『ヘルナイト』ってどんな映画?
真夜中の無人遊園地、閉ざされた巨大迷路。悪ふざけ半分で足を踏み入れた若者たちを待ち受けていたのは、かつてそこで起きた凄惨な事件の悪夢と、暗闇から容赦なく襲いかかる殺人鬼の刃だった。80年代スラッシャー映画の黄金期に誕生し、その独特な舞台設定と容赦のない緊張感でカルト的な人気を誇るサスペンス・ホラーの隠れた名作。
大学の新入生歓迎の儀式として、不気味な伝説が残る無人の広大な屋敷「ガース・マナー」で一晩を過ごすことになった若者たち。参加者であるマーティ(リンダ・ブレア)、セス(ヴィンセント・ヴァン・パタン)、ジェフ(ピーター・バートン)、デニーズ(スーキー・グッドウィン)の4人は、上級生のピーター(ケヴィン・ブロフィー)たちに閉じ込められ、夜を明かすことに。ただの肝試しのつもりだった彼らだが、屋敷の地下深くには、かつて家族を虐殺して姿を消した狂った男の血脈が息を潜めてていた。
見どころは、『エクソシスト』の天才子役から美しく成長したリンダ・ブレアの、今度はオカルトではなく生身の殺人鬼に追いつめられるスクリーム・クイーンとしての新境地。
トム・デ・シモーネ監督のケレン味あふれる演出と、ゴシック調の屋敷が放つ不気味な映像美が、いつどこから殺人鬼が現れるかわからないソリッドな恐怖を増幅させる。元プロテニスプレイヤーという異色の経歴を持つヴィンセント・ヴァン・パタンが演じるセスが、俊敏な動きで必死に脱出を試みようとする泥臭いアクションも見どころ。
夜が明けるのが先か、それとも全員が狂気の餌食になるのが先か。80年代ホラーならではの哀愁漂う雰囲気とクラシカルな洋館を舞台にした「鬼ごっこ」の恐怖を描いた、スラッシャー映画の美学が詰まった見応え抜群のビンテージ・ホラーである。
あらすじ
とある大学の学生クラブ「アルファ・シグマ・ロー」では、毎年“ヘルナイト”と呼ばれる新入生歓迎の恒例行事が行われていた。それは、かつて一家心中があったとされる“ガース館”と呼ばれる古い屋敷に泊まり込んで一夜を過ごすという、いわば肝試しであった。
今年も、マーティ、セス、ジェフ、デニーズの4人の新入生が、“ガース館”で“ヘルナイト”を過ごすことになった。しかし、彼らは得体の知れない何者かに次々と襲われ、殺されてゆく。
キャスト
セス – ヴィンセント・ヴァン・パタン
ジェフ – ピーター・バートン
ピーター – ケヴィン・ブロフィー
メイ – ジェニー・ニューマン
デニーズ – スーキー・グッドウィン
スコット – ジミー・スターテバント
80年代ホラー、王道中の王道。
王道中の王道といった感じの80年代ホラー。しかしひとつひとつのシーンの積み重ねは妙に丁寧で、映像の手触りは官能的ですらある。意外と手に汗握るクライマックスではあるが、最大の失敗はストーリーだろう。それ以外は及第点。
リンダ・ブレアはあの衝撃的な(笑)「チェーンヒート」を撮る2年前で、異様に豊満で、ありえないキャスティング。
キャメラのマック・アールバーグという人物はスウェーディッシュポルノの監督らしい(アールベルイ、なのか)。バート・トーン、エドワード・マナリング、など様々な変名を使い分けているもよう。「抜擢の理由は不明だが、トム・デ・シモーネがゲイ・ポルノなども撮っていた経歴の持ち主なので、同業種つながりだったのかも」。とにかく興味深い人物である。
『ヘルナイト』を観るには?
『ヘルナイト』作品情報
脚本 – ランドルフ・フェルドマン
製作 – アーウィン・ヤブランス、ブルース・コーン・カーティス、マーク・L・ローゼン
製作総指揮 – チャック・ラッセル、ジョセフ・ウルフ
音楽 – ダン・ワイマン
撮影 – マック・アールバーグ
編集 – トニー・ディ・マルコ
配給 – アメリカ:コンパス・インターナショナル・ピクチャーズ、日本:東宝東和
公開 – アメリカ:1981年8月28日、日本:1982年5月15日
上映時間 – 102分

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