『侵入者 逃げ場のない家』ってどんな映画?
侵入した強盗団が襲ったのは、家から一歩も出られない重度の広場恐怖症の女性。
しかし、本当に恐ろしいのは彼女の『秘密』だった——!
テレビシリーズ『レバレッジ』などのベス・リースグラフ主演、アダム・シンドラー監督によるサスペンス・スリラー。
強盗被害に遭う被害者と侵入者たちの立場が思わぬ形で逆転していく、緊迫感あふれるシチュエーション・スリラー。
キャスト
アンナ・ルック - ベス・リースグラフ
ダン・クーパー(フードデリバリー) - ロリー・カルキン
ペリー・ツカマン(リーダー) - マーティン・スター
JP・ヘンソン(ヴァンスの兄) - ジャック・ケシー
ヴァンス・ヘンソン - トビン・ベルミューデズ
シャーロット(弁護士) - レティシア・ヒメネス
感想
強盗が返り討ちに遭う「ドント・ブリーズ」と同じ趣向の話だが(あちらの方が2016年で一応あと)、監督はのちに同じサム・ライミ製作の「ドントムーブ」(2024)を撮ることになる。
中年女性のアンナは膵臓癌の兄を自宅で看取るのだが、その葬式当日、喪服に着替えたにもかかわらず、なぜか出席する気配がない。するとそこに留守宅だと思った強盗が侵入してきて、どうやらこのヒロインは引きこもりで外に出られないらしいことが判明する(広場恐怖症)。面白がった強盗が無理に引っ張り出そうとすると、オシッコを漏らしてしまうという臆病な猫のような反応である。
しかし中盤から形勢は逆転し、じつはその家はクラシックな仕掛け満載のからくり屋敷で、強盗たちはアンナによって地下室に閉じ込められ、一人ずつ殺されていくのである。
この屋敷の美術がなかなか凝っていて、間取りや廊下、ドアの位置が意図的に入り組んでデザインされているのはアンナの精神世界を具現化したものと考えられる。どの部屋にもガラクタが積み上がって死角だらけであり、強盗たちにとっては出口がわからない迷宮になっている。また彼らが閉じ込められる地下室の一角は「ソウ」を思わせる蛍光灯で(死体の入ったフリーザーが置かれている)、前半の暖色系照明からの転換が意図されている。
しかしながら脚本はお粗末で、アンナと死んだ兄は、昔、アンナを虐待していた父親を殺して以来、変質者を誘い込んでは治療と称して殺してきたらしい、という背景を、生き残った強盗とアンナの会話で読み取ってほしいようなのだが、全然納得いかないし、アンナの妄想のルールも判然としないので、そんな説明ならない方がマシだと思った。
ベス・リースグラフという女優が微妙に魅力的なのが本作の見どころでもあるのだが、トラウマを抱えた表情の演技が松本穂香を思わせた。松本がこういう役を演じたら面白いだろうな。
『侵入者 逃げ場のない家』を観るには?
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