2011年のドラマドラマ2010年代のドラマ

美しい隣人

4.0
仲間由紀恵(美しい隣人) 2011年のドラマ
仲間由紀恵(美しい隣人)
『美しい隣人』は、関西テレビとメディアミックス・ジャパン(MMJ)の共同制作により2011年1月11日~3月15日の毎週火曜日の22:00-22:54にフジテレビ系列で放送。ハイビジョン制作。主演の仲間由紀恵と檀れいの初共演によるサスペンス。仲間にとっては関西テレビ火曜10時枠の初主演作品、檀にとっては民放の連続ドラマ初出演。

美しい隣人ってどんなドラマ?

あらすじ

郊外の住宅地・美空野町に暮らす平凡な専業主婦・矢野絵里子は、夫と息子の3人家族で平穏な日々を過ごしていた。ところがある日、絵里子の家の隣に引越して来た謎の美女・マイヤー沙希によって、彼女の平穏な生活は崩れ去っていく。

ファーストインプレッション

東京郊外というが、海の見えるあんな場所がどこにあるのだろうか。茨城?
このお話では特にロケハンが重要である。
選ばれた舞台は地方都市で、吹きっさらしの斜面に瀟洒な家が立ち並び、隣家との付き合いなしではとても暮らしていけないと暗に説明している。

初回スペシャルで放送時間拡大とかしないのね、と思ったが、1時間でも長いくらい展開がのろい。
連ドラには、その後の展開の主な要素を初回で全部出すタイプのものと、あえて材料を小出しにするタイプのものがあるが、「美しい隣人」は典型的に後者で(隣人ものは、たいてい、そうだろう)、このペースだと、おそらく全体の半ばぐらいまで、週に1要素ずつの小出しが続き、仲間由紀恵をコワくしていくのだろうと思われる。

仲間がいつコワくなるのかと眼を凝らして見ていたが、メディア露出が多いからなのか、コワい役ではないのか、演技か演出が下手なのか、ちっともコワくならない。
まさかバウムクーヘンとオモチャをバーンとゴミ箱に投げたからコワイはず、と楽観的に思っているのではあるまい(どうせなら、ああいうのはさりげなくやったほうがコワイはずである)。

そういうわけで、まだ全然面白くないのだが、しばらく様子見。
なにしろ驚いたのは渡辺篤郎である。
予備知識なしでは、誰だかわからなかった…

第2話|仲間由紀恵は母親ではないだろう

池で死んだ男の子には母親らしき人物が二人いる。一人は仲間由紀恵、もう一人は高知東生の妻らしき人物である。
木から降りれなくなった檀れいの子を助けた南圭介は、木の上から池の様子を見ていたと思われる。
仲間由紀恵は池に佇んでいたのであり、だから南は亡児の母親と考えた。

一方、高知東生とその妻らしき人は、一周忌の日に喪服で現場にいた。後者が亡児の両親であるとすれば、現場にいた仲間は、男児を死に至らしめた人ということになる。
仲間は三浦理恵子の店で、供花を荒らしたのは母親ではないかと言ったが、それはミスリードだったということになる。
あるいは仲間は母親ではないが、供花を荒らしたのは仲間なのかもしれない。
いずれにしても、仲間が亡児の母親なのではないかと檀れいが疑っているくらいだから、それはミスリードである可能性が高い。

仲間由紀恵は忙しく東京(といっても、どこなのか?)と大阪を往復し、渡部篤郎を篭絡しようとしてバーカウンターの下で温かい太腿を押しつけたりする。渡部は最初その気はなかったが、1週間後が最後のチャンスと思って仕事が手につかなくなる。
取引先との商談がその日の夜になったので一度は諦めるが、部下の藤井美菜が取引先のキャンセルを伝えたのでバーを訪れる気になる。
普通に考えれば藤井美菜は仲間とグルで、取引先のキャンセルは渡部を陥れるための嘘である。
翌日、渡部は取引先をすっぽかしたことを上司に責められ、それが元で東京に戻されることになるかもしれない。

家電メーカーである渡部の会社は、パナソニックであるような気がする。
パナソニックの本社は大阪だ。
いずれにしても、仲間が渡部を篭絡する目的は、単に幸せな家庭に波紋を起こすことだけではなく、渡部の転勤期間をなるべく延ばすことにあると考えられる。
そうでなければ藤井の存在が不可解なものになるからだ。

また、藤井が仲間とグルであるかどうかは、物語を大きく左右する。
仲間の夫というアメリカ人は実在する可能性が低く、仲間はひとりで謀略を練っているように見えるからだ。

檀れいと義父母との関係には今後何かが起こると思われる。
また、第1回で檀れいが鈴木砂羽の夫婦から譲り受けた巨大な鏡が、すべてを解く鍵になるだろうと予想される。
鈴木砂羽の夫婦は大阪に引っ越していったので、渡部は大阪で鈴木砂羽と再会するか、目撃されることになるだろう。
おそらく仲間との浮気を檀れいに伝えるのは鈴木砂羽だろう。

第3話|仲間由紀恵の息をのむ美しさ

初回で仲間由紀恵があまり怖くなかったのは、やはりわざとだった。
3回目に至り、仲間の美貌はますます冴え、怖さは極みに達そうとしている。
様子見のつもりで見始めたが、いちばん見逃したくないドラマになっている。
あえて怖い顔を見せず、眉一つひそめることのない仲間の演技は、これまでのドラマではあまり見たおぼえのない、すばらしいものだ。
本当にわずかな表情の変化だけで、見る者の心臓を冷やすのである。

ひらめき招く闇の中の白い手で以下次週、という怪談のような前回のラストだったが、それに続く今回の前半は、檀れいを酔い潰して矢野家を物色する仲間の姿を、退屈なまでに延々と映す。
矢野駿の寝室での仲間の美しさは息をのむほどで、冗長な空気はあとのシーンでの怖さを増す効果がある。

前回の予告編で一瞬外人が映り、それが仲間の夫なのかと思わせるシーンは、やはりミスリードの捨てカットだった。
仲間の元(?)夫はどうやら高知東生であるらしく、前回、高知の傍にいた女性は後妻なのだろう(登場人物としての名も与えられていないのである)。
やはり亡児の母親は仲間だったことになり、矢野駿が降りられなくなった木の前で我が子を抱く仲間の姿が回想される。
そしてその場には、それを見つめる南圭介もいる。
もっとも、予告編でフェイクを試みるくらいだから、ドラマの作り手はまだまだ見る者をミスリードするだろうと思われる。
映像の意味するものを単純には信じさせまいとする意思が感じられる。

南圭介はもはやはっきりと仲間の敵であるように見える。南に対する仲間の口のきき方は他の誰に対するのとも違う。寡黙な青年である南は、慎重に自分を守っている。

真面目一辺倒な夫だった渡部篤郎は、仲間の狙い通り、寝てもいない仲間を強く意識するようになる。
残念ながら、ここはリアリティが希薄な部分である。
温かい太腿を男に押しつけられたぐらいで、男が仲間の誘惑に落ちるとは思えないのだ。
レスボスの女ではないかと噂される女優・仲間由紀恵であるが、そのせいなのか、性愛と隔絶した印象がある。実際にどうなのかはもちろん知らないが、檀れいを惑わす仲間はレスボスのように見える。
上にも掲げた、このドラマのメインビジュアルの意味は、ずばりそれのように見える。

第4話|情報を絞って緊張感を高める

仲間由紀恵の表情の変化を見逃すまいと目を凝らすので、自然と疲れてしまうドラマなのだが、仲間はじつに細かく演技していて、さすがと思わせる。
草笛光子に言う「また会いに来ても…?」などといった映画字幕な台詞は、実はいささか不自然なのだが(ついでに言うと、「ティッシュを病院からスーパーに買いに行く」と世間話をしている女が送っていくという檀れいの誘いを断ってタクシーに載って帰るのも不自然だ)、台詞にしても表情にしても、極端に情報を絞ることで、緊張感の中でその変化に注目させるという演出は、テレビドラマでは珍しいと思う。

タイトルとURLをコピーしました