
橋本環奈(インフルエンス)
作家である鈴木保奈美を訪ねてきた大塚寧々が、3人の少女と3つの殺人について語る、というのが語りの軸になっており、そこには当然仕掛けがある。ただし残念ながら結末は必ずしも満足のいく感じではなかった。
一つ目の殺人は、葵わかなを守るために橋本環奈が人を刺し、さらに吉川愛がとどめをさすというものだ。この「誰かを守るために誰かが誰かを殺す」という代理殺人がループする、というのがこの物語のモチーフ。
終盤の橋本環奈の台詞に、「あのときも今も真帆ちゃん(葵わかな)は悪くない」というものがある。ここは泣かせどころで、いつのまにか一周回って、高校時代の焼き直しになっているのである。女性同士の複雑な関係性(インフルエンス)を丁寧に積み重ね、そのような物語を組み上げた原作はみごとである。
▶横断考察記事 共犯する女たち
インフルエンスを観るには?
インフルエンスのスタッフ
原作 – 近藤史恵 『インフルエンス』(文春文庫刊)
脚本 – 篠﨑絵里子
監督 – 水田成英、 ヤング・ポール
音楽 – 林ゆうき、菅野みづき、奥野大樹
チーフプロデューサー – 青木泰憲
プロデューサー – 山田雅樹、 中山ケイ子、 大瀬花恵
製作 – WOWOW、FCC
脚本 – 篠﨑絵里子
監督 – 水田成英、 ヤング・ポール
音楽 – 林ゆうき、菅野みづき、奥野大樹
チーフプロデューサー – 青木泰憲
プロデューサー – 山田雅樹、 中山ケイ子、 大瀬花恵
製作 – WOWOW、FCC
インフルエンスの原作(近藤史恵著)
大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨。同じ団地に住む里子が、家族内で性虐待を受けていたことを知り、衝撃を受ける。助けられなかったという自責の念を胸に抱えたまま中学生になった友梨は、都会的で美しい親友・真帆を守ろうとして、暴漢の男を刺してしまう。ところが何故か、翌日警察に連れて行かれたのは、あの里子だった。
殺人事件、スクールカースト、子育て、孤独と希望、繋がり。お互いの関係を必死に隠して大人になった3人の女たちが過ごした20年、その入り組んだ秘密の関係の果てに彼女たちを待つものは何だったのか。大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見えてくる。
女たちが幼いころから直面する社会の罪、言葉で説明できないあやうい関係性、深い信頼。ラストに用意された、ミステリファンも唸る「驚き」。
『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞した近藤史恵が描く傑作長編。




