川上監督は飛雄馬を中日戦にいきなり投入。大リーグボール2号を目の当たりにしてオズマは恐怖でガクブル状態、「ボス!俺は気が狂いそうだ!」と絶望。一徹は「策がある!」と宣言するが……。

――3回の表、12時無得点。変わってジャイアンツの攻撃は1番高田から・・・
ベンチに戻ったオズマは、「ボス、策を!」と一徹に懇願するが、

一徹は澄まして「慌てるな、チェンジじゃ。しっかり守ってこい」とオズマを送り出す。

約束は守ったぞ。ライバルとしての約束はな・・・

タイガースの大阪の定宿「虎月荘」
花形は明子へのラブレターをしたしめている(なぜか漫画家のようにペン先にインクを浸しながら)。
明子さん、大阪は雨でゲームが流れたので、この手紙を書きます。もっとも、僕の方からの一方通行ばかりで、ちっとも返事をくれませんね。しかし僕を嫌いなのではなく、現在の飛雄馬君のスランプのことで心がいっぱいなのだろうと自惚れています・・・

お前のライバルがどえらいことやらかしとるんじゃ!
「ええっ!?」
「ボールが消えるんじゃ、正真正銘ボールが消えてなくなるんじゃ! オズマはきりきり舞いして泣き声上げおるし、中日打線は怯えてすくみおる。球場はもうまるでごっつい墓場じゃ」


あわてて娯楽室に向かう花形。オズマ打席のビデオ再生で魔球を確認する。

「よくぞここまでカムバックした。しかしこのままではこの花形、ライバルとしてすまさん。必ずや君の消える魔球の秘密を探り出して打ち崩す!」

(美しい花を追い求めとったこの男が、今や勝負の鬼・・・)
*
一方、一徹はなにごとかをオズマの耳に吹き込み、オズマはようやく正常モードに

「ふっ、一打席や二打席で突き込まれる、そんなちゃちな大リーグボール二号ではない」
と飛雄馬が魔球を投げ込むと、

オズマのぶん回し作戦



――皆さん、今の音お聞きになりましたか、今の音はオズマのバットが森捕手のミットを叩いた音だったのです!

審判「打撃妨害、バッター一塁!」
オズマ「卑怯者! 俺に打たれそうになったから・・・なんとか言え!」

森は無言で倒れる
「あれは痛いぜ、あれに叩かれたんじゃあ」
「仕方ねえな、自分のミスが原因なんだもんな」
虎月荘で観戦しているタイガース選手たちも口々に言うが、花形は
「いや、これには何か訳がある・・・」とひとりごちる。

まだ悔しげなオズマ
オズマ「おかげで命拾いしたのだ。せいぜいその卑怯者に感謝せんとな!」
飛雄馬「ならば俺も言ってやろう、男をかけてはっきりとな!――大リーグボール二号は、とうぶん君には打てん!」
オズマ「なにぃ!」(とバットを振り上げる!)
そこに「ケンカはいかん!」と王が割って入ると、
飛雄馬「大丈夫です、王さん。いきなりバットを振り上げられて、びっくりしただけですよ(単純なやつめ、フフフ・・・)」
オズマますます怒り心頭に発するが、そこへ一徹が現れて、

このアホが、何を一体凄んでおるか!
オズマ「しかしボス! ヒューマホシが俺には打たれぬと負け惜しみをぬかした・・・」
一徹「その男は嘘は言わん。 お前には今のところ大リーグボール二号は打てん」
オズマはすごすごと一塁に向かうが、
(見抜いている、父ちゃんは・・・大リーグボール2号が消える秘密を80パーセントまでは・・・)
と飛雄馬は去っていく一徹の背中を見ながら、心胆を寒からしめるのだった。
――ところで、森の打撃妨害の理由は何だったのでしょう?
とアナウンサーが意見を聞くと、解説者は頭を抱え、

・・・私は疲れすぎました、こう現実離れした野球を見せつけられると、神経が参ってしまって・・・

何をくだらぬ弱音を!
「現実離れの超技を見せてこそ金を取るプロ。それをまたこの手で打倒して、花形満もプロになる!」と力むのだった。
一方、出塁したオズマだが、
(さっきの作戦もダメだった・・・消えていてもストライクゾーンにボールが存在すると分かっただけだ。消えていても存在すると分かったら、いっそう不気味になってきた・・・)

と蒼ざめているうちにあっさりタッチアウト
しかし最後まで中継を見た花形が「ミステリーのヴェールを剥ぎ取る鍵は見させてもらったぞ!」と立ち上がったので、阪神メンバーたちは「えっ、なんやて!」と驚く。
(おっそろしい男や。もうこの男に戻る道はない。花は棄てられた・・・)

何も知らぬ明子は、電気屋の転倒で観戦していた
*
消える魔球の秘密を聞くためにベンチ前に記者たちが集まる。

しかし川上は「消える魔球の秘密の公開は、ご希望に添えかねますな」と釘を刺す。
「なぜ消えるかという技術自体に魔球としての威力があり、その秘密を突き止めることから、各球団たちの挑戦が始まるんです・・・」
ここで私見を述べる。消える魔球の秘密を視聴者たちにも明かさす、一徹や花形、オズマと同じ立場に立たせたこのミステリ構造が、「巨人の星」が同種のマンガ・アニメの中で、圧倒的に独創的たりえた理由ではないか――
一徹「わしはオズマに見えないスイングで風を起こさせたのです」

そう――消える魔球は風に弱い!
一徹「よって! まだまだよ、勝負は!」
一方、外に出た花形も興奮してバットを振り回していた。

風! 風! 消える魔球は風に弱い!
この「風」を利用した攻略法に対し、飛雄馬と魔球はどのように対抗していくのか――
大洋戦で左門は死球を狙って大転倒。「球が体を通り抜けた!」と見破るが、飛雄馬は「オズマもそこまでは見抜いていた」と余裕。しかし左門の汗で土煙が立たなくなったことで焦る飛雄馬の姿に、左門と花形は「大リーグボールは水に弱い!」と確信。さらに飛雄馬は試合後にカメラに向かって「姉ちゃん帰ってきてくれ!」と電波を私物化する。(第130回|左門の挑戦)




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