ファイナル・デッドブラッドの感想
相変わらずひどい話なのだが、困ったことに私はこれがゾクゾクするほど好きなのだ。本作の完成度の高さは注目すべきものだと思う。
14年ぶりの新作、しかもシリーズ25周年の本作には、第一作「ファイナル・デスティネーション」(2000)で謎の葬儀屋を演じていたトニー・ドットが同じ人物として登場する(この男の出自が明らかになる本作は、同じ末期癌を患っていたトニー・トッドの遺作である。そう思うと、「死を想いながら生きろ、どうせみんな死ぬんだから」という本作中の台詞は泣かせるではないか)。
冒頭は1969年のスカイビューなるタワー建築のオープニングセレモニーが舞台で、とにかく不穏極まりないのだが、案の定、「タワーリング・インフェルノ」をダイジェストしたような高密度のディザスターによって、招待された群衆が虐殺されていく。最上階のラウンジに流れるのはジョニー・キャッシュの「Ring of Fire」、そしてクライマックスではアイズレー・ブラザーズの「Shout」で全員が踊り狂う。このシークエンスのヒロインであるアイリス(ブレック・バッシンジャー)は非常にキュートだが、しかしそれでも死ぬのである。すべてはクソガキが噴水の泉から拾ったコインがもたらしているのだが、このコインが映画の最後まで意味を持たされている。
…と、ここでいつものように目が覚めるのだが、いつもの予知夢ではなく、アイリスの孫ステファニーの夢だったという予想を裏切る展開で現代編(本編)に入る。
本作は「死の法則」がどのように始まったのかを描くオリジンストーリーでもある。
群衆の中で最後に死ぬのがアイリスと黒人少年であることから、原題「Bloodlines」(血縁)というモチーフが導かれる。つまり、死ぬはずだった群衆が運命通りに事故死するだけでなく、そもそも人数が多く、おまけにアイリスが死ななかったので時間がかかり、その間に群衆の一人ひとりが一族をなしてしまったため、本来なら存在しなかったはずの血縁者まで死の運命にさらされているという設定だ。
これは、本シリーズの死者が全員スカイビューの死者の血縁者だったという目ウロコな新設定を意味している。
本作が自分たちを棄てた母親をヒロインが赦すという血縁ドラマでもあることを考えれば、なかなかうまいではないか。
すでに次作の制作も決定しているという。今から楽しみである。
ファイナル・デッドブラッドのあらすじ
女子大生ステファニーは、55年前の超高層レストラン崩落事故で祖母アイリスが死亡する悪夢にうなされていた。真相を追う彼女は、家族の制止を振り切り山奥で隠遁生活を送るアイリスと再会。祖母によれば、予知夢によって事故が回避され、「死神の計画」が狂ったために、生き残った者とその子孫が死の運命に追われているという。研究ノートをステファニーに託した祖母は運命に従って事故死した。
その後、疎遠だった母の帰還を機に親族でBBQパーティが開かれたが、叔父ハワードが芝刈り機の事故で惨死。祖母の警告が現実となり、ステファニーはノートに記された生存者の謎を解き、一族に迫る連鎖的な死を止めるべく奔走し始める。
ファイナル・デッドブラッドを観るには?
ファイナル・デッドブラッド キャスト
チャーリー・レイエス – テオ・ブリオネス
エリック・キャンベル – リチャード・ハーモン
ボビー・キャンベル – オーウェン・パトリック・ジョイナー
ジュリア・キャンベル – アンナ・ロア
アイリス・キャンベル – ガブリエル・ローズ
アイリス・キャンベル(若い頃) – ブレック・バッシンジャー
ウィリアム・ジョン・ブラッドワース – トニー・トッド
ウィリアム・ジョン・ブラッドワース(少年時代) – ジェイデン・オニア
マーティ・レイエス – ティンポ・リー
ダーリーン – リア・キルステッド
ブレンダ・キャンベル – エイプリル・テレック
ハワード・キャンベル – アレックス・ザハラ
ポール・キャンベル – アレックス・ザハラ
ファイナル・デッドブラッド 作品情報
脚本 – ガイ・ビューシック、ロリ・エバンス・テイラー
原案 – ジョン・ワッツ、ガイ・ビューシック、ロリ・エバンス・テイラー
原作 – ジェフリー・レディック(キャラクター創造)
製作 – クレイグ・ペリー、シーラ・ハナハン・テイラー、ジョン・ワッツ、ダイアン・マガニグル、トビー・エメリッヒ
製作総指揮 – デビッド・シーゲル、ウォーレン・ザイド
音楽 – ティム・ウィン
撮影 – クリスチャン・セバルト
編集 – サブリナ・ピトレ
製作会社 – ニュー・ライン・シネマ、プラクティカル・ピクチャーズ、フレッシュマン・イヤー、ファイアサイド・フィルムズ
配給 – ワーナー・ブラザース
公開 – アメリカ: 2025年5月16日、日本: 2025年10月10日
上映時間 – 109分



