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張込み(2011年ドラマ)

若村麻由美(張込み) ドラマ
若村麻由美(張込み)
松本清張の短編小説(初出『小説新潮』1955年12月号、1956年10月に短編集『顔』収録)を原作として、1958年に松竹で映画化されたほか、数度にわたりテレビドラマ化。

(張込み(2011年ドラマ)の感想)

張込み(映画)に続けて最新(と言っても2011年)のドラマ版を見てみた。

もちろん原作とも映画版とも大分違っていて、舞台は松本、若村麻由美演じる貞子目線の展開である。刑事役は小泉孝太郎だが、監視対象の若村に肩入れするあまり、捜査を撹乱したり夫婦別れを唆したり、何かとやりすぎていて、映画版の無口な大木実との違いが際立っている。

それはまあいいとしても、若村の忍成修吾(元恋人)に対する感情がわかりづらいのが難点である。現夫を演じる真面目一辺倒な塩見三省がすごく良いのだが、若村はラスト近くで3年間の夫婦生活の虚しさを吐露する。夫が柱時計の針を遅らせた後で妻が針に進ませるというシーンが序盤にあったのだが、若村は、あれは耐えがたい日常を早く終わらせる習慣だった、となんだかピンとこないことを言い、翌朝夫を送り出し、洗濯物を干してから出奔する。

この夫婦は3人も子どもがいるのに毎年海外旅行に行くらしいのだが(塩見はただの電器屋親父なんだが…)、次の予定はスペインで、だから若村は前半でスペイン語講座のカセットで勉強していたのだが、最後に講座のテープを回したまま出ていくというのがいかにもヒドイ。

当時43歳の若村麻由美はおそろしいほどの美貌で、清張ドラマにもよく出てくる人なのだが、いつも、他に使いようはないのかと思ってしまう。

張込み(2011年ドラマ) キャスト

横川さわ子 – 若村麻由美

柚木哲平 – 小泉孝太郎

石井久一 – 忍成修吾

下岡有作 – 渡辺いっけい

高橋洋二 – 六平直政

井上広 – 田山涼成

児玉梨奈 – 上原美佐

旅館の女将 – 大島蓉子

横川仙太郎 – 塩見三省

横川貞次 – 高澤父母道

山田明信 – 掛田誠

刑事 – 坂田聡

堂島浩二 – 菅田俊

本屋の客 – 野村昇史

バス運転手 – 越村公一

警官 – 岸端正浩

由夏高橋慶子渡辺力千濱汰一江畠蓮中村高華鈴木伸伊藤竜二渡辺貴啓門田真幸 ほか

張込み(2011年ドラマ) スタッフ

脚本:西岡琢也

監督:星田良子

ロケ協力:松本市、松本観光コンベンション協会、松本東急イン、コナカ府中西原店、共立女子大学、ブックファースト、はとバス ほか

技術協力:フォーチュン、バスク、Kカンパニー

照明:サンライズアート

編集・MA:ワインド・アップ、バウムレーベン

音響効果:スポット

美術協力:山崎美術

音楽協力:テレビ東京ミュージック

プロデューサー:橋本かおり、小畑良治、椿宜和、河添太

チーフプロデューサー:小川治

張込みの原作


張込み 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 3)
張込み 3版 (カッパ・ノベルス 松本清張短編全集 3)
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