エクストリーム・ジョブ

エクストリーム・ジョブの感想

ファストフードの映画ということに興味をもって鑑賞。ドジな麻薬捜査班が張り込みの都合でチキン店を買い取ることになり、苦し紛れに考案したチキンが大当たりして捜査どころではなくなる…という、面白くないはずがないストーリーである。

2019年の映画で、韓国では大当たりしたらしい。商売にも捜査にも生真面目だががさつな女刑事（実はムエタイのチャンピオン）を演じるのはイ・ハニ。

エクストリーム・ジョブ　見どころ

本作はアクション×コメディ映画でありながら、“食”を中心に据えた演出が際立っている。
美味しそうなチキンのカットがグルメ番組のように鮮やかで、韓国人の食文化への愛情と誇りが映像を通じてストレートに伝わる。
麻薬捜査チームが、刑事ドラマの常識をひっくり返し、“舞台はチキン店、主戦場は厨房”という逆転構成が何よりも鮮やか。叙述トリックにも近い演出により、「監視のための店がいつのまにか繁盛店になっている」という設定がそのまま笑いを生む構造だ。

どこか不器用で欠点だらけの登場人物たちが、チームとして結束・成長していく物語は、家族的チームドラマの韓流的魅力そのものと言える。ジン・ソンギュ演じる「厨房の才能」は、韓国社会における隠れた個性の開花の象徴である。

類を見ないテンポと笑いの連続は、アメリカの「ポリス・アカデミー」的な「コメディ犯罪もの」に通じる演出と言えるが、韓国流の“激しさと機転”により独自の笑いに昇華されている。クライマックスのアクションは、香港映画のエッセンスを取り入れつつも、韓国的指向でまとめた高度なバランス感が秀逸。

本作は興収1,200万ドル、韓国歴代2位の動員という記録を残した。単なる笑いにとどまらず、“社会のストレスを忘れさせる”という娯楽映画の根源を示すものだろう。「アメリカ映画に笑えるものは少ない」と語られる中、韓国発のアクション・コメディが世界的にも通用した意味は大きい。

『エクストリーム・ジョブ』は、韓国映画独自の“笑いと家族愛”を、食とチキン店というユニークな装置に乗せて、アジアそして世界にぶつけた傑作である。

エクストリーム・ジョブ　あらすじ

麻薬捜査班は実績ゼロで解体寸前の中、国際犯罪組織の検挙指令を受ける。アジト前のフライドチキン屋で潜伏捜査を開始するが、一味は証拠を残さず、班長は店を買い取り秘密捜査本部とする。新レシピが当たり繁盛するも、一味からの注文はなく、捜査は停滞。アジトは引き払われ、悪評が立ち、班は無期限停職に。班長らはチキン屋経営を継続し、ムベはコンサルタントを送り込み、チェーン展開を提案。麻薬流通計画に利用されるが、班は従業員教育部を発足し、麻薬の梱包と配達を裏稼業とする実態を暴き、ムベの居所を突き止める。しかし、ムベは先手を打ち、班員を捕らえ、最後の対決へと発展する。

エクストリーム・ジョブを観るには？

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エクストリーム・ジョブはこんな人におすすめ

• アクション＋グルメ＋コメディをごちゃ混ぜに楽しみたい人
• 韓国映画らしい“仲間の絆と成長”を笑いとともに味わいたい人
• 韓国グルメ文化のビジュアル演出が好きな人

エクストリーム・ジョブ　キャスト

エクストリーム・ジョブ　スタッフ