野火

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『野火』は2015年7月25日に公開。1959年版(市川崑監督)のリメイクではなく、塚本晋也のオリジナル(構想20年)。出資者が集まらず自主製作映画としての公開ながら、2014年7月開催の第71回ヴェネツィア国際映画祭メインコンペティション部門に正式出品。第15回東京フィルメックスのオープニング作品として上演。第23回レインダンス映画祭出品作品。

『野火』ってどんな映画?

極限の戦場で、生きるとは何か——。
大岡昇平の不朽の文学傑作を、塚本晋也監督が圧倒的な臨場感と壮絶な映像世界で映画化した戦争文学の金字塔。
太平洋戦争末期のレイテ島を舞台に、飢餓と絶望の極限状態に追い込まれた兵士たちの姿を描き、人間の尊厳と生への執着を問いかける強烈なトラウマティック・ドラマ。

あらすじ

太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島。肺を病んだ田村一等兵(塚本晋也)は、所属する部隊から「軍の食糧を消費するだけだ」と野戦病院へ行くよう命じられる。しかし、野戦病院も重傷者で溢れ返っており、食糧を持たない田村は受診を拒否され、再び野戦病院と部隊の間をあてもなく彷徨うことになる。
やがて日本軍の敗色が濃厚となる中、部隊は壊滅状態に陥り、兵士たちは熱帯のジャングルで飢えと病魔に侵されていく。あてのない孤独な逃亡を続ける田村は、同じく彷徨う安田(リリー・フランキー)や若い兵士・永松(森優作)らと出会うが、極限状態に置かれた極限の地で彼らを待ち受けていたのは、正気を失わせるほどの凄惨な現実だった——。

キャスト

田村一等兵 - 塚本晋也
安田 - リリー・フランキー
伍長 - 中村達也
永松 - 森優作
田村の妻 - 中村優子
分隊長 - 山本浩司
軍医 - 山内まも留

感想

NHKの「マンゴーの木の下で」ドキュメンタリー編とドラマ編を見た勢いで、地上波放映した塚本晋也版を見た。時系列的には、「野火」でのレイテ島壊滅後に、「マンゴー」のルソン島でのなでしこ隊の話が来ることになる。ちなみに同じ頃、小野田寛郎はルソン島の足元のルバング島の山林に潜んでいた。

この監督の映画は、いつも7割ほどは監督の顔を眺め続けることになる気がする。台詞などは半分くらい聞き取りがたい。

塚本版「地獄の黙示録」というべき映画だが、コッポラの映画がコンラッドの「闇の奥」を下敷きにしていたように、大岡昇平の「野火」はポオの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」 を枠組みにしていると作家は書いている。野火の煙が上がる地獄めぐりに伴って破壊されていく人間性が描かれる。

自主制作だというが、予算の無さを感じさせない。

『野火』を観るには?

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『野火』作品情報

監督 – 塚本晋也
脚本 – 塚本晋也
原作 – 大岡昇平
製作 – 塚本晋也
音楽 – 石川忠
撮影 – 塚本晋也、林啓史
編集 – 塚本晋也
配給 – 海獣シアター
公開 – イタリア:2014年9月2日 (VIFF)、日本:2015年7月25日
上映時間 – 87分

『野火』の原作

死者達は笑っていた。

野火の燃えひろがるフィリピンの原野をさまよう田村一等兵。極度の飢えと病魔と闘いながら生きのびた男の、戦争という異常な体験を描く名作。

敗北が決定的となったフィリッピン戦線で結核に冒され、わずか数本の芋を渡されて本隊を追放された田村一等兵。野火の燃えひろがる原野を彷徨う田村は、極度の飢えに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の屍体に目を向ける……。平凡な一人の中年男の異常な戦争体験をもとにして、彼がなぜ人肉嗜食に踏み切れなかったかをたどる戦争文学の代表的名作である。

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