『キャリー』ってどんな映画?
少女の孤独が絶望に変わるとき、狂気の惨劇が幕を開ける——
スティーヴン・キングの衝撃的なデビュー作を、名匠ブライアン・デ・パルマ監督が映画化したホラー映画の金字塔。
学校で苛烈ないじめを受け、家庭では狂信的な母親に支配されていた少女が、秘められた「念動力」を覚醒させ、プロムの夜に悲惨な復讐劇を巻き起こすサイコロジカル・ホラーの名作。
あらすじ
気で内向的な女子高生キャリー・ホワイト(シシー・スペイセク)は、学校では過激ないじめの標的となり、自宅では狂信的な母マーガレット(パイパー・ローリー)から非科学的で過酷な抑圧を受けて孤独に暮らしていた。ある日、体育の授業後のシャワー室で初潮を迎えたキャリーはパニックに陥り、クラスメイトたちから嘲笑と不潔な嫌がらせを受ける。しかしこの事件をきっかけに、彼女の内に眠っていた念動力が覚醒し始める。
罪悪感を抱いた同級生のスー(エイミー・アーヴィング)は、恋人のトミー(ウィリアム・カット)にキャリーをプロムに誘うよう頼み、キャリーは生まれて初めて希望と幸福感を味わう。しかし、彼女を恨む不良グループが恐ろしい罠を仕掛けており、華やかなプロム会場は一瞬にして血塗られた地獄へと変貌していく——。
キャスト
キャリー・ホワイト - シシー・スペイセク
マーガレット・ホワイト - パイパー・ローリー
スー・スネル - エイミー・アーヴィング
トミー・ロス - ウィリアム・カット
ビリー・ノーラン - ジョン・トラボルタ
クリス・ハーゲンセン - ナンシー・アレン
コリンズ先生 - ベティ・バックリー
ノーマ・ワトソン - P・J・ソールズ
スネル夫人 - プリシラ・ポインター
フロム氏 - シドニー・ラシック
モートン氏 - ステファン・ギーラシュ
フレディ - マイケル・タルボット
感想
学生時代に映画館で観て以来の再見である。
そばかすだらけのシシー・スペイセクは今見ても魅力的なのだが(ウィリアム・カットと踊る360°旋回キャメラが素晴らしい)、実は当時27歳の人妻であり(夫は本作の美術監督)、テレンス・マリックの「地獄の逃避行」を経て、ニュー・ハリウッド映画界では批評家から絶賛される期待の若手実力派女優だった。髪にワセリンを塗り、中学時代のセーラー服を野暮ったくリメイクして臨んだオーディションでは、その異様さに周囲が息を呑んだという。
撮影には豚の血(コーンシロップだが)まみれの服のまま何日も過ごし、ラストシーンでエイミー・アーヴィングの腕をつかむキャリーの手も、スタントではなくシシーが自ら演じている。
エイミー・アーヴィングは、キャリーをプロムに誘うよう彼氏に頼むという、親切だか何だかわからない役柄で、わたしはナンシー・アレンとグルなんだとばかり思っていた。この人は撮影現場に遊びにきたスピルバーグ(可愛い女の子がいっぱいいるよ!とデ・パルマが誘ったらしい)に見初められ、85年に結婚している(89年に離婚)。
そのナンシー・アレンもまたデ・パルマと結婚し(79年)、80年初頭はミューズとして「悪夢のファミリー」「殺しのドレス」「ミッドナイトクロス」と立て続けに夫の映画に出たが、83年に離婚、6年後の「ロボコップ」シリーズでみごとカムバックを果たしたのだった。
『キャリー』を観るには?
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『キャリー』作品情報
監督 – ブライアン・デ・パルマ
脚本 – ローレンス・D・コーエン
原作 – スティーヴン・キング
製作 – ポール・モナシュ、ブライアン・デ・パルマ
音楽 – ピノ・ドナッジオ
撮影 – マリオ・トッシ
編集 – ポール・ハーシュ
配給 – ユナイテッド・アーティスツ
公開 – アメリカ: 1976年11月3日、日本: 1977年3月3日
上映時間 – 98分
『キャリー』の原作
ユーイン・エレメンタリー・スクールに通う少女キャリーは早くに父親を亡くし、狂信的な母親に育てられていた。暗い性格で、いつもおどおどしているキャリーはいじめっ子たちにとって格好の標的であった。
そんなある日、バレーボールの授業の後にシャワーを浴びていたキャリーは、初潮を経験する。母親から性教育を受けていなかった彼女はパニックに陥り、それをクラスメートのクリス達がはやしたてるが、担任教師のデジャルダンによって収束される。クリス達はキャリーをいじめた罰としてプロムに出席できなくなってしまい、キャリーを逆恨みする。一方、一緒にはやしたてたスーザンは罪滅ぼしとして、自分の幼馴染みであるトミーに、キャリーをプロムに連れて行くように頼むのだった。
母親はプロムに行くことを禁じるが、キャリーは「みんなに溶け込みたい」という意志を主張し、生まれて初めての反抗をする。自分で縫ったドレスを着こみ、希望と不安との入り混じった気持ちでプロムへと向かうキャリー。しかしクリスとボーイフレンドのビリーは、彼女を笑いものにするためのある計画をたくらんでいた。


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