、二重スパイ組織「トパーズ」を摘発した達成感をよそに、映画が、無名の人々の死をめぐる回想(その代表は、キューバの工作員フアニータ(カリン・ドール)の紫のドレスが床に広がる美しい死のシーン)で締めくくられていることだ。

このエピローグは、「死を次の展開への契機」として扱ってきた従来のヒチコック映画にはほとんど見られなかった視線と言える。これがヒチコックらしくないと言われる最大の所以だと思う。

『トパーズ』を観るには?

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『トパーズ』作品情報

監督 – アルフレッド・ヒッチコック
脚本 – サミュエル・テイラー
原作 – レオン・ユリス
製作 – アルフレッド・ヒッチコック
音楽 – モーリス・ジャール
撮影 – ジャック・ヒルデヤード
編集 – ウィリアム・H・ジーグラー
公開 – アメリカ: 1969年12月19日、日本: 1970年6月20日
上映時間 – 126分

『トパーズ』の原作

1962年に世界を震撼させた「キューバ危機」の裏舞台を描いた国際スパイ・サスペンス。ニューヨーク・タイムズのベストセラーリストで1位を獲得、52週にわたってランクインし続けた。実際の元スパイから得た実話(サファイア事件)をベースにしている。
ソ連の高官クズネツォフがアメリカへ亡命。彼はフランス情報部(SDECE)のワシントン駐在員アンドレ・デヴローに世界を揺るがす2つの爆弾を告げる――ソ連がキューバに核ミサイルを密かに配備しようとしており、フランス政府・NATOの最高幹部の中にコードネーム「トパーズ」というソ連(KGB)のスパイが潜入していると。
デヴローはアメリカの要請を受けてミサイル配備の証拠を掴むためにキューバへ飛び、かつての恋人で現地の反カストロ地下組織のリーダーであるフアニータの協力を得て、決死の覚悟でソ連ミサイルを撮影。そして「トパーズ」を調査する彼を阻むのは、最高権力に近い人物たちの裏切りと、彼を亡き者にしようとする暗殺の罠だった。
1962年に起きた「サファイア事件」(ソ連の高官が亡命し「フランス政府のトップにスパイ網がいる」と暴露して当時のド・ゴール政権を大揺れにさせた)を元にしており、アンドレ・デヴローは、作者の友人フィリップ・ティロー・ド・ヴォジョリがモデルである。

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