微笑の儀式

佳那晃子(微笑の儀式)
佳那晃子(微笑の儀式)

松本清張原作(「黒の様式」第3話、週刊朝日1967年4月28日号-6月30日号連載)で1995年に「松本清張スペシャル・微笑の儀式」としてテレビドラマ化。1995年3月7日、日本テレビ系列の「火曜サスペンス劇場」枠(21:03-22:54)で放映。視聴率18.7%。過去の彫刻家を主人公が思い出すストーリーとなっている。

微笑の儀式の原作

黒の様式 (新潮文庫)

黒の様式 (新潮文庫)

微笑の儀式の原作のあらすじ

法医学者の鳥沢良一郎は、初夏に奈良・法隆寺内の飛鳥仏を鑑賞中、止利様式の仏像が持つ「古拙の笑い」にとり憑かれた彫刻家と称する男に声をかけられる。秋、新聞の展覧会評で「微笑」という彫刻作品を知った鳥沢が展覧会場へと赴くと、その彫刻の顔つきには飛鳥仏の特徴がよく出ており、作者はやはりあの時の彫刻家、新井大助だった。生命保険会社の調査員の男は鳥沢を呼び止め、この彫刻の大きさが「人間の実物大」で、「本当の人間の顔からそっくり取った」ものではないかと指摘する。さらに、この彫刻とよく似た顔の宅間添子という女性が最近死んだという。遺体はなぜか「微笑んでいた」というのだが…

微笑の儀式の感想

清張の原作は、67年の週刊朝日連載。本作は95年の初ドラマ化だが、30年近いギャップのために、昭和42年を「戦後の混乱がようやく終わって…」と捉える感覚はとうに失われており、95年の余計な事件を加えて登場人物が回想する形式になっている。おかげで役所広司内藤剛志が超老けた2役を演じることになっただけでなく、無意味に時制が混乱する話になっている。

しかし厚木が舞台とはいえ、昭和42年にオンリーさん(源孝志夫人の佳那晃子が演じる)なんてそうそういなかった気もする。もろもろ無理があっても、原作を活かすために時代設定を変更できなかったのだろう。

微笑の儀式のキャスト

鳥沢良一郎:役所広司 (法医学者・5年前に大学を退官)
新井大介:内藤剛志 (彫刻家)
宅間添子:佳那晃子(女性像と似た顔の女性・被害者)
島上忠太郎:石丸謙二郎(保険会社の調査員)
宅間平造:織本順吉(添子の父)
沢村:木場勝己(管理人)
岡崎:斉藤洋介(アパート住人・カメラマン)
窪田:沼田爆(アパートのオーナー)
沢村の妻:田根楽子
桃:三野友華子(クラブのホステス)
クラブのママ:落合ひとみ
石井:清水宏(佃島署刑事)
谷沢:井上博一(科学捜査研究所研究員)
喫茶店マスター:水島涼太
渡辺成紀
北川たか子

微笑の儀式のスタッフ

脚本:金子成人
監督:長尾啓司
音楽:佐藤允彦
撮影:羽方義昌
技術協力:映広
美術協力:東京工芸大学、西村美術、ベレッツァスタジオ
プロデューサー:伊藤祥二(日本テレビ)、小坂一雄(レオナ)、林悦子(霧企画)
制作:レオナ、日本テレビ、霧企画

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