『追憶』ってどんな映画?
恋愛映画の金字塔であり、アメリカ映画史に残る名作。政治活動に情熱を燃やすユダヤ系の女性ケイティと、容姿端麗で育ちの良い作家志望の青年ハベルが大学時代に出会い、愛し合い、激動の時代(第二次世界大戦から赤狩り時代)の中で別れを選んでいく、「愛しているのに、一緒にいられない」という普遍的な切なさが描かれる。若き日のジェームズ・ウッズが出演しているのも見どころ。
あらすじ
政治活動に熱心で反戦主義のケイティーと、特に政治的傾向を持たない気ままなWASPのハベルは大学で出逢い、卒業後それぞれの道を進む。第二次世界大戦の最中、ケイティーはニューヨークで、軍人となったハベルと偶然再会して恋人同士になったが、ハベルの友人らのブルジョア気質に馴染めず、一時は別れそうになるが戦後結婚。学生時代から小説を書いていたハベルは脚本家としてハリウッドで徐々に認められるようになる。
しかし、マッカーシズムの時代が幕を開け、ハベルらの集まる映画監督の家に赤狩りの盗聴器が仕掛けられていたことを知ってケイティーの政治思想が再燃。妊娠中にもかかわらず政府も抗議したことで、ますます反政府的な言論が制限的になる。ハベルはふとしたきっかけで昔の彼女と浮気をして、それを知ったケイティーは傷つき、ハベルもケイティーの理想主義に疲れ果て、離婚を決意した2人だった。ハベルはケイティーの出産を見届けてケイティーの元を去った。
時が経ち、ケイティーはニューヨークでハベルを偶然見かける。ハベルはケイティーの知らない女性と再婚し、ケイティーも再婚していたが相変わらずその日も政治活動に熱心だった。ケイティーはハベルに娘が綺麗に成長していることを告げ、夫婦同伴で家に遊びにきてと言ったが、ハベルはそれはできないと告げ、2人は穏やかにお互いを愛しげに抱擁し合いその場で別れた。
キャスト
ケイティ・モロスキー – バーブラ・ストライサンド
J・J – ブラッドフォード・ディルマン
キャロル – ロイス・チャイルズ
ジョージ – パトリック・オニール
フランキー – ジェームズ・ウッズ
この歌を聴くと涙が出る、という年代があるみたいだ。
♪Mem’ries light the corners of my mind
Misty water-colored mem’ries of the way we wereScattered pictures of the smiles we left behind
Smiles we gave to one another for the way we were.Can it be that it was all so simple then
Or has time rewritten every line
If we had the chance to do it all again, tell me, would we, could weMem’ries may be beautiful and yet
What’s too painful to remember we simply choose to forget
So it’s the laughter we will remember
Whenever we remember the way we were.The way we were.
追憶という名の映画は何本かあるのだが、これはネスカフェのCF(あのころはネスレではなくネッスルと言っていた)でおなじみのアレである。
当時小学生の自分は見たことはなかったが、おそらく見てもぴんと来なかったであろう。今ではぴんと来るのかというと、これはかなりビミョーで、あの時代の空気を吸っていないとやっぱりよくわからないんじゃないかと思う。
そういうわけで記憶の中の感覚と当時についての知識を参照しながらの鑑賞。
バーブラ演じるケイティは、気が強くものごとハッキリしてないと気が済まない女性(まんまじゃん…)。男性の観客にはなかなか感情移入しにくい。
二人の生き方の違いを表す「ハベル、あなたの暮らしはいつも楽そうね」というケイティのセリフが強い印象を残す。
かつて、レッドフォードには“様”を付けるファンの方々がいたものである。純白の海軍士官服姿など、カナーリぐっとくるであろう。ブラピは、あきらかに、この路線の後継者ですね(なんて書くと石が飛んでくるだろうか…)。
『追憶』を観るには?
『追憶』作品情報
脚本 – アーサー・ローレンツ
原作 – アーサー・ローレンツ『追憶』
製作 – レイ・スターク
音楽 – マーヴィン・ハムリッシュ
主題歌 – 「追憶」バーブラ・ストライサンド
撮影 – ハリー・ストラドリング・ジュニア
編集 – マーガレット・ブース
配給 – コロンビア ピクチャーズ
公開 – アメリカ:1973年10月16日、日本:1974年4月13日
上映時間 – 118分
『追憶』の原作(アーサー・ローレンツ)
アーサー・ローレンツは20世紀アメリカを代表する劇作家、脚本家、そして舞台演出家。演劇におけるリアリズムと社会性の融合を追求し、ブロードウェイ・ミュージカルの金字塔である『ウエスト・サイド物語』や『ジプシー』の脚本を手がけた。マッカーシズムの時代には政治的抑圧を受け、ブラックリストに載せられた経験もある。
『追憶』はローレンツ自身の学生時代の体験を基に執筆され、物語は第二次世界大戦前の1937年、大学で出会った政治運動に燃えるユダヤ人女性ケイティと、スポーツ万能で文才に恵まれたエリート青年ハベルの20年にわたる愛の軌跡を描いている。性格も信念も対照的な二人は、戦時下のニューヨークで再会して結婚するが、戦後のハリウッドにおける赤狩りの嵐に巻き込まれ、政治的信念を曲げられないケイティと、妥協をよしとするハベルの間に深い溝が生じる。激動の時代背景の中で、互いを深く愛しながらも共に歩むことができなくなった男女の切ない別れを綴ったヒューマンドラマ。





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