1993年7月5日~9月20日にフジテレビ系「月9」枠にて放送。人気俳優の中井貴一と当時、人気絶頂であったアイドルの観月ありさの意外な競演で、平均21.8%の高視聴率を獲得。このドラマでの共演がきっかけで、中井は観月主演の『ヘルプ!』や『私を旅館に連れてって』などに友情出演している。他にもブレイク直前の内田有紀、いしだ壱成、武田真治、本上まなみ、三井ゆりらが起用された。珍しく悪役を演じた草刈正雄、西村雅彦といった熟練派で固められた。ソフト化は実現しておらず、テレビでの再放送なども極端に少なく、動画配信サービスでも配信されていない幻の作品として知られている。
じゃじゃ馬ならしのあらすじ
マーキュリーコーポレーションの社員、山田隆一郎は社長の北原まゆみと結婚するが、まゆみは結婚式が終わった直後に交通事故で死亡。悲しみにくれる隆一郎の前にまゆみの娘と名乗る北原夏美が現れ、父娘として二人で暮らすようになる。経営の実権を狙う取締役久保田勝二の策略で隆一郎は失脚し、次期社長の座を追われてクビに。まゆみの遺産であった豪邸も手放して、木造アパート『フィルコリンズ世田谷』に移り住む羽目に。隆一郎は「夏美の父親代わり」になることと、夢であったテーマパーク、マーキュリーランドを建設しようとする。
隆一郎は夏美の学費を稼ぐためにアルバイトをするが、匿名の振り込みで夏美の学費を賄う。マーキュリーコーポレーションに社員として戻れた隆一郎は、まゆみの夢だった「テーマパーク建設されるはずの土地」で、久保田による商業開発が進められていること、久保田が夏美を養女にしようとしていることを知り、入社を諦めて阻止しようとする。
匿名での振り込みは、アメリカにいる夏美の実の父、伊部真からだった。伊部は夏美に会いに来日し、隆一郎に父親だと打ち明ける。そんな時、以前から隆一郎に好意を寄せていた亮子の気持ちに応え、隆一郎は亮子にプロポーズ。偶然聞いてしまった夏美は自分が邪魔になると思い、実父とアメリカで暮らすことを決意したが、隆一郎は止め、改めて一緒に暮らすことになる。
久保田の息子、保田肇や、幼馴染の玉置亜矢の力を借りて、久保田の商業開発を阻止することに成功した隆一郎だったが、夏美の友人、清水直人が病死。隆一郎を男性として意識し始めていた夏美はそれをきっかけに「自分の気持ちに素直になろう」と決意して隆一郎に告白をする。
商業開発に失敗した久保田はがでっちあげた偽帳簿のために隆一郎は横領の罪で逮捕される。夏美は亮子の助けも借り、本物の帳簿を手に入れて隆一郎を釈放させ、久保田を社長の座から追い、隆一郎は再びマーキュリーコーポレーションの社長になって、夢であるテーマパーク建設に意欲を見せるのだった。
夏美の告白に最初は戸惑っていた隆一郎だが、夏美が好きなことに気づいて結婚することになる。2人の結婚式の場面、ハッピーエンドで物語は幕を閉じようとするが……。
じゃじゃ馬ならしの感想
93年の月9で、ソフト化されていない幻のドラマとのこと。
17歳の観月ありさはすでに人気絶頂にあり、2年前には小室ファミリーの歌手としてレコード大賞新人賞まで獲っていた。
誰の目にもわかる輝きを放ちながらも、性差を超える透明さがあり、「どの層に需要があるのかわからない」とも揶揄される(だから年末に放映した「奪い愛高校教師」は観月のあり方を侮辱している)。
このドラマに驚くほど時代性が感じられないのも、そんな観月的な空気のように思われる。
じゃじゃ馬ならしのキャスト
主人公
山田隆一郎 – 中井貴一
北原夏美 – 観月ありさ
マーキュリーコーポレーション
久保田勝二 – 草刈正雄川島良介 – 西村雅彦
金沢修二 – 金田明夫
杉村亮子 – 鶴田真由
高木 – 河原さぶ
生徒
久保田肇 – いしだ壱成
清水直人 – 武田真治
玉置亜矢 – 内田有紀
佐藤みゆき – 菊池あゆみ
西沢さとみ – 三井ゆり
秋野りか – 本上まなみ
P’s Dinner
マスター – 高杉亘
アンナ – 植田あつき
その他
伊部真 – 長谷川初範
蔵原圭三 – 塩見三省
渡部利夫 – 蛭子能収
植原社長 – 森本レオ
片寄院長 – 宮内順子
御厨理事長 – 入川保則
福山頭取 – 庄司永建
福山夫人 – 木村翠
鮮魚店の店主 – 神戸浩
上野耕平 – 阿久津健太郎
佐藤店長 – 佐戸井けん太
綿貫警部 – 平泉成
ビルメンテナンス会社の社長 – 梶原善
吉崎教諭 – 斉藤暁
山際専務 – 森下哲夫
刑事 – 鈴木義男
並木教諭 – 紺野まりえ
メイド – 夢野麿、紺野藍
横山秀子 – 小山田美里亜
山本清和 – 金子賢
牧師 – トニー・セテラ
男 – 寺島進
屈強な男たち – 野上彰、小島聡
じゃじゃ馬ならしのスタッフ
企画 – 石原隆、鈴木吉弘
プロデューサー – 塩沢浩二、岩田祐二
脚本 – 神山由美子、戸田山雅司、岡田惠和
演出 – 星護、木下高男、河野圭太
演出補 – 二宮浩行、高丸雅隆
音楽 – 奥慶一
主題歌 – 観月ありさ『君が好きだから』
テーマ音楽 – T-SQUARE『Tomorrow’s Affair』
製作 – フジテレビ
製作著作 – 共同テレビ