『ウーマン・オン・トップ』ってどんな映画?
ブラジルの港町バイーア。生まれつき重度の乗り物酔いに悩まされ、あらゆる移動を自らの足で行ってきた美女イザベラ(ペネロペ・クルス)は、同時に誰もが一口で天国へ昇るような絶品料理を作る、魔法のスパイスの才能を持っていた。しかし、最愛の夫トニーニョ(ムリロ・ベニチオ)の浮気をきっかけに、彼女はすべてを捨ててサンフランシスコへ旅立つ――。ベネズエラ出身のフィナ・トレス監督が、情熱的なブラジルの熱気とスパイスの香りをそのままスクリーンに閉じ込めた、とびきりロマンチックで五感を刺激する極上のラブ・コメディだ。
ハリウッド進出初期のペネロペ・クルスが放つ、目も眩むような圧倒的な瑞々しさとエロティシズムが眼福ものだ。
白いエプロンを身に纏い、時に妖艶に、時に無邪気に料理を仕上げていく彼女の姿は、まさに女神そのもの。彼女がサンフランシスコで始めた料理番組は大ヒットを記録し、テレビプロデューサーのクリフ(マーク・フォイアスタイン)らを巻き込んで、一躍時代の寵児となっていくサクセスストーリーのテンポの良さが、観る者をワクワクさせる。
見どころは、イザベラを取り巻くカラフルで愛おしいキャラクターたちだ。
彼女を追ってブラジルから海を渡ってきた元夫のトニーニョは、ギターを片手に極上のボサノヴァを歌い上げる、どこか憎めない伊達男。そして何より、イザベラの心の支えであり、サンフランシスコでの同居人となる幼なじみのトランスジェンダー、モニカ(ハロルド・ペリノー・ジュニア)の存在が素晴らしい。ハロルドが演じるモニカの、派手でチャーミングな佇まいと、アネゴ肌な優しさが、物語に最高のユーモアと温かさを添えている。
ヴェラ・ブラシの脚本は、単なる男女の復縁劇には収まらない。「常に主導権(トップ)を握りたがる男」と、「自分の足で立ち、自分の人生をコントロールしたいと願う女」の自立のドラマを、美味しそうなブラジル料理の湯気の向こう側に優しく描き出す。
劇中を彩る気怠くも情熱的なボサノヴァのメロディ、画面から匂い立つようなココナッツと唐辛子の香り。失恋の痛みを最高にスパイシーな料理と音楽で癒やし、最後には本当の愛と自分らしさを見つけ出す。観終わった後、無性に美味しいものが食べたくなり、そして少しだけ心が軽くなる、ハッピーなエネルギーに満ちあふれた珠玉のサクセス・ラブストーリーだ。
あらすじ
ハンサムな夫トニーニョの浮気をきっかけに、すべてを捨ててサンフランシスコへ渡ったイザベラ。海の女神へのまじないで夫への未練を断ち切った彼女は、持ち前のセクシーさと料理の才能を開花させ、テレビの料理ショーで一躍大スターに。しかし復縁を迫るトニーニョが番組に乱入し、彼女に想いを寄せるプロデューサーのクリフも交えた複雑な三角関係に発展する。全米放送のチャンスが巡るものの、番組の商業主義や大切な親友モニカの解雇に反発したイザベラは、自らの信念を貫いて番組を降板。誰もいないスタジオでトニーニョと二人、初心に戻って調理をするうちに魔法のようにまじないが解け、彼への愛を再確認する。
キャスト
トニーニョ・オリヴェイラ(歌の得意なイザベラの夫) – ムリロ・ベニチオ
モニカ・ジョーンズ(イザベラの幼なじみの黒人のトランスジェンダー) – ハロルド・ペリノー・ジュニア
クリフ・ロイド(テレビ・プロデューサー) – マーク・フォイアスタイン
アレックス・リーヴス(クリフの上司) – ジョン・デ・ランシー
ボサノヴァ!
ラテン、ラテン。
よく知っているはずのサンフランシスコがサンフランシスコに見えないくらいのラテンぶりである。ブラジルの海、ペネロペの料理、そしてボサノヴァ!
ペネロペ・クルスのハリウッド進出第一作であり、彼女はここでラテン系美女の称号をホシイママにするのである。
「上(トップ)になる女」というモチーフは、後半忘れられてしまうのだが、もっと面白くなるはずだと思うので少しモッタイナイ。




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